Power Automate Desktopを使えば、毎日繰り返している手作業をまるごと自動化できます。
しかも、Windowsに最初から入っている無料のツールです。つまりプログラミングの知識も、追加の費用も必要ありません。しかもプログラミングの知識は一切いりません。
そこでこの記事では、初めての人がそのまま真似できるレベルまで、実際のフローの作り方を解説します。

- この記事のポイント
- Power Automate Desktopとは何か
- Power Automate Desktopの導入手順
- Power Automate Desktopの画面の見方
- Power Automate Desktopで自動化できる作業
- 実例1:ファイルの振り分けと名前の一括変更
- 実例2:複数のExcelを1枚にまとめる
- 実例3:Webサイトから情報を集めてExcelに保存
- 実例4:定型メールを自動で作成・送信
- Power Automate Desktopで挫折しない3つのコツ
- Power Automate Desktopの無料版でできること
- Power Automate Desktopに関するQ&A
- まとめ
この記事のポイント
- Windows標準の無料ツールで定型作業を自動化できる
- 4つの実例をアクション名・入力値まで公開
- コピーして真似るだけで最初のフローが完成する
Power Automate Desktopとは何か
Microsoft純正の無料RPAツール
まずPower Automate Desktopとは、PC上の定型作業を自動化できるMicrosoftのRPAツールです。正式名称は「Power Automate for desktop」といいます。
そしてWindows 10・Windows 11のユーザーなら、無料で利用できます。
Windows 11には最初から入っている
しかもWindows 11なら、インストールすら不要です。実際に検索バーで「Power Automate」と検索すれば、アプリが自動的にダウンロードされて起動します。
一方、Windows 10の場合はMicrosoft Storeから無料で入手できます。
Excelのマクロとの違い
ちなみにマクロと似ていると感じるかもしれません。しかし決定的な違いがあります。
つまりマクロがExcelの中だけで動くのに対し、Power Automate DesktopはアプリをまたいでPC操作そのものを自動化できます。そのため、ブラウザからExcelへ、さらにOutlookへ、といった流れも1つのフローにまとめられます。
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Power Automate Desktopの導入手順
手順1:アプリを起動する
まずタスクバーの検索ボックスに「Power Automate」と入力し、表示されたアプリを選択します。Windows 11なら、この時点で自動的にダウンロードが始まります。

手順2:Microsoftアカウントでサインインする
次に「サインイン」をクリックし、Microsoftアカウントでログインします。普段Windowsで使っているアカウントでかまいません。
手順3:国を選んで開始する
そして「国」を選択し、「開始する」をクリックします。これで準備は完了です。つまり、ここまで5分もかかりません。
Power Automate Desktopの画面の見方
3つのエリアを覚えるだけ
フロー編集画面を開くと、画面が3つに分かれています。まずこれだけ覚えれば迷いません。
- 左:アクション一覧(自動化の部品が並ぶ棚)
- 中央:フロー本体(部品を上から順に並べる場所)
- 右:変数(フローが覚えているデータの一覧)

基本の作り方は「探して、置いて、埋める」
そして作業の流れは毎回同じです。左の検索窓でアクション名を探し、中央にドラッグし、開いた設定画面の項目を埋める。この繰り返しだけでフローが完成します。
実行と保存の場所
ちなみに実行は画面上部の再生ボタン(▶)、保存はその左のフロッピーアイコンです。したがって途中で動作を確認しながら作れます。
Power Automate Desktopで自動化できる作業
ここからは代表的な4つを、アクション名と入力値まで具体的に解説します。そのまま真似すれば動くので、気になったものから試してみてください。
実例1:ファイルの振り分けと名前の一括変更
ダウンロードフォルダに溜まったPDFを、日付フォルダを作ってまとめて移動させるフローです。
使うアクションは3つだけ
左の検索窓で以下を探し、上から順に中央へドラッグします。
フォルダー内のファイルを取得フォルダーの作成ファイルの移動

手順1:対象のファイルを集める
まず フォルダー内のファイルを取得 を置き、設定画面をこう埋めます。
- フォルダー:
C:\Users\(ユーザー名)\Downloads - ファイル フィルター:
*.pdf - 生成された変数:
Files(初期値のまま)

ここで *.pdf は「拡張子がPDFのもの全部」という意味です。つまり画像を対象にしたいなら *.jpg に変えるだけです。
手順2:日付のフォルダを作る
次に フォルダーの作成 を置きます。
- 新しいフォルダーを次の場所に作成:
C:\Users\(ユーザー名)\Documents - 新しいフォルダー名:
%CurrentDateTime%
ただしこのままだと時刻まで入って読みにくくなります。そこで、先に 現在の日時を取得 アクションを一番上に置き、さらに datetime をテキストに変換 で書式を yyyy-MM-dd にしておくと「2026-09-20」というきれいな名前になります。
手順3:ファイルを移動する
そして ファイルの移動 を置きます。
- 移動するファイル:
%Files% - 宛先フォルダー:
%NewFolder% - ファイルが存在する場合:
日時を追加する
最後の項目を設定しておくと、同名ファイルがあってもエラーで止まりません。
名前の一括変更も同じ要領
ちなみにリネームしたい場合は、移動の代わりに ファイルの名前を変更する を使います。
- 名前を変更するファイル:
%Files% - 名前の変更方法:
連続的に番号を付ける - 新しいファイル名:
請求書_2026-09
すると「請求書_2026-09_1.pdf」のように連番で揃います。
実例2:複数のExcelを1枚にまとめる
毎月の集計で一番よく使うパターンです。フォルダ内の複数のExcelから数値を読み取り、集計用ファイルに転記します。
使うアクション
フォルダー内のファイルを取得Excel の起動(集計先ファイル用)For each(繰り返し処理)Excel の起動→Excel ワークシートから読み取る→Excel を閉じるExcel ワークシートに書き込む
手順1:集計先のファイルを開く
まず Excel の起動 を置きます。
- Excel の起動:
次のドキュメントを開く - ドキュメント パス:
C:\集計\まとめ.xlsx - インスタンスを表示する:オン
- 生成された変数:
ExcelInstance
手順2:繰り返しの箱を用意する
次に For each を置きます。これは「集めたファイルを1つずつ処理する」という意味の箱です。
- 反復処理を行う値:
%Files% - 保存先:
CurrentItem
そして以降のアクションは、この For each と End の間にドラッグして入れます。ここが最初につまずくポイントなので、線の内側に入っているか確認してください。

手順3:1ファイルずつ数値を読む
For each の中に Excel の起動 を置き、ドキュメントパスに %CurrentItem% と入力します。生成される変数名は ExcelInstance2 にしておきます。
続いて Excel ワークシートから読み取る を置きます。
- Excel インスタンス:
%ExcelInstance2% - 取得:
単一セルの値 - 先頭列:
B/ 先頭行:10 - 生成された変数:
ExcelData
つまり「各ファイルのB10セルの合計額を読む」という指定です。自分のファイルに合わせてセル番地を変えてください。
手順4:集計先に書き込んで閉じる
そのまま Excel ワークシートに書き込む を置きます。
- Excel インスタンス:
%ExcelInstance% - 書き込む値:
%ExcelData% - 書き込みモード:
指定したセル上 - 列:
B/ 行:%LoopIndex%
ただし行番号を動かすには、For each の前に 変数の設定(変数名 LoopIndex、値 2)を置き、書き込みの直後に 変数を大きくする(変数 LoopIndex、大きくする数 1)を追加します。これで1行ずつ下へ記入されます。
最後に Excel を閉じる(インスタンス %ExcelInstance2%)を置いて、読み込んだファイルを閉じます。
実例3:Webサイトから情報を集めてExcelに保存
競合の価格チェックや、天気の記録に使えるフローです。
ブラウザのタブ整理術|「縦タブ」でタブ開きすぎ問題が一発で解決【Chrome・Edge対応】
レコーダーを使うのが最短
まず、Web操作は手で組むより記録させるほうが確実です。そこでフロー編集画面の上部にある「レコーダー」をクリックします。
手順1:記録を開始する
「記録」を押したあと、ブラウザでいつも通りに操作します。具体的には、対象ページを開き、取得したい文字の上で右クリックして「要素の値を抽出」→「テキスト」を選びます。
すると、その要素が変数として記録されます。
手順2:記録を止める
必要な情報を拾い終えたら「終了」を押します。中央に、開いた・クリックした・抽出したという操作が並んでいるはずです。
手順3:Excelに書き出す
そして記録されたフローの末尾に、以下を追加します。
Excel の起動(次のドキュメントを開くで記録用ファイルを指定)Excel ワークシートから最初の空の列や行を取得(生成される変数FirstFreeRow)Excel ワークシートに書き込む- 書き込む値:
%CurrentDateTime%、列:A、行:%FirstFreeRow%
- 書き込む値:
- もう1つ
Excel ワークシートに書き込む- 書き込む値:抽出した変数、列:
B、行:%FirstFreeRow%
- 書き込む値:抽出した変数、列:
Excel を閉じる(ドキュメントを保存を選択)
つまり実行するたびに、日付と取得した値が1行ずつ追記されていきます。
つまずいたときの対処
ちなみにWeb操作は、ページの読み込みが遅いと失敗します。そのため Web ページのコンテンツを待機します を挟むか、Wait(3秒程度)を入れると安定します。
実例4:定型メールを自動で作成・送信
毎週決まった相手に報告書を送る作業を、Power Automate Desktopで自動化します。
Outlookを使う場合
以下の順に並べます。
Outlook を起動します(生成される変数OutlookInstance)Outlook からメール メッセージを送信しますOutlook を閉じます
送信アクションの設定
Outlook からメール メッセージを送信します の中身を埋めます。
- Outlook インスタンス:
%OutlookInstance% - アカウント:自分のメールアドレス
- 送信先:
相手@example.com - 件名:
週次報告(%FormattedDate%) - 本文:定型文を入力
- 添付ファイル:
C:\報告\週次report.xlsx
件名の %FormattedDate% は、冒頭に 現在の日時を取得 と datetime をテキストに変換 を置いておけば使えます。
いきなり送らない安全策
ただし最初から自動送信するのは危険です。そこで慣れるまでは、送信アクションの代わりに下書き保存で止めるか、宛先を自分のアドレスにしてテストしてください。
つまり「送る前に目視する」という工程を残しておくと安心です。
Power Automate Desktopで挫折しない3つのコツ
コツ1:一番小さな作業から始める
まず、いきなり複雑な業務を自動化しようとしないことです。そのかわり実例1のファイル整理のように、失敗しても被害のない作業から始めましょう。
コツ2:手順を先に紙に書く
次に、自動化したい作業の手順を箇条書きにします。というのも、人間の手順が曖昧なままでは、フローも組めないからです。
コツ3:1アクションずつ実行して確かめる
そして全部並べてから実行すると、どこで失敗したか分かりません。したがって数アクション置くたびに再生ボタンを押し、右側の変数欄で中身を確認しながら進めます。
Power Automate Desktopの無料版でできること
無料版の範囲
まず無料版では、自分のPC上で自分が見ている状態のフロー(アテンド型)を作成・実行できます。したがって、この記事の4つの実例はすべて無料で作れます。
Microsoft Power Platform のライセンスの概要
有料ライセンスが必要になるケース
一方、以下には有料のPower Automate Premiumが必要です。
- フローを他の人と共有する
- 既定環境以外の環境でフローを作成する
- クラウドフロー(外部サービス連携)を使う
- 無人実行やスケジュール実行を行う
スケジュール実行の代替案
ちなみに無料のまま決まった時刻に動かしたい場合は、Windows標準の「タスクスケジューラ」からフローを起動する方法があります。ただし、PCが起動していることが前提です。
Power Automate Desktopに関するQ&A
Q1. 本当にプログラミングは不要ですか?
不要です。%変数名% という書き方さえ覚えれば、あとはマウス操作だけで組めます。
ただし、複雑な条件分岐や大量データの処理では、ある程度の慣れが必要になります。
Q2. 会社のPCでも使えますか?
組織のポリシー次第です。というのも、企業アカウントでは管理者が利用を制限している場合があるからです。そのため、業務で使う前に情報システム部門へ確認しましょう。
Q3. 自動化中はPCを触れませんか?
アテンド型のフローは、実行中に画面を操作します。したがって実行中は別の作業ができません。つまり、昼休みや離席時に走らせるのが現実的です。
Q4. フローが途中で止まってしまいます
画面のレイアウトが変わった、読み込みが遅れた、といった理由がほとんどです。そこで Wait を挟むか、対象の要素を記録し直すと直ります。
Q5. 作ったフローは他のPCでも使えますか?
エクスポートして持ち運べます。ただし、ファイルの保存場所が違うと動きません。そのためパスは変数にまとめておくと、移行がラクになります。
Q6. クラウド版のPower Automateとは何が違いますか?
クラウド版はWeb上のサービス同士をつなぐのが得意です。一方でPower Automate Desktopは、手元のPC操作を自動化します。
つまり「ネットの中の作業か、自分のPCの中の作業か」で使い分けます。
Q7. アクション名が見つかりません
左上の検索窓に日本語で打ち込むのが確実です。ちなみにバージョンによって表記が少し違うことがあるので、「Excel」「フォルダー」など部分一致で探すと見つかります。
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まとめ
このようにPower Automate Desktopは、Windowsに最初から入っている無料の自動化ツールです。つまりアクションを並べて %変数% でつなぐだけで、毎日の手作業が数秒で終わります。
まずは実例1のファイル整理をそのまま真似してみてください。そしてPower Automate Desktopで最初のフローが動いた瞬間、面倒な作業の見え方が変わるはずです。

ではでは、参考までに
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