【複数対応版】Googleスプレッドシートを使って複数名のGoogleカレンダーに予定をワンクリックで追加・削除する方法【第三弾】

作業効率化
この記事は約20分で読めます。

前回はGoogleスプレッドシートを使ってGoogleカレンダーに予定をワンクリックで追加・削除するということを紹介いたしました。

今回はお待ちかね、第三弾!

前回は、Googleカレンダーに日々の予定を一括で追加、削除できたら便利ということで、そういうスクリプトを書いてみたわけです。

今回は、それが複数名に一気に反映されたら嬉しいよねということで、日々の予定を一括で複数名のカレンダーに追加、削除できるようなものを作ってみたいと思います。実はメールでアイデアをいただきまして、この度作成する運びとなりました。

手間のかかる作業とはおさらば!Googleスプレッドシートを使って日々の予定を一括でワンクリックで、指定したメンバー全員に、追加・削除する方法について解説していきたいと思います。

他人に迷惑をかけるような使い方は許可しません。

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Google スプレッドシートを開く

Googleのサイトを開き、右上の3つの「」をクリックして、下にスクロールして出てくる「スプレッドシート」を選択します。

スプレッドシートを開いて、「空白のスプレッドシート」を作成します。

新しいスプレッドシートが開けました。

表を作る

まず表を作成します。まずタイトルを付けます。「カレンダー追加・削除用(複数名対応版)」とでもしましょう。

カレンダーシートの基本設定

次にシート名も変更しておきます。わかりやすく「カレンダー」とでも付けておくとよいでしょう。行番号と列番号に気をつけて表を作成してください

前回のデータを使いまわししているので、追加・削除ボタンが既に付いていますが気にしないで下さい。

9行目」に「連携」「日付」「曜日」「開始時間」「終了時間」「タイトル」「場所」「説明」の項目を作り、幅や色、枠線などを付けて成形します。

メールアドレスシートの基本設定

カレンダーを登録するユーザーの「メールアドレス」も登録します。メールアドレスは新しいシートを開き、シート名を「メールアドレス」と変更しておきます。

図のようにタイトルを記述して、A2からA3A4…とメールアドレスを記述していきます。A列だけが必要なので、B列などの情報は適当で構いません。また、登録できるメールアドレスの数はほぼ無限となっています。

拡張機能を使ってプログラムを組み込む

メインプログラム

拡張機能」>「Apps Script」を開きます。

無題のプロジェクト」が開きます。タイトルを変更して「カレンダー追加・削除用マクロ」とでもしておいてください。

次の文章をコピペします。(バグ修正等の情報はこちら

/**
 * 予定を作成する
 */
function createSchedule() {

  // 初期設定
  const spreadsheet       = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet();
  const sheet             = spreadsheet.getSheetByName('カレンダー');
  const sheet_mailaddress = spreadsheet.getSheetByName('メールアドレス');

  // 変数宣言
  let status;
  let day;
  let startTime;
  let endTime;
  let title;
  let options;
  let startDate;
  let endDate;

  // 配列宣言
  const range    = new Array();
  const gAccount = new Array();
  const calendar = new Array();
  let   contents = new Array();

  // 連携するアカウント
  let i = 0;    // カウント用
  let j = 0;    // カウント用
  
  while (sheet_mailaddress.getRange(i + 2, 1).isBlank() === false) {
    range[i] = sheet_mailaddress.getRange(i + 2, 1);  // メールアドレスシート:A行 の範囲を取得する
    gAccount[i] = range[i].getValue();                // 取得したシートからメールアドレスを取得する
    i++;
  }
  let roop = i;  // メールアドレスの数を取得

  // 読み取り範囲(表の始まり行と終わり列)
  const topRow  = 10;  // 10行目が開始行
  const lastCol = 9;   // 9列目まで読み取る

  // 0始まりで列を指定しておく
  const statusCellNum      = 1;
  const dayCellNum         = 2;
  const startCellNum       = 4;
  const endCellNum         = 5;
  const titleCellNum       = 6;
  const locationCellNum    = 7;
  const descriptionCellNum = 8;

  // 予定の最終行を取得
  let lastRow = sheet.getLastRow();
  
  // 予定の一覧を取得
  contents = sheet.getRange(topRow, 1, sheet.getLastRow(), lastCol).getValues();

  // 複数名分のカレンダーカウント用
  for (i = 0; i < roop; i++) {

    // googleカレンダーの取得
    calendar[i] = CalendarApp.getCalendarById(gAccount[i]);

    // 順に予定を作成(今回は正しい値が来ることを想定)
    for (j = 0; j <= lastRow - topRow; j++) {

      //「済」または「空白」の場合は飛ばす
      status = contents[j][statusCellNum];
      if (
        status == "済" ||
        status == "済み" ||
        contents[j][dayCellNum] == ""
      ) {
        continue;
      }

      // 値をセット 日時はフォーマットして保持
      day       = new Date(contents[j][dayCellNum]);
      startTime = contents[j][startCellNum];
      endTime   = contents[j][endCellNum];
      title     = contents[j][titleCellNum];

      // 場所と詳細をセット
      options = {location: contents[j][locationCellNum], description: contents[j][descriptionCellNum]};
    
      try {
        // 開始終了が無ければ終日で設定
        if (startTime == '' || endTime == '') {
          //予定を作成
          calendar[i].createAllDayEvent(
            title,
            new Date(day),
            options
          );
        
        // 開始終了時間があれば範囲で設定
        } else {
          // 開始日時をフォーマット
          startDate = new Date(day);
          startDate.setHours(startTime.getHours());
          startDate.setMinutes(startTime.getMinutes());

          // 終了日時をフォーマット
          endDate = new Date(day);
          endDate.setHours(endTime.getHours());
          endDate.setMinutes(endTime.getMinutes());

          // 予定を作成
          calendar[i].createEvent(
            title,
            startDate,
            endDate,
            options
          );
        }

        //無事に予定が作成されたら「済」にする
        sheet.getRange(topRow + j, 2).setValue("済");

      // エラーの場合(ログ出力のみ)
      } catch(e) {
        Logger.log(e);
      }
    }
  }

  // ブラウザへ完了通知
  Browser.msgBox("追加完了");
}

/**
 * 予定を削除する
 */
function deleteSchedule() {

  // 初期設定
  const spreadsheet       = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet();
  const sheet             = spreadsheet.getSheetByName('カレンダー');
  const sheet_mailaddress = spreadsheet.getSheetByName('メールアドレス');

  // 変数宣言
  let status;
  let day;
  let startTime;
  let endTime;
  let title;
  let eventStartTime;
  let eventEndTime;

  // 配列宣言
  const range    = new Array();
  const gAccount = new Array();
  const calendar = new Array();
  let   contents = new Array();

  // 連携するアカウント
  let i = 0;    // カウント用
  let j = 0;    // カウント用
  let k = 0;    // カウント用

  while (sheet_mailaddress.getRange(i + 2, 1).isBlank() === false) {
    range[i] = sheet_mailaddress.getRange(i + 2, 1);  // メールアドレスシート:A行 の範囲を取得する
    gAccount[i] = range[i].getValue();                // 取得したシートからメールアドレスを取得する
    i++;
  }
  let roop = i;  // メールアドレスの数を取得

  // 読み取り範囲(表の始まり行と終わり列)
  const topRow  = 10;  // 10行目が開始行
  const lastCol = 7;   // 7列目まで読み取る

  // 0始まりで列を指定しておく
  const statusCellNum = 1;
  const dayCellNum    = 2;
  const startCellNum  = 4;
  const endCellNum    = 5;
  const titleCellNum  = 6;

  // 予定の最終行を取得
  let lastRow = sheet.getLastRow();
  
  //予定の一覧を取得
  contents = sheet.getRange(topRow, 1, sheet.getLastRow(), lastCol).getValues();

  // 複数名分のカレンダーカウント用
  for (i = 0; i < roop; i++) {

    // googleカレンダーの取得
    calendar[i] = CalendarApp.getCalendarById(gAccount[i]);

    //順に予定を作成(今回は正しい値が来ることを想定)
    for (j = 0; j <= lastRow - topRow; j++) {

      //「済」「消または「空白」の場合は飛ばす
      let status = contents[j][statusCellNum];
      if (
        status == "済" ||
        status == "済み" ||
        status == "消" ||
        status == "消し" ||
        contents[j][dayCellNum] == ""
      ) {
        continue;
      }

      // 値をセット 日時はフォーマットして保持
      day       = new Date(contents[j][dayCellNum]);
      startTime = contents[j][startCellNum];
      endTime   = contents[j][endCellNum];
      title     = contents[j][titleCellNum];

      startTime = timeFormatter(startTime);
      endTime   = timeFormatter(endTime);

      try {
        //予定を作成
        event = calendar[i].getEventsForDay(
          new Date(day)
        );

        for (k = 0; k < event.length; k++) {
          // 開始終了が無ければ終日で設定
          if (title == event[k].getTitle() && startTime == '00:00' && endTime == '00:00') {
            event[k].deleteEvent();

            //無事に予定が作成されたら「済」にする
            sheet.getRange(topRow + j, 2).setValue("消");

          } else if (title == event[k].getTitle()) {
            eventStartTime = timeFormatter(event[k].getStartTime());
            eventEndTime = timeFormatter(event[k].getEndTime());

            if ((eventStartTime == startTime && eventEndTime == endTime) || eventStartTime == startTime || eventEndTime == endTime) {
              event[k].deleteEvent();

              //無事に予定が作成されたら「済」にする
              sheet.getRange(topRow + j, 2).setValue("消");
            }
          }
        }

      // エラーの場合(ログ出力のみ)
      } catch(e) {
        Logger.log(e);
      }
    }
  }

  // ブラウザへ完了通知
  Browser.msgBox("削除完了");
}

// 時刻を日本時刻にフォーマットする関数
function timeFormatter(date){
  let new_date;

  if(date != '') {
    new_date = Utilities.formatDate(new Date(date),'JST','HH:mm');
  } else {
    new_date = '00:00';
  }
  return new_date;
}

コピペし終わったら、「プロジェクトを保存」しておきます。

jsonファイルの設定

次に、Googleカレンダーへの実行権限を許可するためにjsonファイルの編集を行います。jsonファイルを編集するには、下図の左にある設定歯車ボタンをクリックして、「appsscript.json」マニフェスト ファイルをエディタで表示するにチェックを入れます。

そして、以下の文章をappsscript.jsonsに書き込みます。appsscript.jsonsファイルは、<>をクリックしたところにあります。

{
  "timeZone": "Asia/Tokyo",
  "dependencies": {
  },
  "exceptionLogging": "STACKDRIVER",
  "runtimeVersion": "V8",

  "oauthScopes": [
    "https://www.googleapis.com/auth/script.external_request",
    "https://www.googleapis.com/auth/spreadsheets",
    "https://www.googleapis.com/auth/forms",
    "https://www.googleapis.com/auth/calendar"
 ]
}

コピペが終わったら、保存をしておいてください。

実行用のボタンを設置する(追加・削除)

ボタンを作成する

前回のスプレッドシートを使用した方は、ボタンの移動程度で特に作成の必要はありません。ちなみに、ボタンはCTRLを押してボタンをクリックした後に移動させられます。

まず実行用のボタンを作成します。メニューバーの「挿入」>「図形描画」をクリックします。

図形」「テキストボックス」を駆使して、「追加」「削除」の実行ボタンを作成します。作成が終わったら、「保存して終了」をクリックします。※ご自身でわかればいいので、どんなボタンでも構いません。

ボタンを設置する

保存して終了」をクリックすると、自動で表にボタンが設置されますので、クリックしやすい位置に場所を移動し、大きさも調整してください。

ボタンにマクロを追加する(追加用マクロ)

実行ボタンの右上に縦に「」マークがあるのがわかるかと思います。

」マークをクリックし、「スクリプトを割り当て」をクリックします。

スクリプトを割り当てる画面になりますので、「createSchedule」と入力して「確定」をクリックしてください。

これで追加用の実行ボタンの設置ができました。※一度マクロを登録した実行用ボタンを移動したい場合は、CTRLを押しながらボタンをクリックすることで移動可能になります。

ボタンにマクロを追加する(削除用マクロ)

実行ボタンの右上に縦に「」マークがあるのがわかるかと思います。

」マークをクリックし、「スクリプトを割り当て」をクリックします。

スクリプトを割り当てる画面になりますので、「deleteSchedule」と入力して「確定」をクリックしてください。

これで削除用の実行ボタンの設置ができました。※一度マクロを登録した実行用ボタンを移動したい場合は、CTRLを押しながらボタンをクリックすることで移動可能になります。

ワンクリックで予定を組み込んでみる(初回だけの手順)

適当でも実務的でも良いので予定を記入してから、どちらでも良いので実行ボタンをクリックしてください。すると次のような許可画面が出ると思いますので、「OK」をクリックします。

次にアカウントの選択画面になりますので、アカウントを選択します。

すると次のような警告が出ますが、このプログラムをGoogleに登録をしているわけではない為、警告が出るのは当たり前なので、ここは無視して「詳細」をクリックします。

下に表示されるリンクの「カレンダー追加・更新用マクロ(安全ではないページ)に移動」をクリックします。

作成したマクロ「Google Apps Script(GAS)」を登録するので「許可」をクリックします。

このような面倒な許可が必要なのは一度目だけです。二度目以降は面倒な手続きはないので安心してください。

ワンクリックで予定を追加してみる

適当にデータを入れて登録をしてみます。

実行ボタンの「追加」ボタンをクリックすると、以下のような画面が出て、Google カレンダーに予定が組み込まれます。

Google カレンダーを見てみると、登録してあるメールアドレスすべてに予定が反映されます。

ワンクリックで予定を削除してみる

先程登録したデータを利用します。「連携」の部分に「」という文字が入っていると思います。「」という文字を消してから、「削除」の実行ボタンを押します。

実行ボタンの「削除」ボタンをクリックすると、以下のような画面が出て、Google カレンダーから予定が削除されます。

Google カレンダーを見てみると、登録されているすべてのメールアドレスに紐づいたカレンダーの予定が削除されます。

バグ対応・バージョンアップ

  • 2024/09/14 19:38修正 タブがたくさん登録されている際に「カレンダー」タブを認識しないバグの修正。
  • 2024/09/24 22:24修正 削除で日付指定のときに削除が上手くいかないのを修正。暫定版。
  • 2024/09/24 23:25修正 登録の時は「済」、削除の際は「消」とするように修正。

最後に

いかがでしたでしょうか?
追加・削除を複数のユーザーへ同時に反映させることができるようになりました。

ちなみにメールアドレスの数は無限に登録することができますが、管理しやすい範囲での作成をオススメいたします。(動作が劇的に遅くなるということではありません)
第三段も、大変便利となっておりますので、ご利用いただけると幸いです。

謎爺
謎爺

以下、この記事を書くにあたり、参考にしたサイトじゃ。

参考サイト

GASでGoogleカレンダーの予定を変更・削除する方法!件名や開始日・終了日(時間)を修正 | AutoWorker〜Google Apps Script(GAS)とSikuliで始める業務改善入門
Googleカレンダーの予定をすべてGASで削除する方法 | iwb.jp
Google Apps ScriptからGoogleカレンダーを削除する方法 | Kokoroe
スプレッドシートからGoogleカレンダーに予定を登録する方法(GAS) | Googleスプレッドシート 完全攻略
スプレッドシートからGoogleカレンダーに簡単に予定を登録する方法(初心者向け) | Googleスプレッドシート 完全攻略
スプレッドシートからカレンダーに連携してスケジュールを一括登録する【Google Apps Script(GAS)】 | 大阪のシステム開発なら 株式会社ウィズテクノロジー
【GAS】スプレッドシートに記載した予定をGoogleカレンダーにまとめて反映させたい #GAS - Qiita
GAS実行ユーザーのメールアドレス(Googleアカウント)を取得する方法 | AutoWorker〜Google Apps Script(GAS)とSikuliで始める業務改善入門
【Google Apps Script入門】セルの取得・変更をする | UX MILK
【GAS入門】変数/定数を宣言するvar・const・letの違い | Log Stocker
Googleスプレッドシートのスクリプト実行方法とボタンの実行方法 – Google Apps Script(GAS)を用いたシステム開発を支援
[GAS] シートを取得する方法
GASのwhile文の使い方解説!条件式がtrueの間くり返し処理し、無限ループに注意 | AutoWorker〜Google Apps Script(GAS)とSikuliで始める業務改善入門
GASのfor文の繰り返しループ処理とbreak、continueの使い分けを解説 | AutoWorker〜Google Apps Script(GAS)とSikuliで始める業務改善入門
【Google Apps Script入門】セルの取得・変更をする | UX MILK
【GAS】スプレッドシートif文セルの値の複数処理、空白かどうかisBlank()【Google Apps Script】 | スプレッドシートでGASる
[GASの使い方03]コンソール出力 | ITスキルアップ相談室
【GAS】配列の宣言・初期化・頻出メソッド

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