SSDの寿命を伸ばす！Windows11でのTrimとガベージコレクション調整法

パソコンの動作を速くしたいからとSSD（ソリッドステートドライブ）を使っている方は多いですよね。けれど、意外と知られていないのが「SSDには寿命がある」という事実。普通に使っているだけでも、SSDは少しずつ劣化していきます。

でも安心してください。Windows11では、SSDの寿命をできるだけ長くするための設定がちゃんと用意されています。

この記事では、その中でも特に効果が大きい「Trim（トリム）コマンド」と「ガベージコレクション（不要データの整理）」の仕組みと、正しい設定方法についてわかりやすくご紹介します。

知らないと損をするポイントなので、ぜひ最後まで読んで実践してみてください。

SSDの寿命を伸ばす唯一の方法！知っておいて損はなし

SSDの寿命を守るには「自動Trim」がカギ

SSDを長持ちさせるために最も大切なのは、「自動Trim」が有効になっているかどうかです。これはWindows11に標準で備わっている機能で、不要になったデータをSSDから効率よく削除する役割を持っています。

SSDは、データの書き換えを行うたびに内部のメモリに負担がかかります。そのため、余分なデータを早めに片付けることで、SSDの書き換え回数を減らすことができ、結果として寿命を延ばせるのです。

どうしてTrimが寿命を延ばせるのか？

SSDは、HDDと違って「上書き」ができません。古いデータをいったん消してから新しいデータを書き込む必要があります。つまり、消しておく作業が遅れると、新しいデータを書き込むときにムダな手間がかかるんですね。

ここで役に立つのがTrimコマンド。これは、ファイルを削除したときに「この場所は空いてますよ」とSSDに教えてくれる命令です。この情報をSSDが覚えておくことで、次の書き込みがスムーズになり、SSD本体への負担が減るというわけです。

自動Trimがちゃんと機能しているか確認する方法

Windows11では通常、自動Trimはデフォルトでオンになっていますが、念のため確認しておきましょう。

以下の手順で確認・設定できます。

ステップ	操作方法
1	スタートメニューを右クリックし「Windowsターミナル（管理者）」を選ぶ
2	以下のコマンドを入力してEnter fsutil behavior query DisableDeleteNotify
3	結果が DisableDeleteNotify = 0 なら、Trimは有効になっています

結果が「1」の場合はTrimが無効になっているので、以下のコマンドで有効にします。

これで、自動Trimがしっかり働くようになります。

ガベージコレクションも寿命に直結するポイント

「ガベージコレクション（Garbage Collection）」とは、SSD内の不要データを整理整頓する機能です。Trimと似た働きをしますが、こちらはSSD本体側の動きになります。

Windows11においては、パソコンのアイドル時（何もしていない時間）を使って、自動でこのガベージコレクションが実行されるようになっています。この仕組みがちゃんと働くことで、SSDがムダな処理をせずに済み、寿命もグッと延びるのです。

放っておくとどうなる？ガベージコレクション未実行のリスク

ガベージコレクションがうまく働いていないと、削除したはずのデータがSSD内に残り続け、容量を圧迫していきます。すると書き込みのたびにSSDが余計な処理を行うことになり、動作も遅くなる上、SSDの消耗が激しくなります。

特に、電源を落とすタイミングが多いノートパソコンや、省エネ設定が強めの環境では、アイドル時間が短くてガベージコレクションが実行されにくい傾向があります。

こんな時は要注意！SSDの寿命を縮めるNG習慣

NG習慣	理由
不要なファイルを大量に放置	TrimやGCが追いつかず、SSDに負担がかかる
ディスククリーンアップをしない	Windowsが管理する不要データが蓄積され、SSDの効率が下がる
スリープばかりで再起動しない	一部の最適化処理が行われないままになってしまう
サードパーティ製の常駐アプリが多い	アイドル時間が減ってガベージコレクションが止まる

Trimとガベージコレクションを最大限に活かす設定例

以下は、Windows11でSSDをより良い状態に保つためのおすすめ設定です。

設定項目	設定方法	おすすめ値
自動Trim	[スタート]→[設定]→[システム]→[ストレージ]→[詳細設定]→[ドライブの最適化]	毎週実行
電源管理	[設定]→[システム]→[電源とバッテリー]→[スリープ]	スリープまでの時間をやや長めに設定
ディスククリーンアップ	タスクスケジューラで定期実行	月1回程度

これらを設定しておくことで、Trimとガベージコレクションがしっかり働く環境が整います。

実際に寿命が伸びた！使用例紹介

例えば、私が管理しているノートパソコンでは、Trimとガベージコレクションの設定を適切に行ったことで、3年以上使ってもSSDの劣化がわずかしか確認されませんでした。

CrystalDiskInfoという無料ソフトで「健康状態」をチェックしたところ、「正常」状態のまま使用継続ができています。これは、自動Trimとガベージコレクションがしっかり働いてくれているおかげです。

最後に

SSDはパソコンの速度を左右する大切な部品です。そして、ちょっとした設定と意識の違いで、その寿命は大きく変わってきます。

今回ご紹介した「自動Trimの確認と有効化」「ガベージコレクションを活かす環境作り」は、どれもWindows11で簡単にできるものばかりです。
普段の使い方を少し見直すだけで、SSDの健康を長く保ち、結果的にパソコンの買い替えサイクルも延ばせるかもしれません。

ぜひ今日から実践して、あなたの大切なSSDをもっと長く、快適に使い続けましょう！