【くまモビ アップデート】v1.4.3で運賃と徒歩ルートが正確になりました

日常パソコン部
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こんにちは、白川秋です。

今回のくまモビ アップデートは、新機能よりも「正確さ」を磨くことに全力を注ぎました。まず結論から言うと、これまでのバージョンに隠れていたデータの不具合を見つけて、まとめて直しています。そのため、v1.4.0〜v1.4.2 をお使いの方は、v1.4.3 への更新をおすすめします。

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この記事のポイント

  1. 停留所と運賃のずれを直し、v1.4.3で正確に
  2. おれんじ鉄道と南阿蘇鉄道の運賃に新しく対応
  3. 運休・再開日をアプリ更新なしで反映できる仕組みに

v1.4.3 は本日、Google Play で配信しました。配信までの経緯もこの記事でお伝えします。

くまモビ アップデートv1.4.3の全体像

まず、今回の変更を一覧にしておきます。

分類内容
不具合の修正停留所・運賃表のずれ、徒歩ルートの取り違え
運賃肥薩おれんじ鉄道に対応、南阿蘇鉄道の肥後大津直通区間に対応
表示直通列車を「豊肥本線(鹿児島本線直通)」と表示、時刻表データの基準日を表示
運休対応運休・再開日をアプリ更新なしで反映
徒歩ルート海峡越しなど歩けない区間を候補から除外
開発体制リリース前の自動チェックと経路の回帰テストを導入

次の章から、利用者のみなさんに関係が大きい順に説明します。

停留所と運賃のずれを修正しました(v1.4.0〜1.4.2をお使いの方へ)

まず、一番大事なお知らせです。

くまモビは、時刻表・停留所・運賃の3つのデータを同じ番号で結びつけて経路を計算しています。ところが、9月26日に三角線の8駅を追加したとき、停留所と運賃のデータだけが古いままアプリに入っていました。

その結果、v1.4.0〜v1.4.2 では次のことが起きていました。

  • 三角線の宇土〜三角の駅が、検索候補に出てこない
  • 一部の路線で、運賃が「不明」になる、または別の路線の運賃が表示される

今回、データの世代を自動で照合する仕組みを作り、ずれを直しました。たとえば熊本→三角は ¥870、熊本→荒尾は ¥990 と、正しい運賃が出るようになっています。ご不便をおかけしました。

肥薩おれんじ鉄道の運賃に対応しました

次に、肥薩おれんじ鉄道です。これまで、くまモビでは八代〜水俣の運賃が表示されていませんでした。

肥薩おれんじ鉄道の運賃表示に対応したくまモビの経路検索画面

そこで、2024年10月に改定された運賃表をもとに、全駅間の運賃を計算するようにしました。おれんじ鉄道は「何km乗ったか」で運賃が決まる方式です。そのため、各駅の営業キロと運賃表があれば、すべての区間を計算できます。

運賃表は、九州運輸局の認可資料(PDF)で公開されています。さらに、公表されている主要駅間28区間の運賃と計算結果が一致するかを、データを作るたびに自動で照合しています。たとえば八代→水俣は ¥1,410 です。

代行バス期間中の表示について

ただし、八代〜肥後田浦は、令和8年熊本地震の影響で現在バス代行中です。代行期間中は、肥後田浦→水俣の鉄道運賃に「〜」を付けて「¥840〜」と表示します。

なぜなら、実際の運賃は八代からの通し運賃なのに、くまモビは乗車ごとに運賃を足し算する仕組みだからです。つまり「最低でもこの金額」という意味の表示にして、安く言い切らないようにしました。最新の運行状況は肥薩おれんじ鉄道の公式サイトでご確認ください。

南阿蘇鉄道の肥後大津直通の運賃に対応しました

また、南阿蘇鉄道の直通列車にも対応しました。南阿蘇鉄道は、2023年の全線再開から JR 豊肥本線の肥後大津まで乗り入れています。

これまでのくまモビは、立野〜高森の運賃しか持っていませんでした。そのため、肥後大津や瀬田から直通列車に乗る経路は、運賃が出ていませんでした。

今回は、会社ごとの運賃を足し算する形で計算しています。

  • 肥後大津→立野(JR):¥340
  • 立野→高森(南阿蘇鉄道):¥490
  • 合計:¥830

これで、南阿蘇鉄道の全区間で運賃が出るようになりました。トロッコ列車の料金など詳しい情報は、南阿蘇鉄道の公式サイトをご覧ください。

直通列車の表示を「豊肥本線(鹿児島本線直通)」に変えました

一方、表示まわりでも気になる点がありました。熊本→荒尾を検索すると、一部の列車が「豊肥本線(鳥栖行)」と表示されていたのです。

これは、豊肥本線から鹿児島本線へそのまま走る直通列車でした。データとしては正しいものの、北へ向かう列車に「豊肥本線」と出ると迷いますよね。

そこで、こうした列車は「豊肥本線(鹿児島本線直通)」と表示するようにしました。最初は「鹿児島本線(豊肥本線直通)」も考えました。ただ、同じ列車に肥後大津→熊本だけ乗る人には、それだと間違った表示になります。結果として、どの区間に乗っても正しい書き方を選んでいます。

運休・再開日をアプリ更新なしで反映できるようにしました

さらに、地震の影響による運休への備えも強化しました。

肥薩おれんじ鉄道の全線再開は、10月中旬の見込みと発表されています。ただし、こうした日付は変わることがあります。これまでは再開日が延びるたびに、アプリを作り直して配信する必要がありました。

そこで、運休・代行・再開の日付を、サーバー側の設定だけで書き換えられるようにしました。設定を変えると、経路検索と時刻表の両方に反映されます。しかも、一度読み込んだ設定は端末に保存されるので、電波の弱い場所でも効きます。

ルート画面に「時刻表データの基準日」を表示しました

次に、小さいけれど大事な改善です。ルート画面のいちばん下に、時刻表データの基準日を表示するようにしました。

くまモビの JR・南阿蘇鉄道・おれんじ鉄道の時刻表は、公式の時刻表から自作しています。つまり、ダイヤ改正があっても、すぐには追いつけないことがあります。基準日が見えれば、「このデータはいつ時点のものか」を利用者のみなさん自身が判断できます。

あわせて、注記の文字色も濃くしました。読みやすさの基準(WCAG)を満たす色に揃えています。

徒歩ルートの精度を上げました

地図上で停留所と徒歩ルートの線がずれていた状態を説明する図

徒歩ルートでは、3つの問題を直しました。

別の場所の徒歩ルートが描かれる不具合

まず、一部の停留所で、まったく別の場所の徒歩ルートが地図に描かれていました。中には 159km 離れた場所の線もありました。

原因は、徒歩ルートの保存の仕方です。停留所を「番号」で覚えていたため、駅を追加して番号がずれると、別の停留所の線が付いてしまっていました。そこで、停留所の「ID」で覚える方式に変えて、約860区間を作り直しています。

歩いて行けない区間を候補から外す

次に、海峡を挟んだ停留所の問題です。たとえば大矢野島の岩谷入口と、対岸の三角西港は、直線では約1kmしか離れていません。

しかし、実際には海を渡れないので、歩くなら天門橋を回る必要があります。そこで、地図データ上で歩いて行けない組み合わせは、徒歩の候補から外すようにしました。これで「海の上を1km歩く」ような案内は出ません。

地図データ上で道がつながっていない区間

最後に、天草などで停留所の目の前の道が、地図データの上でほかの道とつながっていない場所が16か所見つかりました。この場合、徒歩ルートは数百m離れた道から描かれてしまいます。

そのため、v1.4.3 ではこうした区間を、道なりの線ではなく直線で案内するようにしました。さらに、明日は OpenStreetMap の地図データそのものを、航空写真で確認しながら直す予定です。直した分は、次のアップデートで道なりの徒歩ルートに戻します。OpenStreetMap はみんなで作る地図なので、直せばくまモビ以外のアプリにも役立ちます。

開発の裏側:配信直前に見つけた不具合を全部直した

くまモビのリリース前チェックで全項目がOKになったターミナル画面

正直に書くと、今回は「v1.4.3 を出す直前」に問題が次々と見つかった1日でした。

きっかけは、リリース前のチェックを自動化したことです。たとえば、次のような項目を1コマンドで確かめられるようにしました。

  • アプリのバージョン番号が、すべてのファイルで揃っているか
  • 停留所・運賃・地図の形のデータが、同じ世代で揃っているか
  • アプリが正しい鍵で署名される設定になっているか

さらに、「熊本→三角」「八代→水俣」など12の経路について、検索結果を記録して毎回比べるテストも作りました。結果として、このチェックがこれまでの版の不具合をいくつも見つけてくれました。署名の設定ミスもその1つで、配信前に気づけて本当に助かりました。

ちなみに、写真の使用許可を集めたときの苦労話は個人開発アプリの写真許諾は地獄だった。170スポットの写真を集めた全記録にまとめています。データの正確さは、写真と同じくらい地道な作業の積み重ねだと改めて感じました。

今後の予定とクラウドファンディングのお知らせ

最後に、今後の予定です。

  • 明日:OpenStreetMap の地図データ修正
  • その後:修正した地図データを次のアップデートで反映
  • 10月5日(月):CAMPFIRE でクラウドファンディング開始

クラウドファンディングでは、くまモビを熊本の観光復興に役立つアプリへ育てるための支援を募ります。公開前でもお気に入り登録ができるので、ぜひチェックしてください。

👉 震災後の熊本に観光客を呼び戻したい。観光×乗換アプリ「くまモビ」を育てる挑戦

よくある質問

Q. v1.4.3 への更新は必要ですか?
A. はい、おすすめします。Google Play のくまモビのページから更新できます。v1.4.0〜v1.4.2 では、三角線の一部の駅が検索に出ず、運賃がずれることがありました。

Q. おれんじ鉄道の運賃に「〜」が付くのはなぜですか?
A. バス代行期間中は、通し運賃を正確に出せないためです。「最低でもこの金額」という意味で表示しています。

Q. 運休や再開の情報はリアルタイムですか?
A. 運休・再開の日付は、アプリ更新なしで反映できるようになりました。ただし、当日の遅れや運休は各社の公式サイトをご確認ください。経路に JR・南阿蘇鉄道・おれんじ鉄道が含まれるときは、結果の下に各社の運行情報へのリンクを出しています。

Q. iPhone 版はありますか?
A. 現在は Android 版のみです。iOS 版はクラウドファンディングの結果を見て検討します。

まとめ:くまモビ アップデートv1.4.3は「正確さ」の更新です

今回のくまモビ アップデートを振り返ります。

  • 停留所と運賃のずれを修正(v1.4.0〜1.4.2 の方は更新推奨)
  • 肥薩おれんじ鉄道と、南阿蘇鉄道の肥後大津直通区間の運賃に対応
  • 直通列車と時刻表データの基準日の表示を改善
  • 運休・再開日をアプリ更新なしで反映
  • 徒歩ルートの取り違えを直し、歩けない区間を除外

派手な新機能はありません。それでも、経路検索アプリにとって「正しい運賃」と「本当に歩ける道」は、いちばん大事な部分です。v1.4.3 は配信済みなので、まだの方はぜひ更新してください。

▶ くまモビを Google Play でダウンロード

👉 くまモビのリリース記念記事「【祝リリース】熊本の乗り換え・観光アプリ「くまモビ」のすべてを開発者が語ります」

白川秋
白川秋

ではでは、参考までに

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