【基本情報技術者】システム企画について

基本情報技術者
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ITパスポートでさんざん勉強したストラテジ系ですが、基本情報技術者試験で勉強する範囲はごくわずかです。

しかし、いい加減にやっていいというわけでもありません。

しっかりと学習していきましょう。

それでは、れっつごー!

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基本情報技術者~システム企画~

企画と要件定義

共通フレームの5つのプロセス、「企画」「要件定義」「開発」「運用」「保守」のうち、「企画」「要件定義」について見ていきます。

登場人物は4人

企画プロセスと要件定義プロセスを行う際に登場する4人の登場人物がいます。
4人の登場人物とは、「経営者」「情報システム部」「ベンダー」「ユーザー」の4人(4つの役割)です。
図のように、システム開発は、経営者の命令を受けて、情報システム部が中心となり開発業務を行います。多くの場合、ベンダー(SI)と呼ばれるシステム開発会社に開発を委託します。また、完成したシステムを利用する部署(または人)のことをユーザーといいます。

企画プロセス

企画プロセスとは、経営の目標を達成するために、システムに必要な要件を集め、計画を立てるプロセスです。
企画プロセスの目的は、「経営上のニーズを聞くこと」です。
また、企画プロセスは、以下の2つのプロセスに分かれます。

プロセス説明
システム化構想の
立案プロセス
経営課題を解決するための新たな業務とシステムの構想を立案するプロセス。具体的には、経営上のニーズや課題の確認、事業環境や業務環境の調査分析などがある。
システム化計画の
立案プロセス
システム化構想を具現化するためのシステム化計画、および、プロジェクト計画を具体化して利害関係の合意を得るプロセス。具体的には、システム化計画の基本要件の確認や、対象システムの分析、費用とシステム投資効果の予測などがある。
  • 経営上のニーズと課題の確認
    システム化構想の立案プロセスのタスクには、「経営上のニーズや課題の確認」があります。これは、全体最適化を実現するシステム開発をするために必要なタスクです。
  • 費用とシステム投資効果の予測
    システム化計画の立案プロセスのタスクには、「費用とシステム投資効果の予測」があります。ROI(Return On Investment:投資利益率)とは、情報システムの費用対効果(コストパフォーマンス)を評価するための指標で、この値が高いほど、費用対効果がよい投資であるといえます。
  • ITポートフォリオ
    システム化計画の立案プロセスでは、「ITポートフォリオ」という手法を用いることがあります。
    ITポートフォリオとは、企業が情報化投資をする際に、投資対象をリスクと投資価値を用いて分類し、投資額の配分を最適化する手法です。
  • プライバシーバイデザイン
    個人情報が漏洩するリスクを減らす考え方として「プライバシーバイデザイン」というものがあります。これまでのシステムでは、情報が漏洩してから対策を取るという形が多かったのですが、昨今では、システム開発の企画プロセスの段階から、個人情報漏洩対策を予防的に組み込んだシステムを設計する考え方が広まっています。

要件定義プロセス

企画プロセスの次は、要件定義プロセスです。要件定義プロセスでは、システムが持つべき機能や性能を決めます。要件定義プロセスの主な目的は、「ユーザーのニーズを知ること」です。

  • 要件定義プロセスの進め方
    現在のシステムを利用しているユーザーや、業務を手作業で行っているユーザーから「どんなシステムが必要なのか(ニーズ)」をヒアリングします。ここで注意するのが、企画プロセスでは「経営上のニーズ」を確認しましたが、要件定義プロセスでは「ユーザーのニーズ」を確認することです。
  • 利害関係者のニーズを知る
    要件定義プロセスでは、利害関係者のニーズの把握も行います。利害関係者とはステークホルダのことです。

要件定義プロセスでは、システムに関わり合いを持つ利害関係者又は利害関係者の種類を識別し、そのニーズ及び要望を識別する

業務要件の洗い出し

要件定義プロセスとして、ユーザーからのヒアリングが終わったら、次は「業務要件」を洗い出すということを行います。業務要件は3つの要件に分類することができます。

  • 機能要件と非機能要件
    業務要件は、「組織及び環境要件」「機能要件」「非機能要件」の3つに分類されます。それを表したものが下の表となります。
分類説明
組織及び環境要件業務の遂行に必要となる、組織の構成、従業員の数、設備などの条件。
機能要件ユーザーへのヒアリングで明らかとなった、システムに必要な機能。
非機能要件ユーザーへのヒアリングでは出てこないが、システムに必要な性能。
機能要件非機能要件
・国際会計基準に則った会計処理が実施できること
・決済処理結果は、経理部長が確認を行うこと
・決済処理の過程を、すべて記録に残すこと
・最も処理時間を要するバッチ処理でお、8時間以内に終了すること
・故障などにある年間停止時間が、合計で10時間以内であること
・保存するデータはすべて暗号化すること

基本情報技術者試験では、非機能要件の項目は、共通フレームの中の「技術要件の開発基準、標準」についてからの出題がほとんどとなっています。
「開発基準、標準」とは、事前に決めた開発手法、ルール、枠組みなどをまとめた文書です。例えば、プログラミングのコーディング規則などが該当します。

調達計画・実施

ここからは「調達」についてです。調達とは、企業がお金を払ってベンダーにシステムを開発してもらうことです。調達の流れを以下に図示します。

RFI

RFI(Request For Information:情報提供依頼書)とは、ベンダーに対して、ベンダーの実績や技術、経験といった情報を送るように要求する文書です。RFIをベンダーに送付する理由として、主に以下の2つがあります。

目的説明
ベンダーの1次審査そのベンダーにシステム開発を受注しても良いかを判断するため。RFIを送付することで、相手の技術力や信用度などを測る。
自社が知らない技術情報
を得るため
企業が非公開にしている情報はRFIで取得する必要がある。RFIを受け取ったベンダーは、会社紹介のパンフレットや、製品のカタログ、技術動向などをまとめた資料を発注側に返送する。

RFP

RFP(Request For Proposal:提案依頼書)とは、発注候補のベンダーに対して、具体的なシステム設計や機器構成、受注条件などを記載した提案書の提出を依頼する文書です。
上図を参考にして、RFIの作成から契約締結までの流れを覚えておきましょう。

さまざまな調達

「調達」と言っても、その特徴によって様々なものがあります。基本情報技術者試験でよく出題されるのは、「CSR調達」「グリーン調達」の2つです。

  • CSR調達
    利益の追求だけでなく、社会貢献や環境保護などの「社会的責任」を考えていくことを、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)といいます。
    部品などを届けてくれる調達先に対し、社会的責任の取り組みを求めることを、CSR調達といいます。
  • グリーン調達
    グリーン調達とは、単に安さや品質で選ぶのではなく、環境に優しい製品を優先して買うことです。どこの商品が環境に優しいかを見る一つの目安として、「ISO14001」を取得しているかどうかというものがあります。

小休止!お試しトライ!過去問①

問1 システム化計画の立案プロセス

問題
システム化計画を立案するときに考慮すべき事項はどれか。

平成23年度

ア.運用を考えて、自社の社員が開発する前提で検討を進める。
イ.開発、保守、運用に関する費用と投資効果を明確にする。
ウ.失敗を避けるため、同業他社を調査し、同じシステムにする。
エ.テスト計画、運用マニュアル及び障害対策を具体的に示す。

解答
システム化計画の立案プロセスのキーワードは、投資効果です。

従って、解はイ.となります。

最後に

ストラテジ系2回目ということで、皆様、いかがでしたでしょうか?
ここも、ITパスポートで散々やったところなので、楽でした。

ちなみに、テキストを読まないと完全な学習は行えませんので、ぜひ下で紹介している本をご購入いただけたらと思います。

こちらが参考にさせていただいているテキストです。

白川秋
白川秋

ではでは、参考までに

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