【基本情報技術者】法務について

基本情報技術者
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梅雨も明けてすっかり夏ですね。

熱中症に気をつけながら、しっかり水分補給と室内にいる方は冷房をつけて過ごしましょう。

電力、水道代より命です。

というわけで、いってみよー!

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基本情報技術者~法務~

3つの知的財産権

知的財産権

知的財産とは、人の知恵から生み出された発明やデザインといった「形のない財産」のことです。知的財産権は経営資源の1つである「情報(チエ)」に含まれる要素です。
知的財産権は大きく「著作権」「産業財産権」「その他の権利」の3つに分類されます。

著作権

著作権とは、創作物に対する権利です。例えば、本や絵、音楽など、文化、芸術に対する権利です。著作権は著作物を創作した時点で自動的に発生しています。著作権は意図せず侵害していたというケースが少なくないので、一般教養として著作権の基本を学んでおく必要があります。

  • 著作権法によって保護されているもの
    以下は、著作権法によって保護されているものの一例です。

    本       音楽       写真・映像
    取扱説明書   プログラム
    美術作品(絵画・彫刻・建築物など)

    このうち試験で問われることの多いものは、「プログラム」です。プログラムはすべて著作権法で保護されます。
  • 著作権法によって保護されないもの
    一方で、次の3つは著作権法では保護されません。

    プログラム言語   :コンピュータに命令を出すための言語
    アルゴリズム(解法):問題を解決するときの手順
    プロトコル(規約) :プログラム言語を使うときの特別な約束

    これら3つを保護しない理由は、プログラムを作る際にこれらが必要だからです。これらを保護してしまっては、自由にプログラムを作ることができなくなってしまいます。
    プログラムは保護され、プログラム言語やアルゴリズム、プロトコルは保護されないという点は、テストでよく出題されます。

産業財産権とその他の権利

産業財産権

産業財産権とは、産業分野の財産に対する権利です。「産業」というと堅苦しいですが、簡単にいうと「会社が開発した発明やブランドに対する権利」です。

種類解説
特許権新しいことを発明した人(企業)に与えられる独占的な権利。高度性が必要。この権利を得るには特許庁に出願し、厳しい審査を通過する必要がある。近年の例では「青色LEDの原理」など。
実用新案権物品の形状などの考案を保護する権利。この権利では高度性は不要。物事をより便利にするアイデアがあれば認められる。
意匠権物品のデザインを保護する権利。
商標権自社の商品と他社の商品とを区別するためのトレードマークやサービスマークなどのマークを保護する権利。

その他の権利

その他の権利として、「営業秘密」があります。営業秘密とは、以下の3つの条件を満たす情報です。

条件解説
秘密管理性秘密として管理されている情報。「マル秘」と書かれた書類や秘密保持契約書で指定した書類など。
有用性技術上、または営業上で役に立つ情報。開発実験の結果データや顧客情報など。
非公知性一般的に知られていない情報。

セキュリティ関連法規

サイバーセキュリティ基本法

サイバーセキュリティ基本法とは、サイバー攻撃から国全体を守るための基本理念を定めた法律です。必ず押さえなければならないポイントは、「この法律の対象者が国全体である」という点です。つまり、国、地方公共団体、企業、国民のすべてが対象になります。個人もというところがポイントです。

刑法

刑法とは、犯罪人を罰する法律です。コンピュータ犯罪に関する刑法の条文にはさまざまなものがありますが、試験対策として覚えておくべき用語は次の2つだけです。

罪名解説
電子計算機損壊等業務妨害罪コンピュータや電磁記録を破壊して、コンピュータ上で行われる業務を妨害する犯罪。
不正指令電磁記録に関する罪コンピュータウイルスを作成、提供、供用、取得、保管する犯罪。

不正アクセス禁止法

不正アクセス禁止法とは、不正なアクセスを禁止する法律です。不正アクセスのアクセスとは「コンピュータに接続すること」です。つまり、不正アクセス禁止法の対象は「ネットワークを通じたアクセス」のみです。

  • 不正アクセス禁止法の対象となる4つの行為
    不正アクセス禁止法では、次の4つの行為を処罰の対象事項として定義しています。
行為説明
なりすましによるアクセス本人の許可無く、その人のIDとパスワードを不正利用してアクセスすること。
セキュリティホールからのアクセスシステムのセキュリティ上の弱点(セキュリティホール)を悪用してアクセスすること。
他人のIDとパスワードを取得する行為不正アクセスをするために他人のIDとパスワードを取得すること。実際に不正アクセスをしなくても、IDとパスワードを取得した時点で罪になる。
本人の許可無く、他人のIDやパスワード
などを無断で誰かに教えること
本人の許可無く、他人のIDやパスワードなどを無断で第三者に教えることも、不正アクセス禁止法の罰則対象となる。

個人情報保護法

個人情報保護法とは、氏名、住所、電話番号など、個人を特定できる情報を、正しく扱うための法律です。基本情報技術者試験では、主に次の3つについて出題されます。

  • 氏名と住所
  • 社員名と役職
  • 個人が識別できる映像や音声

「個人が識別できる映像や音声」が含まれることを意外に感じる方もいらっしゃると思いますが、個人情報には「身体的特徴」なども含まれます。

労働関連法規と取引関連法規

3つの契約

経営資源の1つである「ヒト」を、企業が活用する際の契約には、次の3種類があります。

名称説明
雇用契約労働者が会社から直接、雇用と指示を受ける労働形態。労働者と企業の間で雇用契約書を作成し、雇用契約を結ぶ。
労働者派遣契約労働者が派遣元から雇用を受け、派遣先から指示を受ける労働形態。波形会社に雇用される労働者を「派遣労働者」という。
請負契約発注者と受注者の間で請負契約書を作成し、請負契約を結ぶ。

請負契約の特徴

労働派遣契約と請負契約には、2つの明確な違いがあります。

  • 労働者派遣契約では、派遣先の会社が労働者に指示を出せる
  • 請負契約では、発注者の会社は労働者に指示を出せない

このことに起因して、請負契約には次の2つの特徴があります。

特徴説明
完成責任請負契約では、発注者は労働者に直接指示を出せないため、仕事の完成をもって報酬を支払う約束になっている。
契約不適合責任請負契約では、発注者は労働者に直接指示を出せないため、完成した仕事に不適合な部分があった場合の責任は、指示を出した請負会社が負う。

著作権の帰属先

契約形態によって著作権が誰に帰属するのかが変わります。以下にまとめてみました。

労働契約の種類指示(指揮命令権)著作権の帰属先
個人的な趣味自分自身自分自身(個人)
雇用契約雇用主雇用主
労働者派遣契約派遣先派遣先
請負契約請負会社請負会社

小休止!お試しトライ!過去問①

問1 営業秘密

問題
不正競争防止法において、営業秘密となる要件は、“秘密として管理されていること”、“事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であること”と、もう一つはどれか。

平成29年度

ア.営業譲渡が可能なこと
イ.期間が10年を超えないこと
ウ.公然と知られていないこと
エ.特許出願をしていること

解答
営業秘密を満たす要件は「秘密管理性」「有用性」「非公知性」の3つです。

従って、解はウ.となります。

最後に

今まで長かったですが、その分、法務は短く感じました。

皆さんはいかがでしたでしょうか?これにて、基本情報技術者試験のブログとしてまとめる作業は終わりです。

皆さん、科目Bの勉強も怠らず、科目A、科目Bで良い点を取りましょう!

ちなみに、以下で紹介しているテキストを読まないと完全な学習は行えませんので、ぜひ下で紹介している本をご購入いただけたらと思います。

こちらが参考にさせていただいているテキストです。

白川秋
白川秋

ではでは、参考までに

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