本日もよろしくおねがいいたします。
台風が熱帯低気圧になり、熱気を運んでくるそうです。みなさん熱中症に注意して、エアコンをしっかりかけて、水分補給を忘れないようにしてくださいね。
それではいってみよー!
基本情報技術者~ビジネスインダストリ~
ビジネスシステム
ビジネスの現場で使われているビジネスシステムですが、基本情報技術者試験では、「スマートグリッド」「スマートメーター」「HEMS」「ID-POSデータ」が頻出とのことです。
スマートグリッド
スマートグリッドとは、ITを使って電力の需給量の最適化を図る次世代電力網です。スマートは「賢い」、グリッドは「送電網」という意味があります。
現状の電力網は発電所から家庭や企業への一方向ですが、スマートグリッドでは電力を双方向にやり取りします。
- スマートメーター
スマートメーターは、通信機能を備えた電力計です。スマートメーターを家庭やオフィスに設置することで、電力消費量を可視化することができるようになります。
- HEMS
家庭用のスマートメーターで可視化できるようになった電力量は、HEMSと呼ばれるシステムで見ることができます。
HEMS(Home Energy Management System:家庭用エネルギー管理システム)とは、家電製品をネットワークにつないで、電力の可視化と制御を行うシステムです。
HEMSのポイントは「可視化(見える化)」と「制御(コントロール)」です。
POSシステム
POSシステム(Point of Sales System:販売時点情報管理システム)とは、商品が売れた際に、その商品の情報をネットワークを通じて管理し、経営に役立てる仕組みです。
POSシステムでは、コンビニなどのレジで、商品についているバーコードを読むことで、消費者が「いつ」「どこで」「何を」「いくつ」「いくらで」買ったかという情報を取得できます。POSシステムで得られる情報を「POSデータ」と呼びます。
- ID-POSデータ
最近では、POSデータに個人情報(ID)を付加した、ID-POSデータというものも使われています。ID-POSデータでは、レジで客にポイントカードなどを提示してもらうことで「誰が」買ったのかまで把握できるようになりました。
このことにより、POSシステムでは、購入履歴(最終購買日、購買頻度、累計購買総額など)が確認できます。
エンジニアリングシステム
エンジニアリングシステムとは、生産システムを自動化するシステムです。基本情報技術者試験では「かんばん方式」「セル生産方式」「MRP」の3つの出題傾向が高いです。
生産方式
- 受注生産方式と見込生産方式
受注生産方式とは、顧客からの注文を受けて生産を開始する生産方式です。
見込生産方式とは、顧客からの注文は待たず、生産開始時の計画に基づいて見込み数量を生産する生産方式です。
生産方式 | 在庫リスク | 受注から出荷までの時間 |
---|---|---|
受注生産方式 | なし | 長い |
見込生産方式 | あり | 短い |
- かんばん方式(JIT生産方式)
かんばん方式とは、必要な物を、必要なときに、必要な量だけ生産する生産方式です。かんばん方式はトヨタの生産方式の1つで、別名「JIT生産方式(ジャストインタイム生産方式)」とも呼ばれます。
- ライン生産方式とセル生産方式
ライン生産方式とは、作業員を生産ラインにずらりと配置し、ベルトコンベアなどで流れてくる製品を組み立てる生産方式です。「流れ作業」ともいいます。
セル生産方式とは、1人または数人の作業員が、生産の全工程を担当する生産方式です。セル(Cell)は「小さな部屋」という意味で、作業員の周りを作業台や部品で囲んでいることからこう呼ばれます。
生産方式 | 作業員の人数 | 作業員のスキル | 製品の種類と生産量 |
---|---|---|---|
ライン生産方式 | 多い | 単能工や専能工 | 少品種・多量生産 |
セル生産方式 | 少ない | 多能工 | 多品種・少量生産 |
MRP
MRP(Material Requirements Planning:資材所要量計画)とは、製品の生産計画に合わせて必要な資材の量を求め、資材の手配を行う手法です。
MRPシステムを使うことで、煩雑な資材の手配に関する計算を、簡単な操作で、製造に必要な資材の在庫量を簡単に計算することができます。
その他の重要な用語
用語 | 説明 |
---|---|
CAD(コンピュータ支援設計) | 製品の設計をコンピュータで行うシステム。CADを利用することで、手作業で描いていた製品の設計図をコンピュータ上で作成することができる。 |
CAM(コンピュータ支援製造) | CADで作成された設計図面のデータを元に、工作機械を操作するためのプログラムを作成するシステム。 |
コンカレントエンジニアリング | 製品の開発プロセスを同時並行で行う手法。作業を同時並行で行うことで、開発期間を短縮できる。 |
小休止!お試しトライ!過去問①
問1 スマートグリッド
問題
スマートグリッドの説明はどれか。
平成26年度
ア.健康診断結果や投薬情報など、類似した症例に基づく分析を行い、個人ごとに最適な健康アドバ
イスを提供できるシステム
イ.在宅社員やシニアワーカーなど、様々な勤務形態で働く労働者の相互のコミュニケーションを可
能にし、多様なワークスタイルを支援するシステム
ウ.自動車に設置された情報機器を用いて、飲食店・娯楽情報などの検索、交通情報の受発信、緊急
時の現在位置の通報などが行えるシステム
エ.通信と情報処理技術によって、発電と電力消費を総合的に制御し、再生可能エネルギーの活用、
安定的な電力供給、最適な需給調整を図るシステム
解答
ア.から見ていきます。
ア.医療診断エキスパートシステムの説明です。
イ.テレワーク支援システムの説明です。
ウ.カーナビゲーションシステムの説明です。
エ.スマートグリッドの説明です。
従って、解はエ.となります。
e-ビジネス
EC
EC(Electronic Commerce:電子商取引)とは、インターネット上で商品を売買すること(取引すること)です。
・企業のメリット :店舗の家賃や販売店の給与などを削減できる
;初期投資が少ない
・利用者側のメリット:自宅で商品を購入できる(店舗へ行かなくてよい)
- ECの分類
EC(電子商取引)は5つに分類できます。基本情報技術者試験では、GtoBと、OtoOが頻出です。
モデル | 説明 | 代表例 |
---|---|---|
BtoC | 企業と消費者の取引。Bussiness to Consumerの略。 | オンラインモール |
BtoB | 企業と企業の取引。Bussiness to Bussinessの略。 | eマーケットプレイス |
CtoC | 消費者と消費者の取引。Consumer to Consumerの略。 | 電子オークション |
GtoB | 行政と企業の取引。Government to Bussinessの略。 | 電子調達 電子入札 電子申請 |
OtoO | 仮想店舗と実店舗の連携。Online to Offlineの略。 | 価格比較サイト 電子クーポン |
電子オークション
CtoCの代表例の1つに「電子オークション」がありました。電子オークションとは、インターネットを使った競売(オークション)です。例としてヤフオク!などがあります。
- 逆オークション
逆オークションとは、買う人が希望価格を提示し、売り手が競争して、一番安い値段をつけた売り手が商品を売ることができるという取引です。
逆オークションは、CtoCやBtoCで使われることが多いですが、最近ではGtoBでも使われるようになってきました。
EC(電子商取引)での決済
- エスクローサービス
エスクローサービスとは、インターネット上の取引を安全に行うために、売り手と買い手の間に入って決済を仲介するサービスです。
「お金を払ったのに商品が届かない」「商品を送ったのに代金が支払われない」といったトラブルをなくすために誕生したのが、エスクローサービスです。
RFID
RFID(Radio Frequency Identification)とは、電波や電磁波を用いることで、非接触で情報をやり取りできる技術です。RFIIDで読み取れる範囲は数cmから数mです。代表例としてICタグがあります。
- ICタグ
ICタグとは、RFIDを利用した電子的な荷札です。ICタグは「ICチップ」と呼ばれる集積回路とアンテナで構成される装置です。また、ICチップをカードに搭載したものを「ICカード」と呼びます。
ICタグは今後、JANコードやQRコードに変わる装置であるといわれていて、その理由は次の2つです。- 汚れに強い
- 梱包の外からでも読める
ロングテール
ロングテールとは、「あまり売れない商品でも、その種類が多くなると、大きな売上になる」という法則です。ECとこのロングテールはマッチします。それは、実店舗に商品を陳列する必要がなく、あまり売れない商品も膨大な量を取り扱えるようになるからです。
パレートの法則では、「売上の80%は上位20%の商品から生まれる」ということがいわれますが、ECでは、ロングテールの「売上の20%は下位80%の商品から生まれる」という法則が当てはまります。
EDI
EDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換)とは、ネットワークを使って、商取引のためのデータをコンピュータ間で規約に基づいて交換することです。
経済産業省は、EDIを次のように定義しています。
EDIとは、異なる組織間で、取引のためのメッセージを、通信回線を介して標準的な規約を用いて、コンピュータ(端末を含む)間で交換すること
ここでいう「規約」とは、メッセージの形式やエラーの処理方法などを定めたルールです。このルールが統一されていると、すべての取引先とスムーズにデータをやり取りすることができます。
ソーシャルメディア
ソーシャルメディアは、従来の新聞やテレビのマスメディアとは異なり、ITを使ってユーザー同士が双方向に情報交換をするメディアです。ソーシャルメディアの例としては、ブログやSNSがあります。
- CGM
CGM(Consumer Generated Media:消費者生成メディア)とは、一般の消費者がインターネットを通じて自らの情報を発信するメディアの総称です。CGMの例として、ブログやSNS、口コミサイトなどがあります。
- シェアリングエコノミー
シェアリングエコノミーとは、インターネットを使って、物やサービスを他の人と貸し借りすることです。シェアリングエコノミーで貸し借りできるものの例としては、民泊(家)、ライドシェア(運転)、クラウドソーシング(スキル)などがあります。
組み込みシステム・IoTシステム
組込みシステム
組込みシステムとは、特定の機能を実行するシステムです。組込みシステムといった場合、通常は「マイクロコンピュータ」のことを指します。
- 民生機器と産業機器
民生機器とは、一般家庭で使われる電化製品です。一方、産業機器とは、産業用ロボット、自動倉庫、自動販売機など、産業用に使われる機器のことを指します。
組込みソフトウェア
組込みシステムの中の、読み出し専用の記憶装置にインストールされたソフトウェアのことを「組込みソフトウェア(ファームウェア)」と呼びます。
IOT
IoT(Internet of Things:モノのインターネット)とは、自動車や家電などの「モノ」が直接インターネットにつながって、お互いに情報をやり取りすることです。
- 閉域網
閉域網とは、インターネットに接続していないネットワークです。インターネットは開かれたネットワークであり、不特定多数がアクセスできる分、セキュリティは低くなります。一方、閉域網は、閉じたネットワークなので、許可した人しか利用できません。そのため、セキュリティが高くなります。
IoTとネットワーク
- BLE
BLE(Bluetooth Low Energy)とは、Bluetoothの仕様のひとつで、省電力の通信規格です。BLEはボタン電池1つで数年稼働するといわれています。
- LPWA
LPWA(Low Power Wide Area)とは、省電力で広範囲の通信ができる無線通信です。通信距離は数十キロまでカバーします。LTE(4G)より省電力で、BLEより通信距離が長いという特徴があります。
LPWAはBLEよりも通信距離が長く、LTEよりも省電力です。
そして、LPWAはWi-FiやLTEよりも通信速度が遅いです。
エッジコンピューティング
エッジコンピューティングとは、IoT機器の近くにサーバを配置することで応答速度を高める技術です。この技術は主に、工場に設置されたセンサーなどのIoT機器との通信で使われます。
小休止!お試しトライ!過去問②
問1 ECの分類
問題
電子自治体において、G to Bに該当するものはどれか。
平成27年度
ア.自治体内で電子決済や電子公文書管理を行う。
イ.自治体の利用する物品や資材の電子長搭子、電子入札を行う。
ウ.住民基本台帳ネットワークによって、自治体間で住民票データを送受信する。
エ.住民票、戸籍謄本、婚姻届、パスポートなどを電子申請する。
解答
ア.から順に見ていきます。
ア.GtoBとは取引であり、ア.は取引ではありません。
イ.GtoBの取引の説明です。
ウ.GtoGです。
エ.GtoCです。
従って、解はイ.となります。
最後に
ビジネスインダストリという言葉は耳慣れない言葉でしたが、ITパスポートを勉強された方にとっては、馴染のある内容だったと思います。
ちなみに、テキストを読まないと完全な学習は行えませんので、ぜひ下で紹介している本をご購入いただけたらと思います。
こちらが参考にさせていただいているテキストです。


ではでは、参考までに
コメント