パソコンを使っていて突然「IPアドレスの競合が検出されました」と表示され、インターネットが使えなくなってしまった――そんな経験はありませんか?
このエラーは、同じネットワーク内で複数のパソコンや機器が「同じ住所(IPアドレス)」を使おうとしたときに起きるトラブルです。
本記事では、Windowsパソコンを使っている方に向けて、「IPアドレスの競合」が起こる原因と、それに対処するための方法を、わかりやすく解説します。
普段はあまり意識しないネットワーク設定ですが、いざというときに焦らず対応できるように、この記事を読んで準備しておきましょう。
「IPアドレスの競合が検出されました」と表示されたときの対処法
突然のIPエラー、どうすれば?まず試したい3つの対処法
IPアドレスの競合が発生したとき、まずは次の3つの対処法を順に試してみてください。多くの場合、この中のいずれかで解決できます。
対処法 | 内容 | 期待される効果 |
---|---|---|
① パソコンを再起動 | Windowsを一度シャットダウンし、再起動する | 新しいIPアドレスが自動で割り振られる可能性あり |
② ルーターの再起動 | 家庭用Wi-Fiの親機(ルーター)を再起動する | DHCPサーバ(IPを配る役割)がリフレッシュされる |
③ IPアドレスの再取得 | 手動でIPアドレスを更新する | 手っ取り早く競合状態を解消できる |
以下で、それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。
なぜ「IPアドレスの競合」が起こるのか?
IPアドレスとは、ネットワーク上の機器がやり取りするための「住所」のようなものです。
この住所がかぶってしまうと、通信がうまくいかなくなり、パソコンが「どっちが本物?」と混乱してしまいます。
このような競合が発生する主な理由は次の通りです。
- ルーターがIPアドレスを重複して割り当ててしまう
- 手動で設定したIPアドレスが、他の機器とバッティングした
- Wi-Fi中継器や別ルーターを追加したことで、IP管理がうまくいっていない
家庭やオフィスのネットワークで、スマートフォン、テレビ、ゲーム機などが増えている今、こうしたトラブルは珍しいことではありません。
体験談でわかる!実際に起きたIPアドレス競合のケース
ここでは、実際に筆者が体験したケースを紹介します。
ある日、自宅のWindowsノートPCでネットが急に繋がらなくなりました。画面右下には「IPアドレスの競合が検出されました」のメッセージ。
試しにスマホのテザリングに接続するとネットは使えるので、原因はネットワークにあると判断しました。
確認してみると、数日前に中古のWi-Fi中継器を導入していたのですが、初期設定のままでIPアドレスが固定されていたのです。
この中継器のIPがPCと重複していたのが原因でした。
以下が解決までに行った手順です。
- 中継器の電源をオフにして、PCを再起動
- Windowsの「ネットワークの状態」からIPを再取得
- 中継器のIPアドレスを手動で別のものに変更
この手順で無事に競合が解消され、インターネットも元通りになりました。
どうしても直らないときの手順|IPを手動で変更する方法
自動でのIP取得がうまくいかない場合は、IPアドレスを手動で設定することも可能です。以下の手順で行えます。
手動でIPアドレスを変更する方法(Windows)
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「状態」→「アダプターのオプションを変更する」
- 使用中の接続(例:Wi-Fi)を右クリックして「プロパティ」
- 「インターネット プロトコル バージョン4(TCP/IPv4)」を選択して「プロパティ」
- 「次のIPアドレスを使う」を選び、自分でIPを指定(例:192.168.1.50など)
- サブネットマスク → 「255.255.255.0」、デフォルトゲートウェイ → ルーターのアドレス(通常192.168.1.1)
※この設定にはルーターのIPアドレスの知識が必要なので、不安な場合は無理に変更せず自動取得に戻しましょう。
注意点|IPアドレスをいじるときに気をつけたいこと
- IPアドレスを手動で変更する際は、他の機器と被らない番号に設定する必要があります。
- 企業などで管理されているネットワークでは、勝手にIPを変更するとトラブルになることも。
- DHCP(自動でIPを配る仕組み)の設定を変える場合は、必ずルーターの管理画面にアクセスして行うこと。
こうした設定は、間違えるとネット自体が使えなくなることもあるため、慎重に進めましょう。
最後に
IPアドレスの競合は、パソコンを使っていると誰にでも起こり得るトラブルです。ですが、正しい手順を知っていれば、多くの場合は簡単に解決できます。
再起動やIPの再取得といった基本の対処法に加えて、手動での設定変更まで理解しておけば、いざというときに安心です。
パソコンやネットワークの仕組みは少し複雑に感じるかもしれませんが、「自分で直せた!」という達成感は、トラブル対応の大きなモチベーションになります。
この記事を参考に、ぜひ一度自宅やオフィスのネットワーク環境をチェックしてみてくださいね。

ではでは、参考までに。
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