パソコンを買い替えたとき、いちばん「あぁ…」となるのが、コツコツ育てた単語登録(ユーザー辞書)が消えること。自分の名前、会社名、口グセの定型文、推しの名前まで——何億年もかけて登録した言葉が、まっさらな新しいパソコンには一切入っていません。
しかも今は、日本語入力ソフト(IME=文字を打つためのソフト)が3つも有名どころとして登場しています。Google日本語入力・Microsoft IME(Windows標準)・Copilot Keyboard(マイクロソフトの新しいAI入力)。それぞれ便利なんですが、辞書のしまい方(形式)がバラバラで、そのままコピーしても引っ越せないんですよね。
この記事では、この3つの間で辞書を自由に行ったり来たりさせる方法を、いちばん簡単な手順だけに絞ってまとめました。コピペと数クリックでできるので、安心して読み進めてください。
この記事のポイント
- 辞書移行の基本は「書き出し→ちょっと整え→読み込み」の3ステップ
- 3つのIMEはすべてテキスト形式で辞書をやり取りできる(2026年対応済み)
- つまずく原因は「文字コード」「品詞名」「タブ区切り」の3つだけ
7分37秒でわかるまとめ動画
まずはこれだけ覚えよう
やることは、どの組み合わせでもたった3つです。
- 書き出す(エクスポート)…今使っている辞書を、テキストファイルとして外に出す
- 形を整える…相手のIMEが読める形にちょっと直す(多くの場合そのままでOK)
- 読み込む(インポート)…移したい先のIMEに取り込む
この「出す→整える→入れる」さえ頭に入れておけば、どの方向でも応用が効きます。ありがたいことに、いちばんの難関だったCopilot Keyboardも、2026年5月29日のアップデート(バージョン1.0.0.7575)で辞書のインポート/エクスポートにとうとう対応しました。2026/05/29のアップデート(Ver1.0.0.7575)でユーザー辞書のインポート・エクスポートが実装されたのです。これで3つすべてが相互にやり取りできる時代になったんです。
ちなみに余談ですが、Copilot Keyboard をインストールした後も、Windows の設定からいつでもお好みの入力方式に切り替えることができ、これまでお使いの Microsoft IME のユーザー辞書をインポートできるので、MS IMEからの移行はとくに簡単です。
設定例:3つの書き出し・読み込み手順
それぞれのIMEで「どこをクリックするか」を具体的に見ていきましょう。
① Google日本語入力(書き出し・読み込み)
画面右下の通知領域にある「あ」または「A」のアイコンを右クリック →「辞書ツール」を開きます。
- 書き出すとき:辞書ツールの「管理」ボタン →「選択した辞書をエクスポート」→ デスクトップなどに保存(拡張子は
.txtのテキストファイル)。出力されたファイルの拡張子は .txt でテキストファイルになり、このファイルはユーザー辞書のバックアップにもなります。 - 読み込むとき:「管理」→「新規辞書にインポート」→ ファイルを選んで読み込み。フォーマットとエンコードは自動判定のままでOKです。
② Microsoft IME(書き出し・読み込み)
同じく「あ/A」を右クリック →「ユーザー辞書ツール」を開きます。
- 書き出すとき:「ツール」→「一覧の出力」→ 保存先を選んで保存。「一覧の出力を終了しました。」と表示されたら「終了」をクリックでエクスポート完了です。
- 読み込むとき:「ツール」→「テキストファイルからの登録」→ ファイルを選択。「登録処理を終了しました。」と表示されたら「終了」をクリックでインポート完了です。
③ Copilot Keyboard(書き出し・読み込み)
「あ/A」を右クリック →「設定」→「学習と辞書」を開きます。ここにインポート/エクスポートのボタンが用意されています。
GoogleやMS IMEから移すときの実際の流れは、こんなイメージです。
- Google(またはMS IME)の辞書ツールで、辞書をテキストに書き出す
- Copilot Keyboardの「学習と辞書」から、いまの辞書を一度テキストに書き出す
- 2の中身に、1の中身をコピペして合体(マージ)させる
- 合体させたファイルを、Copilot Keyboardに読み込む
実際にこの手順で移行してみましたが、「Google_IMEの辞書ツールでエクスポート → Copilot Keyboardの学習の辞書からエクスポート → 両方をマージ → マージしたファイルをインポート」という流れで無事成功しました。
メリット・デメリット
正直なところ、いい面だけじゃないので、ちゃんと両方お伝えします。
| メリット | デメリット・注意点 | |
|---|---|---|
| Google日本語入力 | 書き出し・読み込みが自動判定でラク。WindowsもMacも同じ操作 | 他IMEに渡すとき品詞名がズレることがある |
| Microsoft IME | Windows標準で安心。タブ区切りの素直な形式 | 品詞名が違うと「失敗」が出る |
| Copilot Keyboard | AI変換が賢い。MS IME辞書をそのまま引き継げる | 読み込みは「追加」だけで、まるごと上書きはできない |
とくにCopilot Keyboardの「上書きできない」クセは知っておいた方がいいです。
実際に使った人も、不要な分を削除してインポートし直しても、追加分をインサートするだけになっており、ファイルごと上書きするインポートではないと書いていました。つまり、いらない単語を消したつもりでも、古いのが残ったまま新しいのが足されるだけ、ということです。
ちょっと不便ですが、これは今後のアップデートに期待ですね。
つまずきやすい3つの落とし穴
「手順どおりやったのに失敗した!」となる原因は、だいたいこの3つに集約されます。順番に潰していきましょう。
① 文字コード(文字の保存形式)のズレ
テキストファイルには「文字の保存方式」がいくつかあって、これが合わないと文字化けします。MS IMEに読み込ませるときは、文字コードを指定の形式にして保存できるテキストエディタで作ること、そして読みと語句と品詞の間はタブ1個(Tabキーを1回)で区切ることがルールです。
メモ帳で保存するとき、「文字コード」を「UTF-8」か「ANSI」、または「UTF-16 LE BOM」に切り替えてみてください(Notepad++がおすすめ)。
② 品詞名(名詞・人名などの種類)の違い
ここがいちばんの難所。IMEごとに「品詞」の呼び方が微妙に違うんです。品詞として記入できるのは、そのIMEの「単語の登録」画面で選択候補として用意されている品詞のみで、それ以外の文字列を品詞にしていると正しく登録できません。
実際、ある人は「短縮よみ」とすべきところを「短縮読み」と書いていたせいでインポートできず、訂正したらすんなり通ったそうです。たった一文字でアウト。失敗が出たら、まず品詞の列を疑ってください。
③ 登録できる文字数・件数の上限
長すぎる単語や、多すぎる件数は弾かれることがあります。Copilot Keyboardでも登録語のMax文字数の制約があると報告されています。定型文みたいに長い文章を1単語に登録している人は、ここで引っかかりやすいので注意です。
なお、ひとつ正直にお伝えすると——Google日本語入力やMS IMEの辞書を、Copilot Keyboardが100%きれいに引き継げるとは限りません。他社IME(ATOKやGoogle日本語入力)からの直接インポートには対応しておらず、学習履歴は端末依存のため、完全移行は期待せず主要語のみ再登録するのが現実的、とも言われています。なので「全部移ったらラッキー、ダメなら大事な単語だけ手で入れ直す」くらいの気持ちで臨むと、気がラクですよ。
最後に
辞書の引っ越しって、地味だけど一度コツをつかむと一生モノのスキルです。やることは結局、「出す → 整える → 入れる」の3ステップだけ。そして失敗したら、文字コード・品詞名・文字数の3つを見直す。これだけ覚えておけば、もう新しいパソコンを買っても、IMEを乗り換えても、怖くありません。
個人的にいちばん感動したのは、長いあいだ「辞書をまとめて移せない」と言われ続けたCopilot Keyboardが、2026年のアップデートでついに対応したこと。これで3つのIMEが、ようやく対等に手をつなげるようになりました。あなたの育てた言葉たちを、まるごと新しい環境へ連れていってあげてくださいね。
まずは今日、いちばん使っているIMEの辞書をテキストに書き出してバックアップするところから始めてみましょう。これだけで、もしものときの安心感がまるで違いますよ。

ではでは、参考までに。
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