0円で爆速マスター!Wan2.2で始める神動画作成術~環境づくり編

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皆さん、Wan2.2というツールをご存知でしょうか?

「ワンワン!ワンツーワンツー!」

犬でもありません。ボクサーでもありません。違います。

Wan2.2というのは、今話題のAI動画作成モデルというツールの一種です。本日は、このツールをComfyUIのローカル環境で動かすための環境構築について書いていきたいと思います。

わたくしなんと、現時点で何の予備知識もございません。
皆さんと一緒に、皆さんの視点でご紹介できればと思います。

どこまで書くことができるでしょうか?
それでは、いってみよー!!

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Wan2.2とは?誰でも映画のような動画が作れる革新的なAIモデル

1. 映像革新の最前線 — MoE(Mixture-of-Experts)構造の採用

Wan2.2は、Mixture-of-Experts(MoE)構造という最新技術を取り入れた、オープンソースの動画生成AIモデルです。これは、高ノイズ・低ノイズそれぞれ専用の「エキスパート(専門モデル)」を使い分けることで、効率と品質を両立しています。まさにAIが「質」と「速さ」を同時に高めた画期的な一歩です。

2. テキスト・画像から動画へ — 多彩な生成モード

Wan2.2は、多彩な入力に対応しています:

  • テキスト→動画(T2V)
  • 画像→動画(I2V)
  • テキスト+画像→動画(TI2V)
    720p/24 fpsで動作し、一般的なPCでも動かせるところも魅力。

3. オープンソース × 商用利用OK

2025年7月28日にオープンソースとして公開され、Apache 2.0ライセンスにより商用利用も自由に可能です。誰でも自分の手で最先端の映像制作に挑戦できます。

4. 低スペックでも動く軽量モデルもあり

  • 5Bモデル:メモリ効率に優れ、8GBのVRAMでも動作確認された“爆速”タイプ。
  • 14Bモデル:より高品質ながら、少し重めの生成も可能。

    用途やPC環境に応じて使い分けられるのはとても便利です。今回は、少ないメモリでも動かせる、5Bモデルでの環境構築を目指していきたいと思います。

5. ComfyUIとのネイティブ連携で簡単操作

Wan2.2は、ビジュアルなノードベースUI「ComfyUI」に完全統合されています。複雑な設定なしに、直感的に動画生成が可能です。

6. 革新的AIにより映像制作の“民主化”を後押し

以下のような特徴も見逃せません:

  • 美的ファインチューニング:映画的なライティングや構図、色彩を学習し、よりプロ品質な映像を実現。
  • 強化学習(RL)による最適化:人間の美的基準に寄せた映像生成を実現。
  • 学習データの大規模強化:Wan2.1比で、画像データ65.6%、動画データ83.2%増。幅広い表現に対応。

これによって、高品質な映像制作が“誰にでも現実的に”できる世の中になってきています。

まとめ表:Wan2.2の魅力

特徴内容
技術構造MoEエキスパート構造で高品質×高効率
入力タイプテキスト・画像・組み合わせで多彩な生成
ライセンスオープンソース(Apache 2.0)、商用可
モデル選択軽量5B/高画質14B、使い分け可能
操作性ComfyUI対応で手軽に操作可能
映像品質映画的な美学+強化学習による最適化
社会的意義映像制作の民主化を推進

ComfyUIをインストールしてみよう【初心者向け】

ComfyUIは、AIモデルを直感的に扱えるノードベースのUIツールです。
コードを書かずに動画生成ワークフローを組めるため、Stable Diffusionや動画生成AI初心者に最適です。

ComfyUIのインストール手順(Windows例)

まず、色々と失敗しました。その結果、最新版のPythonに合わせて環境を組んでみようということになりました。そして調査の結果、PythonがVer3.13の場合に対応しているTorchはVer2.6~2.8、CUDAはVer11.8~Ver12.9、CUDNNはVer9.1.0.70~Ver9.12.0ということがわかりました。

Python 3.13、Torch 2.8.0、CUDA 12.9、CUDNN 9.12.0で組んでみます。

1. Pythonのインストール

Python公式サイトから3.13をインストール

↑念のため「Add python.exe to PATH」にチェックを入れておきます。

↑「Close」をクリックします。Python 3.13 のインストールが完了しました。

とりあえずここまでできたら、再起動をしておきましょう。

2. CUDA Toolkit 12.9 のインストール

CUDA Toolkitをダウンロードします。会員登録が必要ですが、諦めましょう。登録します。

「Archive of Prevous CUDA Releases」をクリックし、CUDAのVer12.9をダウンロードします。

ダウンロードしたら「cuda_12.9.1_XXX.XX_windows.exe」ファイルを実行します。

このような画面が出た場合は、CTRL+SHIFT+DELでタスクマネージャーを起動して、プロセスID(この場合:9220)で検索し、該当プロセスを終了させたのち、RETRYをクリックしてください。

経験上、プロセスを終了しても結構待たないと、RETRYが効きませんでした。RETRYが出たときは、プロセスを終了したのち、インストーラーを一旦終了させるのもありかも知れません。

↑成功するとこの画面になります。

CUDA 11.8で試したときは、この画面にこれませんでした!地味に嬉しいです。達成感!

デスクトップのショートカットは作成し、アプリは立ち上げないとして「閉じる」をクリックします。成功、そして涙。感謝。とほかみえみため。

3. cuDNN 9.12.0 のインストール

CUDAのバージョンを調べるには、「PowerShell」を管理者権限で立ち上げ、次のようにコマンドを打ちます。

nvcc -V

cuDNNがインストールされているかを確認するには、次のコマンドを打ちます。

where cudnn64_*.dll

見つからなかった場合は導入されていないか、ファイルが存在していても、PATHが通っていない場合があります。

まぁ、無かったのでcuDNNをインストールしていきたいと思います。調べたところ、CUDA12.9に対応しているcuDNNのバージョンは 9.12.0 for CUDA 12.x とのことなので、これをダウンロードしてインストールしていきたいと思います。

cuDNNのダウンロードサイトはこちら

ダウンロードが終わったら、「cudnn_9.12.0_windows.exe」をクリックして、インストールを開始します。

インストールが終わったら、PowerShellで、さっそくcuDNN 9.12.0 がインストールされたかの再確認を行いましょう。

findstr "CUDNN_M CUDNN_P" "C:\Program Files\NVIDIA\CUDNN\v9.12\include\12.9\cudnn_version.h"

これを入力します。すると⋯、

ありました。まぁ、これはエクスプローラーで探して見つけたんですけどね。

これで、cuDNNのパスが通せるようになりましたね。というわけで、さっそくパスを通します。
設定→システム→バージョン情報 を開き、「システムの詳細設定」を開きます。

「環境変数」をクリックします。

「新規」をクリックし、次の文言を設定して「OK」を押します。

変数名:CUDNN_PATH
変数値:C:\Program Files\NVIDIA\CUDNN\v9.12

ここで、ついでにPythonのパスも通しておきましょう。Pythonのパスがわからない場合は、「PowerShell」コンソール上で「pip -V」などとコマンドを打つとエラーが出て、どこにパスがあるかを知ることができると思います。

パスを通すために、再起動をしておきます。

4. pip 25.2 の再インストール

pipは、Pythonのパッケージ管理ツールで、これを使ってアプリのインストールなどを行っていきます。

しかし、調べたところなぜか旧パスが邪魔をしていて正しく動作しなかったため、解決策を講じることとなりました。

「PowerShell」コンソールを管理者権限で立ち上げ、次のコマンドを打ちます。

python -m pip install --upgrade --force-reinstall pip

ここでWARNINGが出た場合は、そこに表示されているパスが通っていないということなので、パスを通します。

警告に表示されているパス (C:\Users\XXXXX\AppData\Local\Packages\PythonSoftwareFoundation.Python.3.13_qbz5n2kfra8p0\LocalCache\local-packages\Python313\Scripts) を、システムの環境変数 PATH に追加します。
追加後、パスの優先度を先ほど追加した2つのパスよりも上にしておきます。

追加したら再起動を行い、再度次のコマンドを打ち込みます。

python -m pip install --upgrade --force-reinstall pip

うまくいきました。パスが通ってないだけでした。また、パスの優先度を変えたことにより、うまく動作させることができました。

5. PyTorch 2.8.0 のインストール

いよいよ大詰め、Torchのインストールです。
まずは、PyTorchのサイトに行き、対応バージョン情報を見てみます。

この表を鵜呑みにしておけば良かったです。CUDAの最新バージョンが13.0だったのですが、13.0ではうまく動作しませんでした。というわけで、CUDA 12.9をインストールとしているわけです。とりあえず最新のPyTorch 2.8.0 をインストールしてみましょう。

PyTorchをインストールします。コンソールから、「Run this Command」で指定されているコマンドを打ちこみます。

pip3 install torch torchvision --index-url https://download.pytorch.org/whl/cu129

PyTorchが問題なくインストールできました。

ここまでが実は長かったです。時間にして、12時間経過しています。

6. Anaconda 3 2025.06-0 のインストール

Anacondaは、データサイエンスや機械学習のためのPythonディストリビューションです。torchを組み込んだら?ほんとはその前?順番正しくない?なにはともあれ、インストールしていきます。

Anacondaの公式サイトはこちら

「Get Started」からAnacondaをダウンロードします。これも会員登録が必要ですが、諦めましょう。登録します。

ダウンロードしたファイル「Anaconda3-2025.06-0-Windows-x86_64.exe」をインストールしていきます。

↑All Users(requires admin privileges)を選択します(場合によっては、Just Meを選択)。

Anaconda3 をシステムの Python 3.13 として登録します。
推奨。VSCode、PyCharm などの他のプログラムが、Anaconda3 をシステム上のプライマリ Python 3.13 として自動的に検出できるようにします。

完了時にパッケージキャッシュをクリアします。
推奨。機能を損なうことなく、ディスク容量をいくらか回復します。

とのことなので、下の2つともチェックをいれておきます。

3番目のキャッシュをクリアというところにチェックを入れたためか、時間がややかかります。不安であれば「Show details」をクリックしてみてください。一応進んでいることがわかるかと思います。

やっと終わりました。ふぅ⋯💦

↑特にチェックの必要はないと思うので、チェックを外して「Finish」をクリックします。

7. NumPy 2.3.2 のインストール

インストールするものが多くて、へこたれてきました。もっとシンプルな方法はきっとあるはずなんですが⋯。「PowerShell」コンソールからインストールしていきましょう。

pip install --upgrade numpy

無事インストールできたでしょうか?

8. PyTorch 2.8.0 の設定

Anacondaのインストールが終わったら、いよいうよPyTorchの設定です!
環境の準備を行います。仮想環境として、PyTorchという環境を作ります。

タスクバーの検索窓で、「Anaconda PowerShell」を起動し、次のコマンドを打ちこみます。

conda init
conda create -n PyTorch
conda activate PyTorch

途中で「y/n」という選択肢がでたら、「y」を入力してエンターを押します。

これで環境ができました。いよいよインストール。次のコマンドを打ちます。

conda install pytorch torchvision torchaudio cudatoolkit=12.9 -c pytorch

なんか「failed(失敗)」って文字が見えますが、今は気にしない!続きまして、次のコマンドを入力します。

python

Pythonが起動したら、次のコマンドを打ちます。

import torch
torch.cuda.is_available()

#True

見えますか!?Trueの文字が!!!
この光景を見るために何時間頑張ったことでしょう(約14時間)。
やりました。

9. ComfyUIをダウンロード&解凍

まず、「C:\」下に「comfyui」というフォルダを作成します。
そのフォルダ下に「install_comfyui.py」というファイル名で以下のプログラムをコピペし、保存します。

import urllib.request
import zipfile
import os
import shutil

# ===== 設定 =====
save_dir = r"C:\comfyui"  # 保存先フォルダ(事前に作成しておく)
os.makedirs(save_dir, exist_ok=True)

url = "https://github.com/comfyanonymous/ComfyUI/archive/refs/heads/master.zip"
zip_path = os.path.join(save_dir, "ComfyUI.zip")
extract_dir = os.path.join(save_dir, "ComfyUI")
# ================

print("1. ComfyUIをダウンロード中...")
urllib.request.urlretrieve(url, zip_path)

# ZIPファイルが正しくダウンロードされたか確認
if not os.path.exists(zip_path) or os.path.getsize(zip_path) == 0:
    raise Exception("ダウンロード失敗: ZIPファイルが存在しないか空です。")

print("2. 既存のフォルダを削除(存在する場合)...")
if os.path.exists(extract_dir):
    shutil.rmtree(extract_dir)

print("3. ZIPを解凍中...")
with zipfile.ZipFile(zip_path, 'r') as zip_ref:
    zip_ref.extractall(save_dir)

# 解凍後のフォルダ名を探す
folder_name = None
for name in os.listdir(save_dir):
    if name.startswith("ComfyUI-") and os.path.isdir(os.path.join(save_dir, name)):
        folder_name = os.path.join(save_dir, name)
        break

if not folder_name:
    raise Exception("解凍後のComfyUIフォルダが見つかりません。")

# フォルダ名を統一
os.rename(folder_name, extract_dir)

print(f"4. 解凍完了! '{extract_dir}' フォルダにComfyUIが展開されました。")

# ZIPファイル削除(任意)
os.remove(zip_path)
print("5. ZIPファイルを削除しました。")

「Anaconda PowerShell」上から、次のコマンドを実行します。

cd C:\comfyui
python install_comfyui.py

10. 完了後は以下でComfyUIをセットアップ

CTRL+Zでpythonコンソールから抜け、PowerShell上でライブラリをインストールします。

cd ComfyUI
python -m pip install --upgrade pip
pip install -r requirements.txt

「Successfully」。そう、この文字に会いたかった。長い道のりでした。

11. ComfyUIを起動

以下のコマンドを、PowerShell上で打ち込みます。

python main.py

次にブラウザで、

http://127.0.0.1:8188

を開けば、ComfyUIの画面が表示されます。

14時間が報われた瞬間です!
皆様お疲れ様でした。

ComfyUIの初期設定とは?

初めて起動したら以下の設定を確認しましょう。

  • GPU検出:自動でGPUが認識されるか確認
  • 保存フォルダ:生成動画や画像の保存先を設定
  • UIテーマ:作業しやすいライト/ダークモードを選択

ComfyUIの詳細な設定方法【快適に使うコツ】

ComfyUIをより効率的に使うためにおすすめの設定は以下です。

  1. カスタムノード導入
    • 動画プレビューや追加フィルター機能を追加可能
  2. メモリ最適化設定
    • GPU VRAMが少ない場合は低VRAMモードを有効化
  3. テンプレート化
    • よく使うワークフローをプリセット保存して時短

最後に

  • ComfyUIで直感的な動画生成ワークフロー
  • Wan2.2で高品質&商用利用可能な動画生成
  • 無料で導入でき、PCスペックに合わせてモデルを選択可能

この2つを組み合わせれば、無料で本格的な動画制作環境が手に入ります。
あなたのアイデアを、今すぐ動く映像として形にしてみましょう。

  • Python・CUDA・cuDNN・PyTorchのバージョン一覧
PythonCUDAcuDNNPyTorch
3.1312.99.12.02.8.0

以上で動作を確認しました。

本日は、とりあえず環境構築まででした。
本当はですね、Wan2.2のインストールまで行きたかったのですが、現時点で睡眠時間とお盆の用事を抜かし、ブログだけに約14時間かけてしまっていますので、キリのいいここら辺で、一旦切り上げたいと思いました。

皆様お付き合いいただき、本当にお疲れ様でした。
もっと簡単な方法はなかっただろうか?と思う次第であります。

次回予告:
0円で爆速マスター!Wan2.2で始める神動画作成術~Wan2.2の5Bモデルインストール編
0円で爆速マスター!Wan2.2で始める神動画作成術~動画作成編

です。
次回は、待ってました。Wan2.2のインストールです。お楽しみに。

白川秋
白川秋

ではでは、参考までに。

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