昨日は5月病を引きずっていて、あまり調子は良くないのですが、気合いで結構進めることができました。
こういう無理はダメなんですよね。気合いとか。
後で無理がブリ返すような頑張り方は良くありません。
というわけで、ここからはマッタリ行きます!
それでは、いってみよー!
基本情報技術者~プロジェクトマネジメント~
プロジェクトマネジメント
基本情報技術者試験では「WBS」「クリティカルパス」「ファンクションポイント法」がダントツに出題されます。
プロジェクトマネジメントとは
プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトを成功させるために経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)をバランスよく管理する手法です。
そもそも、プロジェクトとはどのようなことを指すのでしょうか?
プロジェクトとは、
- 期限が決められている(有期性)
- 成果物が唯一無二のものである(独自性)
この2つが備わっている業務のことです。
- プロジェクトに関わる人々
プロジェクトには以下の人物が関わります。
名称 | 説明 |
---|---|
プロジェクトマネージャ | プロジェクトを管理する人。「プロマネ」と呼ばれることもある。 |
要員(メンバー) | プロジェクトを成功させるために集められた、専門知識を持った人員。「メンバー」と表記されることも。プロジェクトマネージャと合わせて「プロジェクトチーム」と呼ばれる。 |
ステークホルダ | プロジェクトと利害関係にある人たちのこと。従業員、株主、取引先、消費者、行政機関、地域社会などが当てはまる。 |
PMBOK
PMBOK(Project Management Body of Knowledge)とは、プロジェクトマネジメントの体系化された知識です。わかりやすく言うと、プロジェクトマネージャのための教科書です。
- PMBOKの10の知識エリア
PMBOKの内容は10種類に分類され、これらを「10の知識エリア」と呼びます。特に出題傾向の高い5つに「★」マークを付けました。次の見出しからこの5つのエリアについて触れていきます。
知識エリア | 説明 |
---|---|
プロジェクト統合マネジメント | プロジェクト全体を総合的に管理する。 |
プロジェクトステークホルダ マネジメント | ステークホルダを特定し、そのステークホルダが効果的にプロジェクトに参加できるように調整する。 |
★プロジェクトスコープマネジメント | スコープ(作業範囲)を明らかにする。 |
★プロジェクト資源マネジメント | プロジェクトに必要となる資源を決定し、それらが効果的に機能するよう管理する。 |
★プロジェクトタイムマネジメント | プロジェクトがスケジュール(期限)内に完了するように管理する。 |
★プロジェクトコストマネジメント | コスト(費用)が予算内に収まるように管理する。 |
★プロジェクトリスクマネジメント | リスクの対策案を管理し、問題が発生したら対応する。 |
プロジェクト品質マネジメント | 品質を管理する。プロジェクトの成果物が品質基準を満たしていることをレビューなどで確認する。 |
プロジェクト調達マネジメント | プロジェクトの実行に必要なヒト、モノ、サービスを取得する。 |
プロジェクトコミュニケーション マネジメント | 誰が、誰に、いつ、どうやって、何を伝達するのかを管理する。 |
プロジェクトスコープマネジメント
PMBOKの10の知識エリアの1つ「プロジェクトスコープマネジメント」について説明します。
プロジェクトスコープマネジメントとは、プロジェクトに必要な作業範囲を洗い出すことです。
WBS
WBS(Work Breakdown Structure)とは、プロジェクトという1つの大きな作業を細かい作業に分割した図です。

WBSを用いることで、1つのプロジェクトでどのくらいの時間がかかり、どのくらいの費用がかかるのかを見積もることができるようになります。通常は、グループごとに階層状になるように、3~4階層程度まで分割していきます。
- WBSの最も小さい作業単位
WBSの最も小さい作業単位のことを、「ワークパッケージ」と呼びます。このパッケージは一般的には8時間~80時間程度で作業が完了するくらいの大きさに設定します。
プロジェクト資源マネジメント
PMBOKの10の知識エリアの1つ「プロジェクト資源マネジメント」について説明します。
プロジェクト資源マネジメントとは、プロジェクトに必要となる資源を決め、それらが効果的に機能するように管理することです。
基本情報技術者試験では、「開発工数」「開発期間」を求める問題が頻出です。
開発工数の求め方
開発工数を求めるために、例題を用意しました。
開発規模が1000行のソースコードで構成されるシステムを、生産性が100行/人日の要員で開発すると、開発工数は何人日必要か。
この問題を解くには、「開発規模」「生産性」「開発工数」の3つの用語の意味を把握する必要があります。
用語 | 説明 |
---|---|
開発規模 | 開発の大きさ。開発規模を表す単位の代表例は「ソースコードの行数」。 |
生産性 | システム開発の効率性。上の問題では生産性が100行/人日と設定されている。「人日」とは、「1人が1日で行う作業量」という意味。 |
開発工数 | システム開発に必要な作業量。単位は人月、人日など。例えば「3人日」とは、3人が1日で終えることができる作業量を意味する。 |
- 開発工数の公式
開発工数は、以下の公式で求めます。

例題では、開発規模が1000行のソースコードで構成されるシステムを、生産性100行/人日の要員で開発するので、これを公式に当てはめると次のような結果が得られます。

開発期間の求め方
開発期間を求めるために、例題を用意しました。
開発工数が10人日のプロジェクトを2人で開発すると開発期間は何日か。
この問題の要員とは、プロジェクトに参加する開発要員です。開発期間とは、システム開発が完了するまでの期間です。
- 開発期間の公式
開発期間は、以下の公式で求めます。例題では、開発工数が10人日のプロジェクト要員が2人で開発するので、公式に当てはめると、開発期間が求められます。

- 工数配分比率
工数配分比率とは、各開発工程を完了するのに必要な工数の割合のことです。
あるプロジェクトの工数配分は表のとおりである。基本設計からプログラム設計までは計画通り終了した。現在はプログラミング段階であり、3,000本のプログラムのうち1,200本が完成したところである。プロジェクト全体の進捗度は何%か。ここで、各プログラムの開発工数は全て等しいものとする。
平成30年度

ア.40 イ.44 ウ.54 エ.59
上の表の2行目に書かれた数字が、工数配分比率です。5つの値を足し合わせると1(100%)になります。
基本設計からプログラム設計までが、(0.08 + 0.16 + 0.2 = 0.44)=44%です。また、プログラミングの工数配分比率は25%です。このうち、1,200/3,000が終わっているので、(25% ✕ 1,200 / 3,000 = 10%)=10%です。
従って、プロジェクト全体の進捗度は(44% + 10%)=54%となり、ウ.が正解となります。
プロジェクトタイムマネジメント
PMBOKの10の知識エリアの1つ「プロジェクトタイムマネジメント」について説明します。
プロジェクトタイムマネジメントとは、プロジェクトがスケジュール以内に完了するように管理することです。
プロジェクトタイムマネジメントで使う3つの図
プロジェクトタイムマネジメントでは、主に次の3つを使います。
(1)トレンドチャート
(2)アローダイアグラム
(3)プレシデンスダイアグラム法
- (1)トレンドチャート
トレンドチャートとは、作業の進捗状況と予算の消費状況を関連付けた折れ線グラフです。
まず、予定となるマイルストーン(進捗の節目)をつないで、予定の折れ線グラフを記入します。次に、開発がスタートしてからマイルストーンに達するたび実績の折れ線グラフを記入します。

- (2)アローダイアグラム
プロジェクトタイムマネジメントでは、「アローダイアグラム」という図を使って進捗具合を把握します。

アローダイアグラムを使ったプロジェクトの分析手法のことを「PERT(Program Evaluation and Review Technique)」と呼びます。
- (3)プレシデンスダイアグラム法
プレシデンスダイアグラム法(Precedence Diagramming Method)とは、アクティビティ(作業)間の依存関係を図示する手法です。アローダイアグラムよりもさらに精密に作業日程を分析することができます。
プレシデンスダイアグラム法とアローダイアグラムの違いは以下の3つです。- 作業を「アクティビティ」と呼ぶ
アローダイアグラムで「作業」と呼んでいたものを、プレシデンスダイアグラム法では「アクティビティ」と呼びます。 - 作業項目を四角で表す
アローダイアグラムでは作業を「矢印」で表しますが、プレシデンスダイアグラム法ではアクティビティを四角形で表します。 - 依存関係が4種類ある
アローダイアグラムでは先行作業が終了すれば後続作業を開始できます。しかし、プレシデンスダイアグラム法では全部で4種類の依存関係があります。ちなみに、アローダイアグラムの依存関係は「終了-開始関係(FS関係)」です。
- 作業を「アクティビティ」と呼ぶ
依存関係 | 説明 | 図 |
---|---|---|
終了-開始関係 (FS関係:Finish-to-Start) | Aが終了すれば、Bが開始できる関係。 | ![]() |
終了-終了関係 (FF関係:Finish-to-Finish) | Aが終了すれば、Bが終了できる関係。 | ![]() |
開始-開始関係 (SS関係:Start-to-Start) | Aが開始すれば、Bが開始できる関係。 | ![]() |
開始-終了関係 (SF関係:Start-to-Finish) | Aが開始すれば、Bが終了できる関係。 | ![]() |

最短日数とクリティカルパス
プロジェクトタイムマネジメントで使用する3つの図(トレンドチャート、アローダイアグラム、プレシデンスダイアグラム法)を紹介しました。そのうち、基本情報技術者試験で頻出される問題として、アローダイアグラムの作業の「最短日数」や「クリティカルパス」を求めるものがあります。
- 最短日数
最短日数とは、すべての作業が遅延なく完了した場合の日数です。ここで勘違いしやすいのが、最短日数とは言うものの、一番短い経路のことを指さないということです。すべてのプロジェクトが終了するときにかかる日数が「最短日数」と呼ばれます。
- クリティカルパス
クリティカルパスとは、プロジェクトの作業経路において、最も時間のかかる経路です。この経路の日数が「最短日数」となります。

このアローダイアグラムを例に、クリティカルパスを求めてみます。
①A→B→C:3+3+4 =10日
②A→B→H:3+3+3 = 9日
③D→E→F:2+3+1 = 6日
④G→H ;5(+1)+3= 9日
ということで、①の経路(10日)がクリティカルパスということがわかります。
スケジュールを短縮する技法
基本情報技術者試験では、スケジュールを短縮する技法が出題されます。
技法 | 説明 |
---|---|
クラッシング | 投入する資源を増やしてスケジュールを短縮する技法。 |
ファストトラッキング | アクティビティを並列に実行してスケジュールを短縮する技法。 |
- クラッシング
クラッシングとは、新しい要員を増やしたり、既存の要員の時間外作業時間を増やしたりして、プロジェクトのスケジュールを短縮する技法です。
- ファストトラッキング
ファストトラッキングとは、大きな作業を「並列に実行できる小さな作業」に分割することで、スケジュール全体の作業日数を短縮する技法です。
不正解選択肢を覚えよう
クリティカルパスには、「作業員などの資源が足りていない状況を想定していない」という欠点があります。その欠点を補う方法として、「クリティカルチェーン法」というものがありますが、これは基本情報技術者試験では、「不正解の選択肢」としてよく出題されます。また、同様に「モンテカルロ法」も「不正解の選択肢」としてよく出題されますので、注意しておきましょう。
プロジェクトコストマネジメント
PMBOKの10の知識エリアの1つ「プロジェクトコストマネジメント」について説明します。
プロジェクトコストマネジメントとは、コストが予算内に収まるように管理することです。
見積もり手法
見積もり手法として、基本情報技術者試験で最も多く出題されるのが「ファンクションポイント法」です。それ以外はひっかけとして出題されます。
また、見積もり手法とは、システムの開発工数、開発期間、開発規模、開発要員数などを見積もるための方法です。
見積もり手法 | 説明 |
---|---|
ファンクションポイント法 | システムが提供する機能に点数を付けて見積もる方法。 |
経験的見積もり法 | 開発者が過去のプロジェクトの経験を元に、開発工数を見積もる方法。見積もる人の経験により、見積もりがバラバラになる。 |
類似的見積もり法 | 過去の似たようなシステム開発の実績値を元に、開発工数を見積もる方法。過去のシステムで似たものがないと見積もれない。 |
プログラムステップ法 | 開発するプログラムごとのステップ数を合計して開発規模を見積もる方法。コードの良し悪しに関わらず、長いコードであれば開発規模が大きくなるデメリットがある。 |
標準タスク法 | システム開発で必要となる作業を、WBSを使って分解し、それぞれの作業量を足し合わせて、開発工数を見積もる方法。 |
COCOMO | システム開発の規模に基づいて、工数と開発期間を見積もる方法。 |
Putnamモデル | システム開発全体の工数から各作業に工数を配分する工数見積もり方法。 |
ファンクションポイント法
ファンクションポイント法とは、システムが提供する機能(ファンクション)に点数(ポイント)を付けて見積もる方法です。他の見積もり方法が開発者視点なのに対し、ファンクションポイント法はユーザー視点です。
ユーザーファンクションタイプ | 説明 |
---|---|
①外部入力 | 画面やキーボードを操作して、システム内部のデータを更新すること。 |
②外部出力 | システムが画面などにデータを出力すること。ただし、システム内部のデータを加工してから出力する。 |
③外部照会 | システムが画面などにデータを出力すること。ただし、システム内部のデータを加工せずに出力する。 |
④内部論理ファイル | システム中のデータベースやファイル。 |
⑤外部インターフェースファイル | 別のシステムの中にあるデータベースやファイル。 |
実際にどのようにファンクションポイント法で見積もりを行うのか、基本情報技術者試験の過去問題を用いて解説します。
表の機能と特性をもったプログラムのファンクションポイント値は幾らか。ここで、複雑さの補正係数は0.75とする。
平成27年度

システム全体のファンクションポイントは、以下の手順で計算します。
- 各機能の個数と重み付け係数をかけ合わせて、仮の合計点を出す
- 「複雑さの補正係数」をかけて、最終的な見積もりを算出する

プロジェクトリスクマネジメント
PMBOKの10の知識エリアの1つ「プロジェクトリスクマネジメント」について説明します。
プロジェクトリスクマネジメントとは、リスクの対策案を管理し、問題が発生した場合は対応することです。
4つの対応策
プロジェクトリスクマネジメントでは、あらかじめ「リスクによる損害の大きさ」「発生確率」などを計算しておき、対処すべきリスクの優先順位を決めておきます。
- (1)リスク回避
リスク回避とは、リスクに係る作業をしないことです。
- (2)リスク移転
リスク移転とは、リスクを自社から他社へ移すことです。「リスク転嫁」とも呼ばれます。
- (3)リスク低減
リスク低減とは、リスクの発生確率を下げたり、被害額を小さくすることです。「リスク軽減」とも呼ばれます。
- (4)リスク保有
リスク保有とは、リスクをそのまま受け入れるということです。「リスク受容」とも呼ばれます。
小休止!お試しトライ!過去問①
問1 プロジェクトマネジメント
問題
プロジェクトの特性はどれか。
平成25年度
ア.独自性はあるが、有期性がない。
イ.独自性はないが、有期性がある。
ウ.独自性も有期性もある。
エ.独自性も有期性もない。
解答
プロジェクトの特性は、独自性と有期性があるという条件を満たすことです。
従って、解はウ.となります。
最後に
プロジェクトマネジメントのジャンルは、皆様、いかがでしたでしょうか?
私としては図表を多く作らなくてはならず、苦労しました。
そして、結構ITパスポートと共通するところがあって、楽でした。
みんなで取ろー、ITパスポート!!(ぉぃぉぃ
ちなみに、テキストを読まないと完全な学習は行えませんので、ぜひ下で紹介している本をご購入いただけたらと思います。
こちらが参考にさせていただいているテキストです。


ではでは、参考までに
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