ビジネス能力検定サーティファイのExcel®表計算処理技能認定試験2級の試験を受けるため、ただいま勉強中です。
先日、参考書Excel®表計算処理技能認定試験1・2級問題集2021対応問題の2級の模擬試験、実技試験をすべて解き終わりました。
そこで思ったのが、毎回知らない関数で頭を悩ませることが多いぞということでした。そこで、1級と2級の試験に出るかも知れない関数を55個(417個中)まで厳選しましたので、それを解説していきたいと思います。
こんなのがあるよ程度で、目を通すだけで構いませんので、ご一読ください。55個というと膨大な数の気がしますが、似た関数があるので実質20~30個程度を覚えるだけです。
関数の分類ごとに昇順で関数を説明していきます。
関数の分類(財務)
このジャンルからは恐らく出題されません。
関数の分類(日付/時刻)
DATE関数
DATE関数は、指定した年、月、日を使って正確な日付データを作成する関数です。たとえば、「2023」「10」「1」と入力すれば、「2023/10/01」という日付が作成されます。年、月、日が別々のセルに分かれているときにまとめて日付を作成したい場合に便利です。
書式
=DATE(年, 月, 日)
- 年:日付に設定したい年を指定します。4桁の数値で入力します。
- 月:日付に設定したい月を指定します。1〜12の数値で指定し、0以下でも13以上でも処理されます(0なら前年の12月、13なら翌年の1月、14なら2月など)。
- 日:日付に設定したい日を指定します。
例
NOW関数
NOW関数は、現在の日付と時刻を取得するためのExcel関数です。例えば、Excelのシートを開いた瞬間や関数を実行した瞬間の「今日の日付」と「今の時間」を自動的に表示します。毎回最新の情報に更新されるため、常に現在時刻や日付を表示したい場合に便利です。
書式
=NOW()
- 引数: NOW関数は引数を必要としません。そのまま =NOW() と記述するだけで、現在の日付と時刻が表示されます。
例
TODAY関数
TODAY関数は、現在の日付(今日の日付)をExcelに表示するための関数です。時刻は表示されず、日付のみが自動的に取得されます。シートを開いたときや再計算の際に、常に最新の日付が表示されるため、今日の日付を自動的に追跡したい場合に便利です。たとえば、レポート作成日や請求書の日付を自動で反映させるのに役立ちます。
書式
=TODAY()
- 引数: TODAY関数は引数を必要としません。ただ =TODAY() と入力すれば、現在の日付が表示されます。
例
ひと言
- NOW関数とTODAY関数の考察
NOW関数は「今、現在」を表示し続け、TODAY関数は「今日の日付」を表示し続ける関数です。
WEEKDAY関数
WEEKDAY関数は、指定した日付が「週の何日目」かを数字で返す関数です。たとえば、日曜日なら1、月曜日なら2…といった具合です。曜日ごとに異なる処理をしたい場合や、曜日に応じた数値を表示したい場合などに便利です。
書式
=WEEKDAY(日付, 種類)
- 日付:曜日を調べたい日付を指定します。セル参照や直接日付を入力可能です。
- 種類(省略可):返される曜日の数字のスタイルを指定します。
- 1(デフォルト):日曜日=1、月曜日=2…土曜日=7
- 2:月曜日=1、火曜日=2…日曜日=7
- 3:月曜日=0、火曜日=1…日曜日=6
例
関数の分類(数学/三角)
ABS関数
ABS関数は、数値の「絶対値」を求める関数です。絶対値とは、数値の正負を無視してその大きさだけを返すものです。例えば、-10という数値の絶対値は「10」になります。絶対値を求めることで、負の数を正の数に変えることができ、数値の大きさだけを知りたい場合に便利です。
書式
=ABS(数値)
- 数値: 絶対値を求めたい数値、または数値が含まれているセルを指定します。負の数でも正の数でも構いません。
例
INT関数
INT関数は、指定した数値を小数点以下を切り捨てて最も近い整数にするための関数です。これは、正の数でも負の数でも、小数部分を無視してその数値を下方向に丸めます。例えば、「3.7」をINT関数で処理すると「3」、また「-3.7」を処理すると「-4」が返されます。切り捨てたいときに便利です。
書式
=INT(数値)
- 数値: 小数部分を切り捨てたい数値、または数式やセル参照を指定します。
例
ROUND関数
ROUND関数は、数値を指定した桁数で四捨五入するための関数です。小数点以下の桁数を指定して、数値を四捨五入して丸めることができます。たとえば、3.14159を小数点以下2桁に四捨五入すると「3.14」になります。数値の精度を調整したいときに便利な関数です。
書式
=ROUND(数値, 桁数)
- 数値: 四捨五入したい数値、または数式やセル参照を指定します。
- 桁数: 四捨五入をする小数点以下の桁数を指定します。
- 正の値を指定すると、小数点以下の桁を四捨五入します(例: 小数点以下2桁)。
- 0を指定すると、整数部分で四捨五入します。
- 負の値を指定すると、整数部分の桁で四捨五入します(例: 十の位や百の位など)。
例
ROUNDDOWN関数
ROUNDDOWN関数は、指定した桁数で数値を切り捨てるためのExcel関数です。これは四捨五入ではなく、常に下方向に丸める(小さな値にする)動作をします。たとえば、「3.678」を小数点以下2桁でROUNDDOWNすると「3.67」になります。切り捨てたい場合や、数値を下方向に丸めて正確に管理したいときに便利です。
書式
=ROUNDDOWN(数値, 桁数)
- 数値: 切り捨てたい数値、またはセル参照や数式を指定します。
- 桁数: 小数点以下または整数の桁数を指定します。
- 正の値を指定すると、小数点以下の桁で切り捨てます。
- 0を指定すると、整数部分のみを残して切り捨てます。
- 負の値を指定すると、整数部分を指定した桁数で切り捨てます。
例
ROUNDUP関数
ROUNDUP関数は、指定した桁数で数値を切り上げるための関数です。これは四捨五入とは異なり、常に上方向に丸める(大きな値にする)動作をします。たとえば、「3.14159」を小数点以下2桁でROUNDUPすると「3.15」になります。切り上げて数値を管理したい場合や、計算結果を大きくしたいときに便利です。
書式
=ROUNDUP(数値, 桁数)
- 数値: 切り上げたい数値、またはセル参照や数式を指定します。
- 桁数: 切り上げる小数点以下または整数の桁数を指定します。
- 正の値を指定すると、小数点以下の桁で切り上げます。
- 0を指定すると、整数部分で切り上げます。
- 負の値を指定すると、整数部分の指定した桁数で切り上げます(十の位や百の位など)。
例
ひと言
- ROUND関数、ROUNDDOWN関数、ROUNDUP関数の考察
ROUND関数は四捨五入、ROUNDDOWN関数は切り捨て、ROUNDUP関数は切り上げという違いがありますが、書式は同じです。セットで覚えると良いでしょう。
また、桁数の指定で考え方が逆になる方もいらっしゃると思います。元々小数点の桁数調整のために作られた関数であると考えると整数の桁数(十の位や百の位など)の指定がマイナスになるということにも頷けるのではと思います。
SUM関数
SUM関数は、指定した範囲や数値の合計を計算するための基本的な関数です。複数のセルや数値を簡単に足し合わせることができるので、日常的な計算や集計に広く使われます。例えば、セル範囲「A1:C1」に入っている数値の合計を一度に計算して表示することができます。
書式
=SUM(数値1, [数値2], …)
- 数値1: 合計を計算したい数値、セル、または範囲を指定します。必須の引数です。
- [数値2]: 任意の追加の数値やセル範囲を指定できます。複数のセルや数値をまとめて合計できます。省略可能です。
例
SUMIF関数
SUMIF関数は、指定した条件に合うセルの数値を合計するための関数です。通常のSUM関数とは異なり、特定の条件を満たすデータだけを合計したいときに使います。例えば、売上リストから特定の商品だけの合計売上を計算することができます。特定の基準で絞り込んでから合計するため、分析や集計作業に便利です。
書式
=SUMIF(範囲, 条件, [合計範囲])
- 範囲: 条件をチェックするセル範囲を指定します。この範囲内のセルが条件に合うかどうかが判断されます。
- 条件: 合計したいセルを決定する基準です。数値、文字列、比較演算子などを使って条件を指定します。例: “100”, “>50”, “apple” など。
- 合計範囲: (任意) 実際に合計する数値が入っているセル範囲を指定します。省略すると、範囲と同じセル範囲が合計対象になります。
「もし範囲の中が条件に合致するならば、合致した範囲(または合計範囲)の和を計算する」となります。
範囲が文字列“apple”, “orange”, “apple”, “banana”とあって、その下の段に“100”, “200”, “300”, “450”とある場合、条件が“apple”のとき、合計範囲を下の段に指定すると、和は“400”となります。
例
SUMIFS関数
SUMIFS関数は、複数の条件に合致するセルの数値を合計するための関数です。SUMIF関数が1つの条件で合計を行うのに対し、SUMIFS関数では複数の条件を指定でき、それぞれの条件を満たすデータだけを合計できます。たとえば、売上データから特定の地域や期間、商品カテゴリーなどの条件を組み合わせて合計を出すことができます。
書式
=SUMIFS(合計範囲, 条件範囲1, 条件1, [条件範囲2, 条件2], …)
- 合計範囲: 合計する数値が入っているセル範囲です。実際に合計したいデータを指定します。
- 条件範囲1: 最初の条件をチェックするセル範囲を指定します。
- 条件1: 条件範囲1に対して指定する条件です。数値、文字列、比較演算子などを使って条件を指定します。
- [条件範囲2, 条件2]: (任意) 追加の条件範囲と条件です。2つ目以降の条件を指定し、複数条件でフィルタリングします。
ポイント:SUMIF関数の範囲と合計範囲の順番が逆になっているところに注目です。
「もし条件範囲の中が条件に合致するならば、合致した合計範囲の和を計算する」となります。
条件範囲1が文字列“apple”, “apple”, “apple”, “banana”とあって、条件範囲2が文字列“特上”, “並”, “特上”, “特上”となっていて、さらにその下の段に“100”, “200”, “300”, “450″とある場合、条件1が“apple”で条件2が“特上”のとき、合計範囲を数値の段に指定すると、和は“400”となります。(ややこしくてすみません。例を見て理解していただければと思います。)
例
ひと言
- SUMIF関数とSUMIFS関数の考察
SUMIF関数と、SUMIFS関数では、範囲(条件範囲)と合計範囲の記述する順番が逆になっています。
SUMIF関数、SUMIFS関数ともに、使うパラメーターは範囲(=条件範囲)、合計範囲、条件の3つのみとシンプルに考えられます。
TRUNC関数
TRUNC関数は、指定した桁数で数値を切り捨てるための関数です。切り捨てとは、小数点以下の部分を単純に取り除くことを意味します。この関数は、四捨五入のように数値を丸めるのではなく、指定された桁数の後の数字を無視して取り除きます。たとえば、「3.14159」を小数点以下2桁でTRUNCすると「3.14」になります。小数を完全に切り捨てたい場合や、特定の桁数に制限した数値が必要な場合に便利です。
書式
=TRUNC(数値, [桁数])
- 小数点以下を切り捨てる: 小数点以下の桁数を指定し、その桁数以降の部分を切り捨てます。桁数を指定しない場合は、整数部分のみが残ります。
- 例: =TRUNC(3.14159, 2) → 結果は「3.14」。
- 例: =TRUNC(3.14159) → 結果は「3」(小数点以下すべてを切り捨て)。
- 整数部分の切り捨ても可能: 桁数に負の値を指定することで、整数部分も切り捨てられます。
- 例: =TRUNC(1234.567, -2) → 結果は「1200」(百の位までの数値を残す)。
例
ひと言
- ROUNDDOWN関数とTRUNC関数の考察
似ている点:どちらも小数点の切り捨てができます。
異なる点:ROUNDDOWN関数は数値を特定の桁数で切り捨てて丸める関数です。一方、TRUNC関数は数値を指定した桁数で取り除く関数で、丸めず単純に不要な桁を省きたいときに使用します。
この違いが、試験で出ることがあるかも知れませんので、TRUNC関数もしっかりと覚えておきましょう。
関数の分類(統計)
AVERAGE関数
AVERAGE関数は、指定した範囲や数値の平均(算術平均)を計算する関数です。平均を求めるとは、複数の数値を合計して、データの個数で割った値を求めることです。たとえば、テストの点数や売上の平均を求めるときに便利です。入力した数値のばらつきをならして、一般的な傾向や中心値を把握できます。
書式
=AVERAGE(数値1, [数値2], …)
- 数値1: 平均を求めるための最初の数値、セル参照、または範囲です。必須の引数です。
- [数値2]: (任意) 他の追加の数値やセル範囲を指定できます。複数のセルを含めて平均を計算できます。
例
AVERAGEA関数
AVERAGEA関数は、数値だけでなく、文字列やTRUE/FALSEなどの異なるデータ型を含むセル範囲の平均を計算するための関数です。通常のAVERAGE関数は数値のみを考慮しますが、AVERAGEA関数はセルの中身が文字列や論理値であっても計算に含みます。例えば、TRUEは「1」、FALSEや空白セルは「0」として扱われるため、データが混在していても正確な平均値を求めたい場合に役立ちます。
書式
=AVERAGEA(数値1, [数値2], …)
- 数値1: 平均を計算したい最初の値、セル、または範囲です。数値だけでなく、文字列やTRUE/FALSEなども指定可能です。
- [数値2]: (任意) 他の追加の数値やセル範囲を指定します。
例
ひと言
TRUEは「1」、FALSEは「0」として計算に加わります。文字列は「0」として計算に加わります。空白セルも「0」として扱われますが、セルに空白もなにもない状態のセルは計算から除外されます。
もちろん、数字はそのまま数字として扱われます。
AVERAGEIF関数
AVERAGEIF関数は、指定した条件に合致するセルの数値だけを対象に平均を計算する関数です。条件を指定することで、特定のデータに絞って平均を求めることができます。例えば、「売上が100以上のデータだけ」や「特定の商品カテゴリーの平均」を計算したい場合に便利です。
書式
=AVERAGEIF(範囲, 条件, [平均範囲])
- 範囲: 条件をチェックするセル範囲です。条件に基づいて、どのセルが平均対象になるかを指定します。
- 条件: 条件を指定します。数値、文字列、比較演算子を使って、平均を求めるための基準を決めます。(比較演算子は「”(ダブルクオーテーション)」で囲む必要があります)
- [平均範囲]: (任意) 実際に平均を取りたい数値が入っている範囲を指定します。この引数を省略した場合、範囲の中から条件に合致する数値が使われます。
例
AVERAGEIFS関数
AVERAGEIFS関数は、複数の条件を指定して、それに一致するセルの数値の平均を計算する関数です。指定した範囲に対し、「部門が〇〇かつ売上が100以上」のように、複数の条件を同時に満たすデータのみを対象にした平均を求められます。例えば、特定の地域や製品カテゴリー、売上条件など、さまざまな条件を組み合わせて平均を求めたい場合に役立ちます。
書式
=AVERAGEIFS(平均範囲, 条件範囲1, 条件1, [条件範囲2, 条件2], …)
- 平均範囲: 条件に合致するセルの平均を計算する対象範囲です。
- 条件範囲1: 条件1が適用される範囲で、最初の条件の対象になるセル範囲です。
- 条件1: 条件範囲1に対して適用する条件。数値、文字列、比較演算子を使用して設定します。
- [条件範囲2, 条件2]: (任意) 2つ目以降の条件の範囲とその条件を設定できます。複数の条件を追加し、全ての条件に合致したセルの平均が求められます。
例
ひと言
- AVERAGEIFとAVERAGEIFSの考察
AVERAGEIF関数では任意となっていた平均範囲が、AVERAGEIFS関数では必須となり省略不可となっています。
AVERAGEIF関数では範囲(=条件範囲)、条件、平均範囲という順ですが、AVERAGEIFS関数では平均範囲、条件範囲、条件という順番になっています。これはAVERAGEIF関数では平均範囲を略すことができるためです。
AVERAGEIF関数、AVERAGEIFS関数ともに、平均範囲、条件範囲、条件の3つの条件があれば式が成立します。
COUNT関数
COUNT関数は、指定した範囲内で「数値が入力されているセルの個数」を数える関数です。数値以外(文字列や空白、エラー値など)のセルはカウントしません。例えば、売上データが入力された範囲の数値がいくつあるかを確認したいときに便利です。
書式
=COUNT(値1, [値2], …)
- 値1: カウントしたい最初のセルまたは範囲を指定します。
- [値2]: (任意) 追加でカウントしたいセルや範囲を指定できます。複数の範囲やセルを指定することで、離れた位置にある数値セルの数を一度に数えることが可能です。
例
COUNTA関数
COUNTA関数は、指定した範囲内で「空白でないセルの個数」を数える関数です。数値、文字列、エラー、論理値(TRUE/FALSE)など、空白でないすべてのセルをカウントします。例えば、アンケートの回答が記入されているセルの数や、データ入力されているセルの数を知りたいときに便利です。
書式
=COUNTA(値1, [値2], …)
- 値1: カウントしたい最初のセルまたは範囲を指定します。
- [値2]: (任意) 追加でカウントしたいセルや範囲を指定できます。複数のセルや範囲を指定することで、異なる位置にあるデータが入力されているセルの数をまとめてカウント可能です。
例
COUNTIF関数
COUNTIF関数は、指定した範囲内で「特定の条件に合うセルの個数」を数える関数です。たとえば、指定した範囲内で「売上が100以上のセルの数」や「特定の商品名が入力されているセルの数」を数えたい場合に便利です。
書式
=COUNTIF(範囲, 条件)
- 範囲: 条件を確認したいセルの範囲を指定します。
- 条件: カウント対象の基準となる条件を指定します。数値、文字列、または比較演算子を使った条件(例:「=100」、「>50」、「”apple”」)などを指定します。
例
COUNTIFS関数
COUNTIFS関数は、複数の条件を同時に満たすセルの個数を数える関数です。たとえば、「地域が東京かつ売上が100以上」のように、複数の条件に合うデータだけを対象にセルの数をカウントしたいときに便利です。条件をいくつも組み合わせて、条件に合うデータの数を柔軟に把握できます。
書式
=COUNTIFS(条件範囲1, 条件1, [条件範囲2, 条件2], …)
- 条件範囲1: 最初の条件を確認するセル範囲を指定します。
- 条件1: 条件範囲1に対して適用する条件です。数値、文字列、または比較演算子を使った条件(例:「=100」、「>50」、「”東京”」など)を指定します。
- [条件範囲2, 条件2]: (任意) 2つ目以降の条件の範囲と条件を指定できます。複数の条件を追加して、全ての条件に合致するセルのみをカウントします。
例
ひと言
- COUNTIF関数とCOUNTIFS関数の考察
COUNTIF関数とCOUNTIFS関数ともに、範囲(=条件範囲)、条件という2の引数を使います。
COUNTIFS関数は、複数の条件範囲と条件を使ってカウント数を絞り込むことができます。
LARGE関数
LARGE関数は、指定した範囲の中から「n番目に大きい値」を取得する関数です。たとえば、「売上トップ3の値」や「点数が高い順に上位のスコア」などを求めるときに便利です。大きい順にランク付けしてデータを抽出したいときに役立ちます。
書式
=LARGE(配列, 順位)
- 配列: 大きい順に値を取得したいデータの範囲を指定します。
- 順位: 配列の中で何番目に大きい値を取得するかを指定します。「1」を指定すると最大値、「2」なら2番目に大きい値を取得します。
例
MAX関数
MAX関数は、指定した範囲内で「最も大きい値(最大値)」を取得する関数です。たとえば、売上データの中で最高売上を知りたいときや、テストの最高点を確認したいときに便利です。データの中で一番大きな値を簡単に見つけることができます。
書式
=MAX(数値1, [数値2], …)
- 数値1: 最大値を求めたい最初のセルまたは範囲を指定します。
- [数値2]: (任意) 追加で指定するセルや範囲です。複数のセルや範囲を指定することで、離れた位置にある数値も含めて最大値を求められます。
例
MAXA関数
MAXA関数は、指定した範囲内で「最も大きい値(最大値)」を取得する関数ですが、数値以外のデータも含めて評価します。MAX関数とは異なり、TRUEは1として、FALSEや空白は0として扱うため、論理値が含まれるデータでも最大値を求めることができます。たとえば、データにTRUEやFALSEが含まれている場合でも、それを考慮して最大値を計算したいときに便利です。
書式
=MAXA(数値1, [数値2], …)
- 数値1: 最大値を求めたい最初のセルまたは範囲を指定します。
- [数値2]: (任意) 追加で指定するセルや範囲です。複数のセルや範囲を指定することで、離れた位置にあるデータも含めて最大値を求められます。
例
ひと言
- MAX関数とMAXA関数の考察
MAX関数と違い、MAXA関数では数値以外の文字列(0)、TRUE(1)やFALSE(0)といったものも対象となります。
MAXIFS関数
MAXIFS関数は、指定した複数の条件を満たすデータの中から「最大値」を取得する関数です。たとえば、「地域が東京で、売上が100以上の中での最大売上」など、特定条件に合致するデータの中で最大値を求めたい場合に便利です。複数の条件を組み合わせて柔軟にデータを抽出し、その中で一番大きな数値を見つけることができます。
書式
=MAXIFS(範囲, 条件範囲1, 条件1, [条件範囲2, 条件2], …)
- 範囲: 最大値を求めたいデータのセル範囲を指定します。
- 条件範囲1: 条件を適用する最初のセル範囲を指定します。
- 条件1: 条件範囲1に適用する条件を指定します(例:「東京」、「>100」など)。
- [条件範囲2, 条件2]: (任意) 追加で指定する条件範囲と条件です。複数の条件を追加でき、全ての条件に合致するデータの最大値を求めます。
例
ひと言
- MAXIF関数がなぜないかについての考察
いままで〇〇IF関数と〇〇IFS関数というものがセットで出てきたと思います。なぜ、MAXIF関数は無いのでしょうか?それは、MAXIF関数がMAX関数とIF関数の組み合わせで代用可能だからです。
MEDIAN関数
MEDIAN関数は、指定した数値の範囲から「中央値」を求める関数です。中央値は、データを大きさの順に並べたとき、真ん中にくる値を指します。データのばらつきを抑えた代表値として使いたい場合に便利で、特に極端な値(外れ値)が影響しない平均的な値を把握したいときに役立ちます。
書式
=MEDIAN(数値1, [数値2], …)
- 数値1: 中央値を求めたい最初の数値やセル範囲を指定します。
- [数値2]: (任意) 追加の数値や範囲を指定できます。複数のセルや範囲を指定することで、さまざまなデータから中央値を計算できます。
例
MIN関数
MIN関数は、指定した範囲やセルの中から「最も小さい値(最小値)」を取得する関数です。たとえば、テストの最低点や売上データの中での最低売上を知りたいときに便利です。データの中で一番小さな値を簡単に見つけることができます。
書式
=MIN(数値1, [数値2], …)
- 数値1: 最小値を求めたい最初の数値やセル範囲を指定します。
- [数値2]: (任意) 追加の数値や範囲を指定できます。複数のセルや範囲を指定することで、離れた位置にある数値も含めて最小値を求められます。
例
MINA関数
MINA関数は、指定した範囲やセルの中から「最も小さい値(最小値)」を取得する関数ですが、数値以外のデータも考慮して計算します。特に、論理値のTRUEを1、FALSEや空白を0として扱うため、数値のほかに論理値が含まれているデータの中で最小値を求めたいときに便利です。MIN関数とは異なり、TRUEやFALSEなどが含まれる範囲でも正確な最小値が取得できます。
書式
=MINA(数値1, [数値2], …)
- 数値1: 最小値を求めたい最初のセルや範囲を指定します。
- [数値2]: (任意) 追加で指定するセルや範囲です。複数のセルや範囲を指定することで、さまざまな場所のデータを含めて最小値を求められます。
例
ひと言
- MIN関数とMINA関数の考察
MAX関数と同様に、MIN関数と違い、MINA関数では数値以外の文字列(0)、TRUE(1)やFALSE(0)といったものも対象となります。
MINIFS関数
MINIFS関数は、指定した複数の条件を満たすデータの中から「最も小さい値(最小値)」を取得する関数です。例えば、「地域が東京で、売上が100以上の中での最低売上」など、特定の条件に合うデータの中で最小値を求めたい場合に便利です。複数条件を使って、条件に合うデータの最小値を見つけられるため、条件付きでデータの分析が簡単になります。
書式
=MINIFS(範囲, 条件範囲1, 条件1, [条件範囲2, 条件2], …)
- 範囲: 最小値を求めたいデータのセル範囲を指定します。
- 条件範囲1: 条件を適用する最初のセル範囲を指定します。
- 条件1: 条件範囲1に適用する条件を指定します(例:「東京」、「>=100」など)。
- [条件範囲2, 条件2]: (任意) 追加の条件範囲と条件です。複数の条件を追加でき、すべての条件に合致するデータの最小値を求めます。
例
ひと言
- MINIF関数がなぜないかについての考察
いままで〇〇IF関数と〇〇IFS関数というものがセットで出てきたと思います。これもMAXIF関数と同様に、MINIF関数がMIN関数とIF関数の組み合わせで代用可能だからです。
RANK.AVG関数
RANK.AVG関数は、指定した数値の「順位」を求める関数です。RANK.AVG関数の特徴は、順位が同じ数値がある場合、その平均順位を返すことです。たとえば、同じ点数が複数あっても、その順位の平均をとって重複順位が割り当てられます。順位の競り合いがあるデータセットで、公平な順位づけを行いたいときに便利です。
書式
=RANK.AVG(数値, 範囲, [順序])
- 数値: 順位を求めたい数値を指定します。
- 範囲: 順位を計算するために使用するセル範囲を指定します。RANK.AVG関数は、この範囲内で数値が何位かを計算します。
- [順序]: (任意) 順位の順序を指定します。0または省略すると「降順(大きい数値が1位)」になり、1を指定すると「昇順(小さい数値が1位)」で順位が決まります。
例
RANK.EQ関数
RANK.EQ関数は、指定した数値がリスト内で何位に位置するかを求める関数です。RANK.AVG関数とは異なり、同じ数値が複数ある場合でも、最も上位の順位をそのまま返すのが特徴です。たとえば、同じ点数の人が複数いた場合、全員が同じ順位を得て、その順位の平均は取られません。データ内の数値の大小を比較したいときに使いやすい関数です。
書式
=RANK.EQ(数値, 範囲, [順序])
- 数値: 順位を求めたい数値を指定します。
- 範囲: 順位を計算するためのデータ範囲を指定します。RANK.EQ関数は、この範囲内で数値が何位かを判定します。
- [順序]: (任意) 順位の順序を指定します。0または省略すると「降順(大きい数値が1位)」となり、1を指定すると「昇順(小さい数値が1位)」として計算されます。
例
ひと言
- RANK.AVG関数とRANK.EQ関数の考察
例のようにB20:E20が”100″, “200”, “200”, “450”という範囲での順位を求める際に、RANK.AVG関数では4位, 2.5位, 2.5位, 1位と、2位と3位の平均をとった順位が付きますが、RANK.EQ関数では4位, 2位, 2位, 1位と、2位が2つ存在するという順位になります。
使い勝手が良いのは、RANK.EQ関数だと思います。
0または省略すると「降順(大きい数値が1位)」ここ、テストに出がちです。
SMALL関数
SMALL関数は、指定した範囲内で「n番目に小さい値」を取得する関数です。たとえば、最小値だけでなく、2番目、3番目に小さい値を簡単に取得できるため、順位別にデータを確認したい場合に便利です。最も小さい値や上位の小さい値を順番にリストアップする際に使われます。
書式
=SMALL(範囲, 順位)
- 範囲: 小さい値を探したいセル範囲を指定します。
- 順位: 指定した範囲内で「何番目に小さい値」を取得するかを指定します(例:1で最小値、2で2番目に小さい値)。
例
ひと言
- LARGE関数とSMALL関数の考察
LARGE関数とSMALL関数は「何番目に大きいか」「何番目に小さいか」を求めるという点での違いこそあれ、どちらも順位を求めるための関数です。セットで覚えておくとよいでしょう。
関数の分類(検索/行列)
CHOOSE関数
CHOOSE関数は、指定したリストの中から「番号」に対応する値を返す関数です。たとえば、番号に応じて特定のデータや値を簡単に選び出せるため、リストや複数の選択肢から条件に応じて1つの値を選びたいときに便利です。月ごとに違うデータを表示したり、特定の条件に応じた結果を表示するときに使いやすい関数です。
書式
=CHOOSE(インデックス番号, 値1, [値2], [値3], …)
- インデックス番号: リストの中で選びたい値の番号を指定します(1で「値1」、2で「値2」、といったように選ばれます)。
- 値1: 選択肢の最初の値を指定します。
- [値2], [値3], …: (任意) 追加の選択肢です。複数の値を指定することで、条件に応じてさまざまな値から選べます。
例
FORMULATEXT関数
FORMULATEXT関数は、指定したセルに入力されている「数式」をテキストとして返す関数です。通常、数式の結果がセルに表示されますが、FORMULATEXT関数を使うとそのセルの数式自体を表示することができます。作成した数式を他の人に説明したり、シート内で数式の内容を確認したいときに役立ちます。
書式
=FORMULATEXT(参照)
- 参照: 数式を確認したいセルの参照を指定します。指定したセルの数式がテキストとして返されます。
例
ひと言
代用の方法として、「=”参照”」とすることでも同様の表示ができますが、参照元の式が変わった際にはFORMULATEXT関数を使用していたほうが、修正作業が入らなくて済むので便利です。
HLOOKUP関数
HLOOKUP関数は、表や範囲の「行」から指定した値を検索し、見つかった値に対応するデータを取得する関数です。たとえば、上から横に並んだデータから特定の条件に合った値を探し、その下の行にある対応するデータを取得したいときに便利です。横向きのデータセットから情報を抽出するときに役立ちます。
書式
=HLOOKUP(検索値, 範囲, 行番号, [検索の型])
- 検索値: 検索したい値を指定します。範囲の最上行にあるデータと照合されます。
- 範囲: 検索の対象範囲(テーブル範囲)を指定します。検索値がこの範囲の最上行で見つかったとき、指定した行番号のデータが返されます。
- 行番号: 検索値が見つかった場合に返したい行の番号を指定します(最上行を1とカウントします)。
- [検索の型]: (任意) 完全一致を探す場合は「FALSE」または「0」を、近似一致を探す場合は「TRUE」または「1」を指定します(省略時はTRUE)。
例
ひと言
HLOOKUP関数と言ったら、横の表!
MATCH関数
MATCH関数は、指定した範囲内で「検索したい値」が見つかった位置(インデックス)を返す関数です。MATCH関数自体は値を返すのではなく、その値が見つかった「位置」を教えてくれるため、特定の値がリストや表のどこにあるか確認したり、他の関数と組み合わせて使う際に便利です。
書式
=MATCH(検索値, 範囲, [検索の型])
- 検索値: 検索したい値を指定します。範囲内でこの値を探します。ワイルドカードを使用することもできます。
- 範囲: 検索を行うセル範囲を指定します。範囲は、MATCH関数が「検索値」を探す場所です。
- [検索の型]: (任意) 検索の方法を指定します。
- 1または省略: 範囲が昇順に並んでいる場合、検索値「以下」で最大の値を返します。
- 0: 完全一致を探します。範囲が昇順でなくても使えます。
- -1: 範囲が降順に並んでいる場合、検索値「以上」で最小の値を返します。
例
ひと言
[検索の型]ですが、2級の問題で出題される場合には、まず間違いなく0が割り当てられると考えます。なぜなら、HLOOKUP関数の問題でもVLOOKUP関数の問題でも、「完全一致」で検索しなさいという出題のされ方をされますし、なにより、それ以外だと考え方が面倒くさいからです!!
よくINDEX関数やCHOOSE関数と合わせて使用されることがあります。
VLOOKUP関数
VLOOKUP関数は、表や範囲の「縦方向」で指定した値を検索し、見つかった値に対応するデータを取得する関数です。例えば、商品名や社員番号などで検索して、その隣の列にある価格や部署名などを簡単に取り出せます。縦向きのデータセットから関連情報を引き出したいときに役立つ関数です。
書式
=VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, [検索の型])
- 検索値: 検索したい値を指定します。範囲の左端列でこの値を探します。
- 範囲: 検索の対象範囲(テーブル範囲)を指定します。VLOOKUPはこの範囲の左端列で検索値を探し、指定した列番号のデータを返します。
- 列番号: 返したいデータがある列の番号を指定します(範囲の左端を1列目として数えます)。
- [検索の型]: (任意) 完全一致を探す場合は「FALSE」または「0」を、近似一致を探す場合は「TRUE」または「1」を指定します(省略時はTRUE)。
例
ひと言
VLOOKUP関数と言ったら、縦の表!
- HLOOKUP関数とVLOOKUP関数の考察
HLOOKUP関数といえば横の表、VLOOKUP関数といえば縦の表と覚えましょう。
HLOOKUP関数の「H」はHorizontal(水平)を意味し、VLOOKUP関数の「V」はVertical(垂直)を意味します。
試験では[検索の型]は、FALSE=完全一致で出題されます。
関数の分類(データベース)
DAVERAGE関数
DAVERAGE関数は、データベース内で指定した条件に合う数値の平均を計算する関数です。条件付きの平均を求めたいときに便利で、特定の条件を満たすレコードの値だけを対象に平均値を計算します。例えば、売上リストから「特定の地域での売上平均」や「ある期間の平均売上」を求めたい場合に使われます。
書式
=DAVERAGE(データベース, フィールド, 条件)
- データベース: テーブル全体の範囲を指定します。最初の行には項目名(見出し)が含まれている必要があります。
- フィールド: 平均を求めたい項目名を指定します。項目名は文字列で直接指定するか、対象の列番号を入力します。
- 条件: 平均を求めるための条件を指定します。条件範囲には項目名と条件が含まれており、条件を満たすレコードのみが対象となります。
例
DCOUNT関数
DCOUNT関数は、データベース内で指定した条件に合う数値データの「件数」を数える関数です。特定の条件を満たすセルの中で、数値データが入力されているセルだけをカウントします。例えば、売上データリストから「特定の商品が販売された回数」や「ある地域での販売回数」を数えたいときに便利です。
書式
=DCOUNT(データベース, フィールド, 条件)
- データベース: データベース範囲を指定します。最初の行には各列の項目名が含まれている必要があります。
- フィールド: カウントしたい項目(列)を指定します。項目名を文字列で入力するか、対象の列番号を指定できます。
- 条件: カウントの条件を指定します。条件範囲には項目名と条件が含まれており、条件を満たすレコードがカウント対象になります。
例
DCOUNTA関数
DCOUNTA関数は、データベース内で指定した条件に合うデータの「件数」を数える関数です。DCOUNT関数と似ていますが、数値だけでなく文字や空白でないすべてのデータをカウントする点が異なります。たとえば、ある条件に合うデータの数や、売上リストから特定の商品がいくつの店舗で扱われているかを確認したいときに便利です。
書式
=DCOUNTA(データベース, フィールド, 条件)
- データベース: データベースの範囲を指定します。最初の行には各列の項目名が含まれている必要があります。
- フィールド: カウントしたい項目(列)を指定します。カウント対象とする項目名を文字列で入力するか、対象列の番号を指定します。
- 条件: カウントの条件を指定します。条件範囲には項目名と条件が含まれており、条件を満たすレコードがカウント対象になります。
例
ひと言
- DCOUNT関数とDCOUNTA関数の考察
DCOUNT関数は数字をカウントし、DCOUNTA関数は文字もカウントできるという違いがあります。
DMAX関数
DMAX関数は、データベース内で指定した条件に合うデータの中から最大値を取得する関数です。例えば、売上データのリストから「特定の地域での最大売上額」や「ある商品カテゴリーの最高価格」を簡単に求めたいときに使えます。条件を指定してデータの最大値を求める際に便利です。
書式
=DMAX(データベース, フィールド, 条件)
- データベース: データベース全体の範囲を指定します。最初の行には各列の項目名(見出し)が必要です。
- フィールド: 最大値を求めたい項目(列)を指定します。項目名を文字列で入力するか、対象列の番号を指定します。
- 条件: 最大値を求める条件を指定します。条件範囲には項目名と条件が含まれており、この条件に一致するレコードの中から最大値が求められます。
例
DMIN関数
DMIN関数は、データベース内で指定した条件に合うデータの中から最小値を取得する関数です。例えば、販売データから「特定の地域での最小売上額」や「特定の製品カテゴリの最低価格」を調べたいときに便利です。条件に合ったデータの最小値を見つけるために使用されます。
書式
=DMIN(データベース, フィールド, 条件)
- データベース: データベース全体の範囲を指定します。最初の行には各列の項目名が必要です。
- フィールド: 最小値を求めたい項目(列)を指定します。対象項目名を文字列で指定するか、対象列の番号を入力します。
- 条件: 最小値を求める条件を指定します。条件範囲には項目名と条件が含まれ、この条件に一致するレコードの中から最小値が返されます。
例
DSUM関数
DSUM関数は、データベース内で指定した条件に合うデータの合計を求める関数です。例えば、売上データのリストから「特定の地域での売上合計」や「ある商品の売上合計」を計算したいときに便利です。条件を指定することで、その条件に一致するレコードの合計を簡単に求めることができます。
書式
=DSUM(データベース, フィールド, 条件)
- データベース: データベース全体の範囲を指定します。最初の行には各列の項目名が含まれている必要があります。
- フィールド: 合計を求めたい項目(列)を指定します。項目名を文字列で入力するか、対象列の番号を指定します。
- 条件: 合計を求めるための条件を指定します。条件範囲には項目名と条件が含まれ、この条件に一致するレコードのみが合計対象になります。
例
ひと言
データベース関数はすべてデータベース、フィールド、条件の3つを指定するという共通点があります。データベースがどれで、フィールドにどれを指定し、条件はどこを見ればよいかということを覚えればあとは楽勝です。
データベースが縦の場合は条件は縦、データベースが横の場合は条件は横となります。例の場合、データベースは縦、条件は縦となっています。
関数の分類(文字列操作)
LEN関数
LEN関数は、指定した文字列の「文字数」を数えて返す関数です。たとえば、「Excel」という文字列なら5文字なので「5」を返します。セル内の文字数を確認したい場合や、長さに応じた処理をしたい場合に役立ちます。
書式
=LEN(文字列)
- 文字列:文字数を調べたい文字列を指定します。セル参照も可能です。
例
MID関数
MID関数は、文字列の中から指定した位置の部分だけを取り出すために使う関数です。たとえば、「パソコン」という文字列から「ソコ」の部分だけを取り出すことができます。特定の位置にある文字や文字列だけを抜き出したいときに便利です。
書式
=MID(文字列, 開始位置, 文字数)
- 文字列:対象となる文字列を指定します。セル参照も可能です。
- 開始位置:取り出しを始める文字の位置を指定します。最初の文字は1番目です。
- 文字数:取り出したい文字の数を指定します。
例
REPT関数
REPT関数は、指定した文字列を指定回数だけ繰り返して表示するための関数です。たとえば、「*」や「-」を指定した回数分だけ並べてグラフのように見せたり、特定の文字列を繰り返し使って視覚的に見やすくしたりしたいときに役立ちます。
書式
=REPT(文字列, 繰り返し回数)
- 文字列:繰り返したい文字列を指定します。セル参照も可能です。
- 繰り返し回数:指定した文字列を何回繰り返すかを設定します。
例
RIGHT関数
RIGHT関数は、文字列の「右端から指定した文字数」だけを取り出す関数です。たとえば、「12345」という文字列から最後の2文字を取り出して「45」にしたい場合に使います。特定の文字列の末尾部分を抜き出したいときに便利です。
書式
=RIGHT(文字列, 文字数)
- 文字列:右端から文字を取り出したい対象の文字列やセルを指定します。
- 文字数(省略可):右端から取り出したい文字の数を指定します。省略した場合、1文字が返されます。
例
TEXT関数
TEXT関数は、数値や日付などのデータを指定した形式で表示するための関数です。たとえば、数値「1234」を「1,234」とカンマ区切りで表示したり、日付「2024/01/01」を「2024年1月1日」の形式に変更することができます。表示形式を整えて見やすくしたいときに便利です。
書式
=TEXT(値, 書式)
- 値:形式を設定したい数値や日付を指定します。セル参照も可能です。
- 書式:表示形式を指定します。文字列として指定し、「#,##0」や「yyyy年m月d日」といったカスタム形式が使えます。
例
関数の分類(論理)
AND関数
AND関数は、指定した複数の条件がすべて「真(TRUE)」である場合に、結果として「真(TRUE)」を返す関数です。もし、条件のうち1つでも「偽(FALSE)」があると、結果は「偽(FALSE)」になります。たとえば、「売上が100以上で、顧客数が50以上」のように、複数の条件を同時に満たすかどうかを確認したいときに便利です。
書式
=AND(論理式1, 論理式2, …)
- 論理式1, 論理式2, …: 条件を表す論理式を指定します。2つ以上の論理式を指定できます。すべての論理式が「真(TRUE)」であれば、AND関数の結果は「真(TRUE)」になります。
例
IF関数
IF関数は、指定した条件が「真(TRUE)」か「偽(FALSE)」かを判定し、それに応じて異なる値や処理を返す関数です。例えば、ある数値が100以上なら「合格」、100未満なら「不合格」といったように、条件に応じて異なる結果を返すときに便利です。
書式
=IF(論理式, 真の場合の値, 偽の場合の値)
- 論理式: 検証したい条件を指定します。たとえば「A1 > 100」などです。
- 真の場合の値: 条件が「真(TRUE)」だった場合に返したい値を指定します。
- 偽の場合の値: 条件が「偽(FALSE)」だった場合に返したい値を指定します。
例
IFS関数
IFS関数は、複数の条件を順番に評価し、最初に「真(TRUE)」になった条件に対応する結果を返す関数です。IF関数を複数回重ねる必要があるときに、IFS関数を使えば簡潔に記述できます。例えば、得点に応じて「優」「良」「可」「不可」を判定したいときなど、複数条件を使う場面で便利です。
書式
=IFS(条件1, 結果1, 条件2, 結果2, …, 既定値の条件, 既定値の結果)
- 条件1, 条件2, …: 評価したい条件を順に指定します。条件が「真(TRUE)」の場合にその結果を返します。
- 結果1, 結果2, …: 各条件が「真(TRUE)」になったときに返す結果を指定します。
- 既定値の条件, 既定値の結果: すべての条件が満たされない場合に返す結果を設定します。多くの場合は TRUE と設定することで、すべての条件が「偽(FALSE)」の場合に既定の値が返されます。
条件の結果がどれにも当てはまらない場合、既定値の条件 TRUE が「既定値の結果」を返すと覚えてください。
例
ひと言
IFS関数よりも、後述するSWITCH関数のほうがシンプルで使いやすいです。
- IF関数とIFS関数の考察
IF関数はひとつの条件に対してひとつの結果を返し、IFS関数は複数の条件に対して複数の選択肢の中から、ひとつの結果を返します。
NOT関数
NOT関数は、指定した条件が「真(TRUE)」の場合に「偽(FALSE)」を、条件が「偽(FALSE)」の場合に「真(TRUE)」を返す関数です。つまり、条件の結果を反転させることができます。たとえば、「値が100未満である」という条件を反転して「100以上である」と判定する際に使えます。
書式
=NOT(論理式)
- 論理式: 検証したい条件を指定します。例えば「A1 >= 100」のように条件を入れます。
- 結果: 条件が「真(TRUE)」の場合に「偽(FALSE)」、条件が「偽(FALSE)」の場合に「真(TRUE)」が返されます。
例
OR関数
OR関数は、指定した複数の条件のうちいずれか1つでも「真(TRUE)」であれば「真(TRUE)」を返す関数です。すべての条件が「偽(FALSE)」の場合にのみ「偽(FALSE)」を返します。例えば、「売上が100以上、または顧客数が50以上」というように、複数の条件のうち1つでも満たされるかどうかを確認したいときに便利です。
書式
=OR(論理式1, 論理式2, …)
- 論理式1, 論理式2, …: 条件を表す論理式を指定します。複数の条件を指定できます。1つでも条件が「真(TRUE)」であれば、OR関数の結果は「真(TRUE)」になります。
例
SWITCH関数
SWITCH関数は、指定した値と一致する条件を検索し、その条件に対応する結果を返す関数です。複数の条件(ケース)を簡潔に設定でき、IF関数やIFS関数を使うよりもスッキリとした記述が可能です。例えば、テストの点数に応じて評価を「A」「B」「C」に振り分けるときなどに便利です。
書式
=SWITCH(式, 値1, 結果1, 値2, 結果2, …, 既定値)
- 式: 評価したい値を指定します。たとえばセル「A1」の値や数式を指定します。
- 値1, 値2, …: 式と一致するかを確認する値を順に指定します。
- 結果1, 結果2, …: 各値に一致した場合に返す結果を指定します。
- 既定値: すべての値に一致しなかった場合に返す結果(省略可能)を指定します。
例
ひと言
- IF関数とIFS関数とSWITCH関数の考察
IF関数は単体、IFS関数とSWITCH関数は複数の値を評価できます。
IFS関数と比較すると、式がスッキリするのがSWITCH関数のメリットです。
- 関数の分類(論理)の考察
AND関数、NOT関数、OR関数は、IF関数、IFS関数、SWITCH関数の中で使用されることが多い関数です。
関数の分類(情報)
ISBLANK関数
ISBLANK関数は、指定したセルが空かどうかを確認し、空であれば「真(TRUE)」、空でなければ「偽(FALSE)」を返す関数です。たとえば、データ入力漏れがないかを確認したり、セルが空の場合に別の処理を行うような条件を作成するときに便利です。
書式
=ISBLANK(セル)
- セル: 空かどうかを確認したいセルを指定します。
例
PHONETIC関数
PHONETIC関数は、指定したセルのふりがな(ルビ)を取得する関数です。特に日本語の漢字にふりがなが含まれている場合に、そのふりがな部分のみを取り出せます。たとえば、「山田 太郎」という文字列から「ヤマダ タロウ」といったふりがなを取り出して別のセルに表示する際に役立ちます。
書式
=PHONETIC(参照)
- 参照: ふりがなを取得したいセルを指定します。
例
関数の分類(エンジニアリング)
このジャンルからは恐らく出題されません。
これだけ覚えれば大丈夫!要点まとめ
- ROUND関数は四捨五入、ROUNDDOWN関数は切り捨て、ROUNDUP関数は切り上げ
- ROUNDDOWN関数は切り捨てて丸める、TRUNC関数は指定した桁数で取り除く
- 〇〇IF関数と〇〇IFS関数では、条件範囲と計算する範囲の順序が逆になっている
- 〇〇IF関数と〇〇IFS関数で使用する引数は、条件範囲、計算する範囲、条件の3つだけ
例外として、COUNTIFとCOUNTIFSは条件範囲と条件のみ - 〇〇A関数と最後に「A」付く関数は、数値だけでなく文字やTRUE・FALSEも判定する
- RANK.EQ関数は、順序を省略すると大きい順になる
- データベース関数は1つ覚えれば、使う引数は同じなので他も覚えやすい
- HLOOKUP関数とVLOOKUP関数の[検索の型]は、試験ではFALSE=完全一致で出る
- HLOOKUP関数の「H」はHorizontal(水平)を意味し、VLOOKUP関数の「V」はVertical(垂直)を意味する
- PHONETIC関数は文字列のふりがなを表示する
と、まとめてみました。
55個関数を覚えるのがつらい方は、このたった10個のポイントだけでも覚えておいてください。
最後に
いかがでしたでしょうか?
中には似た関数や、関連性のある関数もあり、紐づけしていけば覚えるのも苦ではないかと思います。満点合格を目指して頑張りましょう!
ではでは、参考までに。
おまけ
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