パソコンが突然起動しなくなったときや、何か不具合が起きたときに役立つのが「セーフモード」です。セーフモードは、必要最低限の機能だけでWindowsを立ち上げる特別な起動モードで、トラブルの原因を特定したり、問題を修正したりするときにとても便利です。
しかし、通常はセーフモードを使うには「起動中にF8キーを押す」など、少しコツが必要で、タイミングも難しく感じる方も多いでしょう。そこで今回は、Windowsのブートメニューにセーフモードを常に表示させて、簡単に選べるようにするコマンドとその方法をご紹介します。
ブートメニューにセーフモードを加える方法
Windows起動メニューにセーフモードを追加すると超便利
セーフモードをブートメニューに追加することで、再起動のたびに簡単にセーフモードを選択できるようになります。これにより、パソコンの不具合時でも焦らず対応できます。
なぜブートメニューに常設すべきなのか
通常、Windowsのセーフモードは緊急時に手動で呼び出す必要があります。しかし、最近のパソコンは高速起動機能があるため、F8キーを押すタイミングがとても難しくなっています。そのため、あらかじめセーフモードを起動メニューに追加しておくことで、緊急時に簡単に対応できるようになります。
方法 | 難易度 | メリット |
---|---|---|
毎回F8キーで起動 | 中 | 手軽だが成功率が低い |
設定アプリから手動変更 | 中 | 毎回操作が必要で手間がかかる |
コマンドで常設する方法 | 低 | 一度設定すれば毎回表示され便利 |
具体的な設定コマンドと手順を詳しく解説
以下の手順で、セーフモードをWindowsの起動メニューに追加することができます。
1. コマンドプロンプトを管理者として開く
- Windowsの検索バーに「cmd」と入力
- 「コマンドプロンプト」が表示されたら、右クリック → 「管理者として実行」
2. セーフモード用のブートエントリを追加
以下のコマンドを1行ずつ入力します。
bcdedit /copy {current} /d
"セーフモード
"
このコマンドを実行すると、「セーフモード」という名前の新しい起動項目が追加されます。すると「エントリID」が表示されます。次のステップでこのIDが必要になるので、コピーしておきましょう。
例:
エントリが正常にコピーされました。
新しい識別子: {xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx}
3. セーフモードのオプションを指定
先ほどコピーしたエントリIDを使って、次のように入力します。(※以下の {ID}
は自分のIDに置き換えてください)
bcdedit /set {ID} safeboot minimal
4. 起動メニューで選べるように設定を確認
念のため、次のコマンドで設定を確認します。
bcdedit
これで、再起動時に「通常のWindows」と「セーフモード」の2つが起動メニューに表示されるようになります。
実際の使用例:セーフモードが役立ったケース
ある日、筆者のパソコンで突然、起動後に画面が真っ暗になって操作ができなくなるトラブルが発生しました。普通の起動ではどうにもならず、セーフモードを使う必要がありました。しかし、F8キーでの起動に何度も失敗……。
そこで、このブートメニュー常設コマンドを使ってあらかじめセーフモードを追加しておいたところ、次回からは簡単にセーフモードに入れて、無事に原因を突き止めることができました。
設定後の見た目や使い勝手は?
設定後にパソコンを再起動すると、以下のような画面が表示されます。
Windows Boot Manager
--------------------
Windows 11
セーフモード
方向キー(↑ ↓)で選択し、Enterキーで起動するだけです。普段は通常のWindowsで起動し、問題が起きたときだけセーフモードを選べばOKです。
注意点:設定を戻したいときの方法も知っておこう
もしセーフモードの表示が不要になった場合は、以下のコマンドで削除できます。
bcdedit /delete {ID}
※{ID}は、セーフモードを追加したときに表示された識別子を使ってください。
また、ブートメニューの表示時間を短くしたい場合は、次のように入力して調整できます。
bcdedit /timeout 5
(5秒間表示されるという意味)
最後に
セーフモードは、いざというときに頼りになる機能です。しかし、使いこなすには事前の準備がとても大切です。今回ご紹介したように、コマンドを数行入力するだけで、セーフモードをブートメニューに常設できます。
以下は、今回ご紹介した設定の流れをまとめた表です。
ステップ | 内容 |
---|---|
1 | コマンドプロンプトを管理者で開く |
2 | セーフモードの起動エントリを追加 |
3 | safebootオプションを設定 |
4 | 設定を確認・再起動して表示確認 |
5 | 不要なら削除も可能 |
これで、突然のトラブルにも慌てずに対応できる準備が整います。パソコンが普段通り動いているうちに、ぜひ設定しておきましょう。

ではでは、参考までに。
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