令和7年ITパスポート学習記録~マーケティング編その①~

ITパスポート
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ITパスポートの勉強では、3文字の英語が多くでてきますね。キーワードも多く、覚えるのが大変です。

さて、本日からマーケティングに移っていきたいと思います。気合をいれて学習を頑張りたいと思います。

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ITパスポート学習記録~マーケティング編その①~

マーケティングとは

マーケティングとは

企業活動を行う上で売上を伸ばすためには、戦略的に物事を決める必要があります。マーケティングとは、売れる仕組みをつくる仕事です。企業の商品が顧客ニーズ期待にマッチするほど、マーケティングの価値は最大化されます。

企業活動編では、企業の目的が「利益の最大化」であることを学びました。
マーケティング編からは、より具体的に利益最大化のためのマーケティングの基礎を学んでいきます。

・市場

市場(マーケット)とは、売り手と買い手が、お金を介して商品を自由に売り買いする場です。私たちが普段、商品の売買をする場が市場といえます。
商売とは、売り手が市場で価値を提供し、その対価としてお金を得る活動です。

マーケティングファネル

マーケティングファネルとは、顧客が商品の認知から興味・検討・購入に至るまでの行動を段階ごとに分けたものです。
認知興味を持っている層を潜在層と呼びます。また、検討段階に入っている層を顕在層と呼び、購入に至った層のことを顧客と呼びます。

マーケティング活動の例

事例目的
テレビCM、町中の電柱などに広告を出す。不特定多数の人に認知してもらう。
→マスマーケティング
YouTubeの動画広告、InstagramやX(旧Twitter)のタイムラインに広告を出す。SNSがアルゴリズムにより、ユーザーに合った広告を表示する。
→1to1マーケティング
インターネット検索したとき、検索結果上位にリンクを表示する。検索結果の上位からアクセスされる行動傾向を利用する。
→SEO、リスティング広告
ECサイトに登録した顧客に、おすすめ商品のメールを送付する。過去の顧客データを活用し、おすすめ商品をデータに基づいて提案する。
→CRM、RFM分析

コトラーの競争地位戦略

コトラーの競争地位戦略とは、企業が市場での競争力を高めるための戦略をまとめたものです。マーケティングの権威であるフィリップ・コトラーは、企業が市場競争を勝ち抜くために採用すべき4つの戦略があると提唱しました。量的経営資源と質的経営資源の2つを軸に、4つの基本戦略を提案しています。

  • 量的経営資源:企業が持つ、具体的で数値化可能な資源(例:資金、従業員数、工場や設備の数、販売店の数など)。
  • 質的経営資源:企業が持つ、数値化することが難しいが、競争力を持つための重要な資源や能力(例:ブランドの価値や認知度、企業文化、技術やノウハウ、経営者のビジョンなど)。
基本戦略詳細
リーダー
(市場防衛戦略)
量的経営資源が多く、質的経営資源も多い。既存市場でのリーダー企業が、新規参入企業や競合からの攻撃を防ぐ。自らの地位を守るための戦略。
チャレンジャー
(差別化戦略)
量的経営資源が多く、質的経営資源が少ない。独自の商品を提供することで、他社との競合と差別化を図る。消費者にとっての価値を高める戦略。
ニッチャー
(集中戦略)
量的経営資源が少なく、質的経営資源が多い。全体の市場シェアは小さいが、特定セグメントで高いシェアや認知度を保持する戦略。
フォロワー
(模倣戦略)
量的経営資源が少なく、質的経営資源も少ない。リーダーやチャレンジャーの戦略や方向性に追随する企業。価格を競合よりも低く設定することなどにより、競争力を高める戦略。

マーケティング手法

マーケティングファネルに応じた手法

マーケティングファネルは認知興味検討購入の4つで構成されていました。ここでは「認知」と「購入」におけるマーケティング手法を順に紹介します。

認知獲得のマーケティング手法

商品は「認知」されなければ購入されることはありません。理想は「こんな商品があったらいいな」と感じたときに、すぐに思い出してもらえる状態です(第一想起という)。

・マスマーケティング

マスマーケティングとは、幅広い対象者に商品を流通させるマーケティング手法です。
ターゲット層を広く獲得する必要のる商材は、この手法が向いているとされています。ただし、競合他社も類似したビジネスを行いやすいため、差別化が難しくコモディティ化(一般化)するといわれています。

・セグメントマーケティング

セグメントマーケティングとは、市場を年齢・性別・嗜好などで絞り込んで、特定の潜在顧客にアプローチするマーケティング手法です。

・ダイレクトマーケティング

ダイレクトマーケティングとは、企業が見込み顧客直接コミュニケーションを取り、行動を促すマーケティング手法です。郵送、メール、電話、オンライン広告などの手法で顧客とコミュニケーションを取ります。

・1to1マーケティング

1to1マーケティングとは、顧客一人ひとりに合わせたマーケティング手法です。顧客の過去の行動ログから傾向を導き、商品を提案するレコメンド表示などが該当します。

広告媒体

・多様な広告媒体

企業は認知を獲得するため、さまざまな広告媒体(Advertising Media)を活用します。

放送メディア・テレビCM
・ラジオ広告
デジタルメディアWebアフィリエイト
Eメールマガジン(メルマガ)
OOH(Out Of Home)広告・交通広告
デジタルネイサージ

・オムニチャネル

オムニチャネルは企業が複数の販売チャネル(店舗・Webサイト・モバイルアプリなど顧客が経由する設定を管理し、顧客がシームレスな体験を得られるようにする戦略です。対義語としてマルチチャネルが挙げられます。

・広告の役割

マーケティングファネルのうち、広告宣伝による認知獲得には、特にお金がかかります。しかし、たとえ費用がかかったとしても、認知獲得は大きな価値があり、企業自体のブランド力・信頼性の向上にもつながります。

リピート購入を狙うマーケティング手法

・CRM

CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)は、顧客情報の収集・分析から顧客満足度を向上させ、効果的なマーケティング活動が行えます。
ビジネスでは新規の購入よりも、一度でも商品を購入した顧客の方が、再び消費行動を起こしやすいというセオリー(原則)があります。顧客満足度を上げることにより、さらなる購買行動につなげます。

・顧客接点を保つ戦略

  • プッシュ戦略
    企業から顧客へ、積極的にアプローチして働きかけるマーケティング戦略。企業側から情報を「押し出す」というイメージから、PUSHという表現が利用される。
    例)電話やメールなど
  • プル戦略
    顧客から能動的に、製品・サービス・企業情報を取りに行くことで購入につなげるマーケティング戦略。顧客自身が情報を「引き出す」というイメージから、PULLという表現が利用される。
    例)WebサイトやSNSなど

・顧客単価を向上させる手法

  • アップセル
    商品の購入を検討している顧客や、以前に商品を購入した顧客に対し、より高額な上位商品を勧めるマーケティング戦略。
    例)コーヒーショップで、ドリンクのサイズアップを促す。
  • クロスセル
    商品を購入する顧客に、別の関連商品もセットで勧めるマーケティング戦略。
    例)コーヒーショップで、ドリンクだけではなくフードの購入を促す。

・RFM分析

RFM分析は、顧客データを直近購入日(Recency)頻度(Frequency)購買金額(Monetary)の3つの指標でグルーピングし、顧客分析に利用する手法です。3つの指標のかけ合わせで、購入見込みの高い顧客層を特定します。

  • 直近購入日(R)…最近購入した人の方が、何年も前に購入した人より、再購入の見込みが高い。
  • 頻度(F)…購入頻度が高い人の方が、低い人などより、再購入の見込みが高い。
  • 購入金額(M)…購入金額の総額が高い人の方が、低い人より、再購入の見込みが高い。

マーケティングのフレームワーク

市場・商品の分析手法

・3C分析

3C分析とは、顧客(Customer)自社(Company)競合(Competitor)の3つの観点で市場を分析する手法です。商品の買い手である顧客、ライバルとなる競合企業を知ることで市場への理解を深め、その上で自社の取るべき戦略を考える際に利用します。

・PEST分析

PEST分析とは、政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)の4つの要素で市場を分析する手法です。
例として、「自動運転車」を普及させる際の自動車メーカーによる分析は次のようになります。

Politics政治運転にまつわる法令整備
Economy経済国内・海外の自動運転車需要
Society社会消費者の安全性の関心
Technology技術自動運転車の必要水準

・SWOT分析

SWOT分析とは、強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の要素から市場を分析する手法です。内部環境要因である自社の強み・弱みと、、外部環境要因である機会・脅威の要因を組み合わせることで、市場での機会や事業課題の発見に役立てます。

「自動運転車」の例でいうと、大手メーカーが「自動運転車」を普及させようとする際のSWOT分析は、次のようになります。

+プラス要因-マイナス要因

Strength(強み)
全国に店舗
ブランド認知高
Weakness(弱み)
技術者不足
価格が高い

Opportunity(機会)
ドライバー高齢化に
伴うニーズの上昇
Threat(脅威)
法律の未整備
タクシーとの差別化

製品・サービスを設計する

・STP理論

STP理論とは、セグメンテーション(Segmentation)、ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)の3つの段階に分けて、企画や製品・サービスを検討するときに役立つフレームワークです。

STP理論
セグメンテーション
(Segmentation)
  →
ターゲティング
(Targeting)
  →
ポジショニング
(Positioning)
市場を細分化し
標的市場を決定する →
顧客に対する相手を
定める      →
自社の立ち位置を明確化し
競争優位性を設定する

・マーケティングミックス

製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)の4つのPで構成される実行戦略です。個人的に「ピザ・ピザ・ピザ・ピザ・ミックスピザ!マーケティングミックス」と覚えました。ですが、それぞれのPが何を意味するかを問われるかという問題が出るようですので、しっかりと覚えましょう。

各Pの意味決めること
Product製品・商品どんな商品を売るか?
例:男性・女性向け、デザイン、機能など
Price価格いくらで販売するか?
例:高・低価格、支払い方法、割引など
Place流通どのように届けるか?
例:全国のコンビニエンスストア、オンラインなど
Promotion広告・宣伝どう知ってもらうか?
例:テレビCM、YouTube広告、イベントなど

・ベンチマーキング

ベンチマーキングとは、競争力を高めるために他社から事例を学ぶことです。単に他社をコピーするのではなく、自社ビジネスに適応させます。

・プライシング

4Pの価格の要素となるプライシング(価格設定手法)の3つの手法です。

種類詳細事例
スキミングプライシング新しい商品や技術を市場に導入する際に、初期に高価格設定を行い、時間が経過するにつれて徐々に価格を下げる戦略。iPhoneなど、消費者の購買意欲や製品への評価が高い新型のバージョンの段階で高い利益を得る。
ペネトレーションプライシング商品を低価格帯で販売し、多くの消費者を囲うことで、迅速に市場シェアを拡大させる戦略。GUやしまむらは、低価格帯の洋服を幅広く販売することで市場シェアや顧客を拡大している。
ダイナミックプライシング商品の価格を、需要や市場環境に応じて、柔軟に変更する戦略。ホテル・航空券の値段は夏休みやゴールデンウィークに上がり、平日で旅行需要が低い時期は下がる。

市場の定説

・プロダクト・ライフサイクル理論

プロダクト・ライフサイクル理論とは、商品(プロダクト)が世に出てから、消費者に受け入れられて衰退するまでのプロセスを示します。

導入期成長期成熟期飽和期衰退期
認知度も購入者も少なく、市場トレンドに敏感な層が顧客となる時期。製品やサービスの認知度が高まり、一気に市場に広まっていく段階。市場で製品やサービスが広まり、市場の伸びしろが減る段階。競合他社も参入し、価格競争となる。市場の成長がほぼ停止し、新しい顧客を獲得するのが難しくなる段階。製品やサービスの需要自体が減り、売上も利益も縮小している段階。

・イノベータ理論とキャズム理論

イノベータ理論は、新商品や技術の市場導入時の顧客による採用パターンを説明するモデルで、動機やタイミングにより顧客を5つのカテゴリに分類します。
キャズム(Chasm:溝)とは、商品を世の中に普及させる際に発生する越えるべき障害です。新商品が初期市場からメインストリームに受け入れられるとき、少数のキャズムを越えられた企業は市場に受け入れられ商品の成功に直結するといわれます。

←  初期市場  →←  メインストリーム  →
イノベータ
(革新者)
アーリー
アダプタ
(早期採用者)
アーリー
マジョリティ
(早期多数派)
レイト
マジョリティ
(後期多数派)
ラガード
(遅滞者)
新しい商品やアイデアをすぐに試す意欲がある層。リスクを受け入れ、技術革新を好む。新商品に早く飛びつく層。イノベータよりも多少保守的なものの、リスクを受け入れることができる。新商品を購入する前に、他者の意見(レビュー)を参考にしてから採用する層。新商品に懐疑的な層。他者が採用して成功しているのを確認してからようやく導入する。新商品に非常に懐疑的な層。他の選択肢がなかったとき、ようやく新商品を採用する。

参考文献

今回、学習用として参考にさせていただいているのがこちらの教本です。AmazonではPDF版もあるようです。セクションごとにQRコードを読み取って小テストを受けることができ、学習の確認もできて頼りがいのある一冊です。また、YouTubeでの解説動画もありますので、そちらも参考に学習を進めると良いでしょう。

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