令和7年ITパスポート学習記録~企業活動編その①~

ITパスポート
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今年からExcelの勉強は卒業して、ITパスポートの資格を取るべく、ITパスポートの学習を行うことにいたしました。

今日は初日ということでいささか緊張をしておりますが、皆さまどうぞお付き合いください。

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ITパスポート学習記録~企業活動編①~

はじめに

本章の学習ポイント

  • 企業の経営資源は、ヒト・モノ・カネ・情報。
  • 企業の目的は、利益を最大化させること。
  • 企業は利益を最大化する活動に注力する一方、社会貢献活動も併せて実施することで中長期的な企業メリットが生まれる。

ストラテジ系を学ぶ前の知識

ITパスポートのストラテジ系分野

ITは、現代社会で働くすべての人にとって必須のスキルとなっています。一昔の社会では「ITは、得意な人だけができればよい」といった風潮がありましたが、現代社会では社会のIT化も進んでいるので、「ITのこともわかるけれど、総合的に会社や業界のことがわかっていて、業務の中でもITを使いこなせる」という人材が評価される時代となってきています。

・ストラテジ系分野で学習すること

ITを業務の中で使いこなすため、ストラテジ系分野(Strategy:戦略)を学びます。ストラテジとは、企業が利益を最大化するための戦略のことを指します。ストラテジ系分野を学習することで、企業活動の成り立ちや売上を伸ばす方法を学んでいきます。

企業活動

企業活動とは、企業が顧客に価値を提供し、利益を得る活動のことです。企業活動の目的は、利益の最大化です。株式会社を例に考えてみますと、株主に利益を還元する必要があるため、利益の最大化を目標とします。

・企業が提供するもの

企業が提供する価値は、商品・製品・サービスなど、多岐にわたります。ここでは下記に示すような「商品やサービス」をまとめて商品と総称することにします。

商品・製品本、衣料品、食品、電子機器など、物理的な商材のこと。
サービス  美容院のサービス、銀行の金融サービス、教育の提供など、触れることのできない行為やパフォーマンスのこと。

株式会社

日本企業の約90%は株式会社で、ITパスポート試験で取り上げられる「企業」も主に株式会社のことを指しています。株式会社は、株主から資金の提供を受けて運営され、株式(経営権)を発行します。また、株主から得た資金を活用して利益を伸ばし、その利益の一部が株主に還元されます。

・株主総会

株主総会は、株式会社の所有者である株主が重要事項を決定する大事な場です。役員専任、監査役、会計に関する決議が行われる、株式会社の最高意思決定機関です。

・株主のリスク

株主は、株式を購入することで企業に資金提供(投資)をしています。これによって、株主は企業の経営権の一部を手にすることができます。もし、資金提供(投資)した企業が倒産した場合、出資金がすべて返ってくることは保証されません。企業が資産を売っても足りなかった分の金額は返済されることはありません。

・企業が資金を得る方法

企業が資金を調達する手段として、銀行からの借金株式の発行(=株主からの投資)、債権の発行(投資家からの借金)などがあります。自社株の売却、事業利益によって得られた資金は、自己資本となります。

・企業活動での登場人物

株主  企業が発行する株式を購入し、企業の実質的な所有者となる人々です。企業の利益の一部を配当として受け取ることができます。
経営者企業の運営と方針を決定する人々です。代表取締役や取締役が含まれます。企業の目標を決めたり、お金の使い道を指揮する権限があります。
従業員企業で働く人々です。自分のスキルや労働を提供し、その対価としてお金(給与)を受け取ります。
顧客  企業の商品を購入する人々です。顧客行動が企業の成功に大きく影響を与えます。

ストラテジ系分野で覚えておきたい用語

企業活動に関連する言葉の定期を正しく理解することで、ITパスポートのストラテジ系分野の理解が深まります。

・ビジネス

ビジネス(Business)とは、直訳すると業務仕事を意味します。ITパスポートでは「企業活動」と表現されます。ビジネスは、企業が商品を提供し、利益を得て、お金を循環させ、企業が成長していく…といった一連の経済活動を指します。

・事業

事業とは、企業が収益を得るために行う仕事のことです。商品を提供する種類によって分類がなされ、身近な事業として、次のようなものが挙げられます。

飲食事業レストラン、カフェなど
アパレル事業洋服を売るお店など
教育事業プログラミング教室、資格スクール、学習塾など

・営業

営業とは、企業が利益を上げるために行うすべての経済活動を指します。「営業」と聞くと「営業担当者が商品を売るためにお客さんに話をしている」「営業部署で働く人だけが営業だ」といったイメージを持ちがちですが、もう少し視野を広げて解釈する必要があります。

ITパスポートに限らず、ビジネスの世界で「営業」と言われた場合、企業が利益を上げるためのすべての活動を意味します。

「営業」が示す範囲の例

  • 営業担当者がお客さんに物を売ること
  • エンジニアがシステム開発をすること
  • コールセンターがユーザーからの問い合わせを受け付けること など

そのため、企業で人が働いている時間を営業時間、企業で人が働いている日程を営業日と言うこともあります。

・資源

資源とは、企業が経済活動を行うために必要なもの(例:お金労働力土地など)で、リソース(Resources)とも言います。ビジネスやプロジェクトの実行に必要なすべてのものを指します。

「資源」が示す範囲の例

  • 24時間営業のコンビニにとって「働く人・お店の土地・商品」は、お店の資源
  • YouTuberにとって「動画」は、収益を得るための資源
  • 沖縄の観光業にとって「海」は、観光資源

企業の経営資源は、一般的にヒトモノカネ情報といわれています。

・資源、資産、資本の違い

これらの用語は似て非なるものです。すべての資本は資産であり、すべての資産は資源であるといえます。

資源(Resources)企業活動を行うために利用できるすべてのものを指します。最も重要な経営資源はヒト・モノ・カネ・情報です。
資産(Assets)   企業が所有している将来の経済的利益(=お金)に変えることができる財産のことを指します。例えば、建物、機械、在庫、現金、知的財産(特許、商標など)がこれに含まれます。
資本(Capital)資本は、企業が業務を行うための資源を調達できる元手です。資本は、銀行からの借り入れ・株式の発行・債権の発行によって得ることができ、資本を元手に資産を所有することができます。

・最高経営責任者(CEO:Chief Executive Officer)

CEOは英語圏の企業における一般的な役職で、企業全体の運営と戦略に最終的な責任を持っています。

日本では、企業の最高責任者は代表取締役といい、日本の会社法で定められています。代表取締役は、企業の法的な意思決定・経営統括を行い、企業を代表して契約を結ぶなど、事業に関わる一切の権限を持っています。また、「企業の最高経営陣」を示す一般的な用語として、CxO(Chief x Officer)があります。「x」はその人が担当する領域を示します。

CIO最高情報責任者(Chief Information Officer)は、企業全体の情報技術戦略を計画・実行する責任を持ちます。
CTO最高技術責任者(Chief Technology Officer)は、企業の新しい技術の研究・開発を推進します。
CFO最高財務責任者(Chief Financial Officer)は、企業の財務戦略を策定し実行します。
COO最高執行責任者(Chief Operating Officer)は、企業の日常的な業務運営を監督します。

企業を成長させるフレームワーク

利益最大化のための目標

フレームワークとは、問題を考え、進めるための枠組みです。企業活動の目的である利益の最大化を効率よく行う目標管理の手法を学んでいきます。

・ビジネスにおける道しるべ

例として、あるスマホゲーム企業が利益の最大化を目指すケースを考えてみます。この企業が成長するためには、社長から新入社員まで組織全体が共有できる道しるべを示すことが重要です。

そこで経営者が「海外展開し、海外ゲーム事業の売上を1年で1億円にする!」と目標を立てたとします。目標を数値化できると、いまどこにいて・あとどれくらいで達成できるのかの状況も共有しやすくなります。

Googleマップや方位磁針すらない時代には、人々は目的地に向かうため北極星を見つけて北の方角の目印としていました。このセクションでは、企業の経営者から従業員まで、すべての人が同じ方向に歩けるよう、ビジネスにおける北極星(道しるべ)について学習していきます。

経営理念

企業は経営理念を掲げることで、組織の明確な方向性を示すことができます。共通の目標に基づく活動は、従業員の目的意識を高めることにもつながり、外部に対して企業の姿勢や取り組みを明確に伝えることができるのです。

経営理念に紐づく形で、経営ビジョン経営戦略経営計画がピラミッド状に連なって広がっていきます。

企業の目標を定める指標・手法

企業が目標を定め、達成するまでの進捗を測る手法にはさまざまなものがあります。

・KGI

KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)とは、企業目標やビジネス戦略の立案・実行により達成すべきゴール定量的(測定可能な数値)で表した指標のことです。

・KPI

KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)とは、企業目標やビジネス戦略の実現に向け、ビジネスプロセスをモニタリングするために設定される定量的な指標のことです。KGIを達成するために、指標を細分化したものがKPIです。KPIを置くことで、目標を因数分解して検討しやすくなります。

・CSF

CSF(Critical Success Factors:重要成功要因)とは、経営における目標(KGI)を達成するために決定的な影響を与える要因のことです。数あるKPI指標の中で最も重要なものをCSFとし、重点的に取り組みます。KGIには、複数のKPIが紐付きますが、その中で最も重要なKPI=CSFとすると、覚えやすいです。

以上の3つをスマホゲーム企業の例で示すと、次のようになります。

KGI海外ゲーム事業の売上を1年で1億円にする
KPIアプリのダウンロード数、有料課金率、一人当たりの月間単価
CSFアプリのダウンロード数

・MBO

MBO(Management by Objectives:目標における経営管理)とは、組織全体の目標を明確にすることで、各メンバーが自分の役割を理解し、自主的に行動することを促す手法です。従業員自身で目標を決め、その達成率に応じて人事評価を行います。

目標到達のための行動

KGIやKPIを設計することで、具体的な目標達成を目指して行動できるようになります。一方で、目標を立てても思い通りに計画が進まない場合もあります。このような場合、PDCAサイクル特性要因図により、行動の改善計画に取り組みやすくなります。

・PDCAサイクル

PDCAサイクルとは、企業が継続的に成長するために改善を繰り返すフレームワークです。PlanDoCheckActionの頭文字をとってPDCAサイクルと呼びます。

・特性要因図

特性要因図とは、特性(結果)とその要因(原因)の関係を視覚的に把握しやすくした図のことです。原因を明らかにすべき問題を図式化し、潜在的な問題を見つけるときに活用されます。特性要因図は、魚の骨の形をしていることから、フィッシュボーン図とも呼ばれます。

・PoC

PoC(Proof of Concept:概念実証)とは、新規ビジネスや技術が実際にうまくいくのかを試すための小規模なプロジェクトのことです。企業が新しいことを始めるとき、現実的に収益を上げられるかを確認するための重要な手段となります。

PoCの事例

居酒屋の注文パネルで、AIを活用しておすすめメニューを提示する新機能を考えた。このとき、この新機能がうまくいくかは開発時点ではわからないので、顧客単価(お客さん1人当たりの売上)アップをKPIに、次のPoCを行います。

  • ビールを頼んだ人に、ピリ辛唐揚げをおすすめする。
  • 枝豆を頼んだ人に、厚焼き玉子をおすすめする。

このPoCを実施した結果、顧客単価が増加すれば、AIによるおすすめの機能を継続し、そうでなければやめる判断をすることになります。

他社との協業

企業のビジネスモデル

企業にはさまざまなビジネスモデルや組織構造があります。これらを理解できると、事業の戦略立案に利用でき、将来的には競合企業の動きの予測にも役立てることができます。

例:

  • 1つの事業に専念する企業もあれば、複数の事業を展開する企業もある。
  • 一般消費者をお客さんとする企業もあれば、企業をお客さんとする企業もある。
  • 運送事業で有名な企業の資本の多くを、ECサイト企業が保有する。

企業の大分類

会社を役割で大きく2つに分類すると、事業会社機能会社にわけることができます。大きな違いとしては、相手にするお客さんの違いが挙げられます。事業会社は消費者や企業をお客さんとして商品やサービスを販売します。その事業会社をお客さんとして、広告業務や顧客サポート、人事総務などの業務機能を販売するのが機能会社です。

ビジネスモデルの分類

企業が商品を提供する対象の顧客別のビジネスモデルとして、BtoCBtoBCtoCといった用語も覚えておきましょう。

BtoC(Business to Consumer)企業が個人を相手に行うビジネス
BtoB(Business to Business)企業が企業に対して行うビジネス
CtoC(Consumer to Consumer)個人が企業のプラットフォームを通し、個人に対して行うビジネス(例:メルカリ、Airbnbなど)

・シェアリングエコノミー

シェアリングエコノミーとは、資源を複数人で共有する経済活動です。資源を他人と共有することにより、費用やエネルギーの消費を減らすことができます。資源の例としては、車や物品、宿などが挙げられます。例えば、カーシェアリングサービスは、車を所有していなくても、必要なときだけ車を利用することができるサービスです。

BtoBとBtoCの2つの機能をもつ企業

例えば運送会社は、個人(一般消費者)と企業の両者にサービスを提供しています。このように、BtoBとBtoCの両方の機能をビジネスモデルとするケースも存在します。

企業の業務を外注する

・アウトソーシング

アウトソーシング(Outsourcing:社外からの調達)とは、自社の業務の一部を外部に委託することです。アウトソーシングのメリットとしては、人材採用、教育、福利厚生などの専門部門を自社内に持たず外部委託することで、費用を削減できる点です。これにより、一部業務の効率化と、会社全体のコスト削減が可能です。

アウトソーシング関連用語

オフショア労働賃金が安い海外に業務をアウトソーシングすること。
ニアショアオフィス家賃や人件費が安い地方の拠点に業務をアウトソーシングすること。
インハウス特定の業務分野を外注することなく、自社内で運用すること。
BPO
(Business Process Outsourcing)
カスタマーサービス、人事、会計などのように、ある業務プロセスを一括して、アウトソーシングすること。

・アライアンス

アライアンス(Alliance:同盟)は、企業同士が特定の業務や事業で協力し合う形態です。業務提携と直訳すると覚えやすいです。
アライアンスでは資本関係が必ず結ばれるわけではなく、業務範囲・期間・費用・負担などを契約で定め、異なる立場の企業同士が利益を生み出すために協力する体制を示します。

例:宅配会社とコンビニのアライアンスによる業務

宅配会社がコンビニとアライアンスを締結すれば、宅配会社が独自に24時間対応の受け取り・発送場所を設けるよりも費用対効果は改善します。また、荷物受付によりコンビニ側では来客数の増加が期待でき、売上向上につながります。

企業の資本戦略

・資本提携

資本提携とは、資本の取得を伴う業務提携のことです。アライアンス(業務提携)に比べ経営方針への意見の申し立て・受け入れができるため、より強い企業関係を作ることができます。
例えば、大手ゲーム企業がスマホゲーム企業と資本提携し、お互いの得意分野を共有します。それぞれの企業は、独立して存在し続けます。

・M&A

M&A(Mergers and Acquisitions:合併と買収)とは、2つの企業が1つになったり(合併)、ある企業が別の企業を買い取ったり(買収)することです。企業がM&Aを行う理由は、多岐にわたります。

  • 合併:似ている事業を強固にし、経費削減・企業成長の効率化につなげる。
  • 買収:すでに成熟した他社の事業を自社に組み込むことで、自社の弱い部分を手っ取り早く補うことができる。

・ベンチャーキャピタル

ベンチャーキャピタル(Veture Capital:VC)は、高い成長が予想される未上場企業(ベンチャー企業やスタートアップ企業)に出資する投資会社です。銀行とは異なり、資金の返済・利息の発生はありません。投資を受けた企業が成長(上場など)したときに、株式を売却し、キャピタルゲイン(投資額と売却額との差額)を回収して利益を得ます。

ベンチャーキャピタル能登牛は、ハイリスク・ハイリターン
ベンチャーキャピタルは、新規に設立された企業や成長段階の企業に投資することから、一般的にはリスクの高い投資と言われますが、多数の未上場企業に投資することで、その中から数社が成功することに期待してリターンを追求します。

・ジョイントベンチャー

ジョイントベンチャーとは、複数の企業が共同出資して、新しい企業を設立することです。各企業が得意分野を持ち寄って事業を創出できることがジョイントベンチャーの強みです。

例:新しい自動運転車をつくるジョイントベンチャー

大手自動車企業・電気通信企業・ITソフトウェア企業がジョイントベンチャーを立ち上げ、自動運転と高速インターネット、ビデオ会議設備を完備した、移動中にも仕事ができる新しい車を開発する。

参考文献

今回、学習用として参考にさせていただいているのがこちらの教本です。AmazonではPDF版もあるようです。セクションごとにQRコードを読み取って小テストを受けることができ、学習の確認もできて頼りがいのある一冊です。また、YouTubeでの解説動画もありますので、そちらも参考に学習を進めると良いでしょう。

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