サイトアイコン しらかわるーむ

【個人開発】クローズドテストのテスターが集まらない問題、Googleグループで解決しました

「テスター12人、14日間」

Androidアプリを個人でリリースしようとした人なら、この数字に一度は頭を抱えたことがあるのではないでしょうか。

2023年11月以降、Google Playで新しく個人開発者アカウントを作った場合、アプリを一般公開する前にクローズドテストを実施することが必須になりました。しかも12人以上のテスターが、14日間アプリを使い続けるという条件付きです。

問題は、この12人をどうやって集めるかです。

友人知人に頭を下げて回る。開発者コミュニティで相互テストを募集する。どちらも有効ですが、正直しんどい。しかも「テスターになってもらう」ためには、相手のGoogleアカウントのメールアドレスを一つずつ聞いて、Play Consoleに手作業で登録しなければなりません。

これが、Googleグループを使うと一気に楽になります。

昨日、私が開発している熊本の観光交通アプリ「くまモビ」を、ついにクローズドテストの審査に提出しました。今日から公開が始まります。そこで今回は、審査提出までにやったことと、これから始めるテスター募集の準備について書いていきます。

同じようにテスター集めで悩んでいる方の、ヒントになれば嬉しいです。

スポンサーリンク

この記事のポイント

  1. テスター12人問題、Googleグループを使えば手作業の登録から解放される
  2. 公開グループにすればXで募集URLを流すだけで自動的にテスターが増える
  3. 参加者がつまずくポイントを先回りして案内文に書いておくのが成功の鍵

そもそもクローズドテストとは何か

まず前提の整理から。

Google Playでアプリを公開するには、いくつかの段階があります。

内部テストは開発者自身や身近な数人向け。最大100人まで登録できて、審査もほぼ通過します。

クローズドテストは限定されたテスターグループ向け。ここが今回の主役です。

オープンテストは誰でも参加できる公開ベータ。

製品版が一般公開です。

個人開発者アカウントの場合、製品版に進むにはクローズドテストを12人以上・14日間継続する必要があります。ここでいう「継続」とは、テスターがアプリをインストールした状態を14日間保つという意味です。毎日起動する必要はありませんが、途中でアンインストールされるとカウントから外れます。

つまり、12人ぴったりだと誰か一人が抜けただけで振り出しに戻る。余裕を持って15人、できれば20人は確保したいところです。

テスターの登録方法は2種類ある

Play Consoleでテスターを指定する方法は2つあります。

メールアドレスのリストで指定する方法は、テスターのGoogleアカウントを一つずつ入力していく形です。CSVでまとめてアップロードもできますが、いずれにせよ「相手のメールアドレスを教えてもらう」というステップが必要になります。

X(旧Twitter)で「テスター募集します」と投稿して、興味を持った人がDMでメールアドレスを送ってきて、それを手作業で登録して、登録完了を返信して……。これを20人分やると考えると、けっこうな作業量です。しかも相手にメールアドレスを教えさせるハードルもあります。

Googleグループで指定する方法なら、この手間がまるごと消えます。

グループのメールアドレス(〇〇@googlegroups.com)を1つ登録しておけば、そのグループに参加している人が自動的にテスターとして扱われるのです。誰かが新しくグループに参加すれば、その人も自動でテスター。開発者側の作業はゼロです。

Googleグループでテスターを集める手順

実際の手順を追っていきます。

ステップ1:グループを作成する

Googleグループにアクセスして、「グループを作成」を選びます。

入力するのは3つです。

グループ名は分かりやすく。私は「くまモビ テスター」としました。

グループのメールアドレスは、これがPlay Consoleに登録する重要な値になります。半角英数字で、後から変更できないので慎重に。

グループの説明には、何のためのグループか書いておきます。参加を迷っている人が判断材料にします。

ステップ2:公開設定を変更する

ここが最重要ポイントです。

初期設定のままだと、グループは「招待された人だけが参加できる」状態になっています。これでは自動化になりません。

グループ作成時、または作成後の「グループ設定」画面で、以下を変更します。

「グループに参加できるユーザー」を「ウェブ上のすべてのユーザー」に設定

これで、URLを知っている人なら誰でも自力で参加できるようになります。承認制にすることもできますが、テスターを集めるのが目的なら承認なしのほうがスムーズです。

あわせて「グループを検索可能にする」もオンにしておくと、Googleグループ内の検索からも見つけてもらえます。

ステップ3:Play Consoleに登録する

Play Consoleの「テストとリリース」→「テスト」→「クローズドテスト」を開きます。

「テスター」タブを選んで、テスターの指定方法として「メーリングリスト」または「Googleグループ」を選択。ここに先ほど作ったグループのメールアドレス(〇〇@googlegroups.com)を入力します。

保存すると、画面にオプトインURLが表示されます。これがテスト版アプリのダウンロードページへのリンクです。必ずコピーして控えておいてください。

ステップ4:2つのURLを募集に使う

これで手元に2つのURLが揃いました。

①グループ参加URLhttps://groups.google.com/g/〇〇
②オプトインURLhttps://play.google.com/apps/testing/〇〇

テスターにお願いする流れはこうなります。

まず①でグループに参加してもらう。次に②を開いてもらうと、テスト版のダウンロードページが表示される。あとは通常どおりインストール。

開発者側は、この2つのURLを載せた投稿をXなどに流すだけです。あとは勝手にテスターが増えていきます。

つまずきポイントを先回りする

ここからが実践的な話です。

この方式、便利なのですが参加者がつまずくポイントがいくつかあります。ここを案内文で先回りしておかないと、「参加したのにアプリが落とせない」という問い合わせが来ることになります。

落とし穴1:Googleアカウントが違う

最も多いトラブルがこれです。

グループに参加したアカウントと、スマホでGoogle Playにログインしているアカウントが別のものだと、テスト版が表示されません。

パソコンでグループに参加して、スマホでダウンロードしようとしたら開けない。原因はたいていこれです。特に仕事用と個人用でアカウントを使い分けている人は要注意。

対策:案内文に「スマホのGoogle Playで使っているアカウントで参加してください」と明記します。

落とし穴2:反映に時間がかかる

グループに参加した直後は、まだアクセス権が反映されていないことがあります。

Google側の同期処理が走るまで、数分から長いときは数時間かかります。すぐに開いて「エラーが出た」と諦められてしまうのはもったいない。

対策:「参加後、少し時間をおいてからアクセスしてください」と添えておきます。

落とし穴3:オプトインURLをブラウザで開く必要がある

オプトインURLは、Google Playアプリではなくブラウザで開く必要があります。スマホのブラウザで開くと「テスターになる」ボタンが表示され、これを押してはじめてテスト版が入手できます。

いきなりPlayストアアプリで検索しても、テスト版は出てきません。

対策:「まずリンクをブラウザで開いて、テスターになるボタンを押してください」と手順を明示します。

落とし穴4:14日間の継続が必要

これはテスターに伝えておくべき重要事項です。

「試してみたけどイマイチだった」とすぐアンインストールされると、カウントが減ります。悪気があるわけではなく、単に知らないだけなので、最初に伝えておくのが親切です。

対策:「14日間はインストールしたままにしていただけると助かります」と正直にお願いします。理由も添えると納得してもらいやすいです。

募集の案内文を作る

以上を踏まえて、実際に使う案内文の例です。

X向けは文字数制限があるので、要点だけ。詳細はブログや固定ポストに誘導する形にします。

【テスター募集】

熊本の観光交通アプリ「くまモビ」の
テスターを募集しています。

市電・バスの乗換案内、時刻表、
観光スポットのスタンプラリーが使えます。

▼参加方法
①グループに参加
(URL)
②アプリを入手
(URL)

詳しい手順はこちら
(ブログURL)

#個人開発 #Androidアプリ

そして、ブログ側には詳しい手順を書いておきます。

手順の説明例

  1. スマホのGoogle Playで使っているアカウントでログインした状態にしてください
  2. グループ参加URLを開いて「グループに参加」を押します
  3. 数分待ってから、アプリ入手URLをブラウザで開きます
  4. 「テスターになる」を押して、表示されるリンクからインストールします
  5. うまくいかない場合は、少し時間をおいて再度お試しください

この5ステップを画像付きで説明しておくと、問い合わせがぐっと減ります。

昨日やったこと:審査提出までの道のり

さて、ここからは昨日の作業の振り返りです。

朝から取りかかったのは、Play Consoleの各種申告でした。これが思っていた以上に項目が多い。

アプリのコンテンツという区分だけでも、ログインの詳細、コンテンツのレーティング、ターゲットユーザー、データセーフティ、広告の有無と、次々に質問が続きます。

特に時間をかけたのがデータセーフティです。

くまモビは位置情報を使いますが、GPSの座標を外部サーバーに送信していません。現在地から近い停留所を探す計算も、スタンプラリーの現地判定も、すべて端末の中で完結する設計にしています。

Googleのデータセーフティでは「収集」を「端末外への送信」と定義しているので、この場合は「位置情報は収集しない」と申告するのが正しい。ここは自信を持って申告できました。設計段階から端末内処理にこだわっておいてよかったと思った瞬間です。

一方で、匿名の利用統計はFirebaseに送っているので、こちらは「収集する」と正直に申告。プライバシーポリシーの記述と一言一句食い違わないよう、コードを読み返しながら確認しました。ここで嘘をつくと後々アプリが停止されるリスクがあるので、慎重にやるべきところです。

カテゴリ選択では少し悩みました。「地図、ナビ」か「旅行&地域」か。

乗換案内が主機能なので前者にも見えますが、くまモビは観光スポット案内やスタンプラリーも含む「旅の総合アプリ」です。地図は手段であって目的ではない。そう考えて「旅行&地域」を選びました。タグは「公共交通機関」「バス」「鉄道」「旅行ガイド」「旅行&地域」の5つ。

価格設定も判断が必要でした。当初は500円の有料アプリにしようかと考えていたのですが、調べてみると乗換案内アプリは「無料+月額課金」が主流で、買い切りはほぼ存在しない。

そもそも実績ゼロの新規アプリを500円で買ってもらうのは、相当ハードルが高い。そこでまず無料でリリースし、後からアプリ内購入で300円の機能解放を追加する方針に切り替えました。Google Playは無料から有料への変更ができないので、この順序でないと詰みます。

そして最後にAABのアップロード。ここで一度つまずきました。

「アップロードされたApp Bundleがデバッグモードで署名されています」

Expoで生成したプロジェクトは、初期状態だとリリースビルドでもデバッグ署名を使う設定になっていることがあります。キーストアを作成し、build.gradleの署名設定を書き換えて、再ビルド。

ちなみにgradlew cleanを実行したらCMakeのエラーで失敗しました。cleanの過程で必要なディレクトリまで消えてしまうという、React Nativeプロジェクトあるあるです。.cxxbuildフォルダを手動で削除してからビルドし直したら通りました。

こうして無事、審査に提出。ステータスは「公開準備中(審査中)」になりました。

今日から、募集を開始します

審査を通過して、今日から公開が始まります。

これから、この記事で書いた手順どおりにGoogleグループを作って、Xで募集を始めます。オプトインURLも取得できるので、あらためて告知の記事を書く予定です。

正直に言うと、12人集まるかどうかは分かりません。個人開発の宿命で、認知度はゼロからのスタートです。

でも、こうして手順を整理してみて思ったのは、やれることをやっておけば、チャンスが来たときに逃さないということ。参加手順が分かりにくいせいで、せっかく興味を持ってくれた人を取りこぼすのは避けたい。

Googleグループ方式なら、深夜に見つけてくれた人がその場で参加できます。私が寝ている間にもテスターが増える可能性がある。これは大きいです。

おわりに

クローズドテストの12人問題は、個人開発者にとって最初の大きな壁です。

技術的な難しさではなく、人を集めるという、プログラミングとは全く別のスキルが求められる。ここで心が折れて公開を諦める人も少なくないと聞きます。

でも、Googleグループを使えば少なくとも「手作業の煩わしさ」からは解放されます。あとは、どうやって知ってもらうか。そこに集中できるようになる。

同じように悩んでいる方の、少しでも助けになれば嬉しいです。

募集を開始したら、あらためて告知の記事を書きます。もしよろしければ、テスターとして参加していただけると本当に助かります。熊本に行く予定がなくても大丈夫です。テスト期間中は全国どこからでもスタンプが押せるようにしてありますので。

白川秋

ではでは、参考までに

モバイルバージョンを終了