「このファイル、向こうのパソコンに送りたいんだけど…またUSBメモリ探さなきゃ」――そんな経験、ありませんか?写真も資料も、いちいちUSBに入れて、抜いて、差して、また抜いて。正直、めんどくさいですよね。
実はWindowsには、ケーブルもUSBメモリもナシで、近くのパソコンにファイルをサッと飛ばせる「近距離共有」という機能が、最初から入っているんです。iPhoneでいう「AirDrop」のWindows版、と言えばピンとくる方も多いかもしれません。
しかも設定はとっても簡単。この記事では、近距離共有のオンにする手順から、ファイルの送り方、そして「あれ、急にできなくなった!」というトラブルの直し方まで、まるっと解説していきます。読み終わるころには、きっとUSBメモリの出番が減っているはずですよ。
この記事のポイント
- USBもケーブルも不要、Windows同士でファイルを直送できる
- 設定は「オン」にして右クリック「共有」を押すだけ
- 急にできない時はBluetoothのオフ確認が一番の近道
8分28秒でわかるまとめ動画
近距離共有ってなに?まずはここから
近距離共有(英語名:Nearby Sharing)は、Windows 10(バージョン1803以降)およびWindows 11に搭載されているファイル共有機能です。難しそうな名前ですが、やることはシンプル。近くにあるWindowsパソコン同士で、写真・動画・資料・Webページのリンクなんかを、ワイヤレスでポンと送り合える、それだけです。
仕組みとしては、BluetoothとWi-Fiを組み合わせた技術を使っています。ざっくり言うと――
- Bluetooth=「近くにこのパソコンいるよ!」とお互いを見つけ合う役
- Wi-Fi=見つかったあとに、ファイル本体をビューンと高速で運ぶ役
この二人三脚のおかげで、ケーブルやクラウドサービスを経由せずに直接ファイルを転送できるわけですね。USBの抜き差しも、メールに添付する手間もいりません。
ちなみに対応OSですが、送受信するパソコンの両方がWindows 10(バージョン 1803 以降)またはWindows 11に対応している必要があります。どちらか片方でも非対応の場合、近距離共有を利用できないので、そこだけ覚えておいてください。
まずはこの3ステップでオンにしよう!
「とにかく使いたい!」という方のために、結論から。やることは、送る側・受け取る側の両方のパソコンで近距離共有をオンにするだけです。
設定の手順はこんな感じ。
- キーボードのWindowsキーを押して、歯車マークの「設定」を開く
- 左メニューから「システム」を選び、下にスクロールして「近距離共有」をクリック
- 「オフ」「自分のデバイスのみ」「近くにいるすべてのユーザー」から選んでオンにする
ここで出てくる選択肢、ちょっと迷いますよね。表で整理してみました。
| 選択肢 | どんな時に使う? |
|---|---|
| オフ | 使わない時(初期状態はコレ) |
| 自分のデバイスのみ | 自分専用。同じMicrosoftアカウントのPC同士だけ |
| 近くにいるすべてのユーザー | 家族や同僚など、別アカウントのPCにも送りたい時 |
「自分のデバイスのみ」を選択する場合、ご自身のMicrosoftアカウントでサインインしているパソコンからのみ、ファイルの送信を許可します。一方で「近くにいるすべてのユーザー」を選択する場合、近距離共有に対応した全てのパソコンからファイルの送信を許可します。
セキュリティのことを考えると、普段は「自分のデバイスのみ」にしておいて、他人のPCに送る時だけ一時的に「すべてのユーザー」に切り替えるのが安心です(理由は後でしっかり書きますね)。
なんでこんなに便利なの?実際の送り方で納得
設定が終わったら、いよいよファイルを飛ばしてみましょう。これがまた拍子抜けするくらい簡単なんです。
- エクスプローラーで送りたいファイルを選ぶ
- ファイルを右クリックして「共有」を選択(Windows 11では「その他のオプションを表示」→「共有」の場合もあります)
- 「共有」ダイアログが表示され、近くにいるデバイスが自動的に検索されます
- 送り先のパソコン名が出てきたらクリック
- 受け取る側に通知が届くので「保存」を押せば完了!
たったこれだけ。ちなみに複数のファイルを選択して右クリックすれば、一括送信も可能です。便利ですよね。
ただ、ひとつだけ「あるある」な落とし穴が。フォルダ自体の共有には対応していないため、フォルダを送る場合はZip圧縮してからファイルとして送信する必要があります。フォルダごとドラッグしようとして「あれ?」となる人、けっこう多いんです(私も最初やりました…)。
メリット・デメリット
便利な機能ですが、いいことばかりじゃありません。反対の立場でも考えて、デメリットも正直に書きますね。
メリット
- USBメモリもケーブルも不要、思い立った時にすぐ送れる
- Windows標準機能だから無料、アプリのインストールもいらない
- 写真・動画・資料・URLまで幅広く送れる
- クラウドにアップする手間がないぶん、操作がシンプル
デメリット
- 送る・受け取る両方のPCがWindows 10/11じゃないとダメ
- 大きな動画ファイルはBluetooth経由だと時間がかかる
- フォルダはそのまま送れない(Zipにする必要あり)
- 「すべてのユーザー」設定のままだと、セキュリティ面でちょっと不安
特に大容量ファイルについては、動画など数GBを超えるファイルを近距離共有で転送する場合、Bluetooth経由では時間がかかりすぎます。こういう時は、同じWi-Fiネットワークにつないでおくと、グッと速くなりますよ。
急にできない!を解決
さて、近距離共有でいちばん多い相談が「昨日まで使えてたのに、急に送れなくなった!」というもの。慌てないでください。原因のほとんどは、シンプルなところに隠れています。
思考の順番としては、「まず電波まわりを疑う」のが鉄則。チェックリストはこちら。
| チェック項目 | 確認すること |
|---|---|
| ① Bluetoothがオフ | これが一番多い!設定でオンになってる? |
| ② Wi-Fiがオフ | 機内モードになってませんか? |
| ③ 相手のPCの設定 | 「自分のデバイスのみ」になってない? |
| ④ 距離が遠い | 壁や金属を挟んでいませんか? |
そう、犯人No.1はBluetoothのオフなんです。近距離共有はファイルの実際の転送にWi-Fiを使用しますが、Wi-Fiアダプターが無効になっていると転送できません(機内モードをオフにしてください)。そしてBluetoothは、お互いを見つけ合う大事な役目。これがオフだと、そもそも相手を発見できないので、いくら待っても送れないわけです。
距離にも注意です。Bluetoothの有効範囲はおおよそ9〜10メートルで、障害物(壁・金属)があると距離が短くなります。送りたい相手のPCには、なるべく近づけてあげてください。
それでもダメなら、相手側の設定を確認。受信側が「自分のデバイスのみ」に設定している場合、同じMicrosoftアカウントでないと表示されません。「すべてのユーザー」に変更してみてください。
ここまでやってもまだ動かない…という最後の最後の手段が、Bluetoothドライバーの更新ですが、これは本当に困った時だけでOK。たいていは上のチェックリストで解決します。
セキュリティの話
最後に、便利さの裏にある注意点をひとつ。
近距離共有を「近くにいるすべてのユーザー」にしたままだと、周辺にあるすべてのパソコンがお使いのパソコンにアクセスできるようになるので、個人情報が漏れるリスクがあります。カフェやオフィスのような人の多い場所では、知らない人から変なファイルが飛んでくる…なんてことも理論上はあり得ます。
なので、普段は「自分のデバイスのみ」か「オフ」、送る時だけ一時的に「すべてのユーザー」――この使い分けが、便利さと安全のいいとこ取りになります。会社のPCの場合は、IT管理者さんがそもそも機能を制限していることもあるので、その時は社内ルールに従ってくださいね。
最後に
近距離共有、いかがでしたか?「なんだ、こんなに簡単だったのか」と思っていただけたら、この記事を書いた甲斐があります。
最初に設定をオンにする手間さえ越えてしまえば、あとは右クリックして「共有」を押すだけ。USBメモリを探してカバンをガサゴソする日々から、そろそろ卒業しちゃいましょう。
もし急に使えなくなっても、まずは深呼吸して「Bluetooth、オンになってる?」――この一言を思い出してください。たいていの問題は、それで片付きますから。
それでは、快適なファイルライフを!
ではでは、参考までに

