「また繋がらない…」
そのひと言から始まる、あのモヤモヤ感、わかります。しかも何が原因なのかよくわからないまま、とりあえずルーターの電源を抜き差し。それで直ることもあれば、直らないこともある。
実はWindowsには最初から「コマンドプロンプト」というツールが入っていて、正しい順番でコマンド(命令文)を打っていくだけで、「どこが壊れているか」がわかるだけじゃなく、そのまま直せることも多いんです。
この記事では、確認系・修復系・さらにルーター自体をコマンドで再起動する上級ワザまで、一気に解説します。長くなりますが、困ったときに辞書代わりに使ってください。
この記事のポイント
- pingとipconfigで原因の場所がほぼ特定できる
- netshコマンドでWindowsのネット設定を丸ごとリセット
- curlでルーター本体をコマンドから再起動する技もある
9分12秒でわかるまとめ動画
まずここから!診断・確認系コマンド
コマンドプロンプトの開き方(最初に一度だけ覚えてください)
スタートメニューで「cmd」と検索 → 「コマンドプロンプト」を右クリック → 「管理者として実行」 をクリック。
「管理者として実行」が重要です。これをやらないと後半のコマンドが動きません。
① ipconfig ― 自分のPCの状態を見る
ipconfig
これを打つと、自分のパソコンに割り当てられている「アドレス(住所みたいなもの)」が表示されます。
| 表示されたアドレス | 意味 |
|---|---|
192.168.〇.〇 | ルーターと正常に繋がっている |
169.254.〇.〇 | ルーターに繋がれていない(要確認) |
「デフォルトゲートウェイ」という項目も確認してください。ここに出てくる数字(例:192.168.1.1)が、あなたのルーターのアドレスです。次のコマンドで使います。
② ping ― 通信が届いているか確認する
ルーターへ届くか確認:
ping 192.168.1.1
(※数字はipconfigで確認した「デフォルトゲートウェイ」の値に置き換えてください)
インターネット全体へ届くか確認:
ping 8.8.8.8
8.8.8.8 はGoogleが管理しているサーバーです。世界中からいつでも繋がるため、「外に出れるか」の確認に使われます。
| pingの結果 | 意味 |
|---|---|
| Reply from~ が出る | 通信が届いている(正常) |
| Request timed out | 届いていない(問題あり) |
名前で繋がるか確認(DNS確認):
ping google.com
8.8.8.8(数字)には届くのに google.com(名前)に届かない場合は、「DNS(名前解決)」の問題です。後述の ipconfig /flushdns が効きます。
③ tracert ― どこで詰まっているか経路を追う
tracert google.com
これはちょっと上級向けですが、「どの中継地点で止まっているか」を視覚的に確認できます。家のルーターを超えてすぐ止まるなら回線業者の問題、もっと先で止まるならサーバー側の問題、という切り分けができます。表示が途中から全部 「* * *」 になっていたら、そこで詰まっています。
次はここ!ネット設定をリセットする修復系コマンド
ここからは「直す」コマンドです。管理者として実行したコマンドプロンプトで使ってください。
④ netsh winsock reset ― ネットの土台をリセット
netsh winsock reset
「Winsock(ウィンソック)」というのは、WindowsとインターネットアプリをつなぐOSの仕組みのことです。ブラウザやメールアプリがネットに繋ぐための「窓口」みたいなものと思ってください。
何らかの原因でこの窓口が壊れると、「ChromeやEdgeは繋がるのに他のアプリが繋がらない」という不思議な状態が起きます。そんなときにこれが効きます。
実行後はPCを再起動してください。「Winsock のリセットが正常に完了しました」と出れば成功です。
注意: VPNソフトやセキュリティソフトの設定が一部リセットされることがあります。実行後にそれらのソフトが動かなくなった場合は再インストールが必要になることも。
⑤ netsh int ip reset ― IPアドレス設定をリセット
netsh int ip reset
こちらはWindowsの「IPアドレス設定(パソコンの住所設定)」を丸ごと初期化するコマンドです。アップデートや何かのソフトの影響で設定が壊れたときに効きます。
Winsockリセットとセットで使うのが定番で、マイクロソフト公式もこの組み合わせを推奨しています。
実行後は必ずPCを再起動してください。
⑥ ipconfig /flushdns ― DNSキャッシュをクリア
ipconfig /flushdns
「DNS(ドメインネームシステム)」というのは、「google.com」のような名前を数字のアドレスに変換する仕組みです。パソコンはよく使うサイトの変換結果を一時保存(キャッシュ)しているのですが、これが古くなったり壊れたりすると、特定のサイトだけ繋がらないという症状が出ます。
このコマンドでそのキャッシュを全部消せます。「DNSリゾルバーキャッシュは正常にフラッシュされました」と出れば成功。
⑦ ipconfig /release と /renew ― IPアドレスを取り直す
ipconfig /release
ipconfig /renew
/release でいったん今のIPアドレスを手放して、/renew でルーターから新しいアドレスをもらいなおします。「ルーターとは繋がっているのにネットが重い・不安定」というときに試す価値があります。
まとめてやりたいときの「おまじないセット」
ここまでのコマンドを一気に流すなら、この順番で打つのがおすすめです。
netsh winsock reset
netsh int ip reset
ipconfig /release
ipconfig /renew
ipconfig /flushdns
これはマイクロソフト公式サポートページでも紹介されている手順です。「とにかく全部やり直したい」というときはこの順で。最後にPCを再起動してください。
上級編!コマンドでルーターを再起動する
「Windowsの設定は直したけど、ルーター側も怪しい」というときに使えるのがこちら。
⑧ curl ― コマンドからルーター管理画面を操作する
curl -d "action_mode=+Reboot" http://192.168.1.1/apply.cgi
これは主にASUS製のルーターで動作するコマンドです。ルーターの管理画面に「再起動してください」という命令をコマンドラインから送っています。
curl(カール)は「URLに対してデータを送受信するツール」で、Windows 10以降はOSに標準搭載されています。
ルーターメーカー別の違いについて
ルーターによって管理画面のアドレスや送るデータの書き方が変わります。
| メーカー | 管理画面アドレスの例 | 備考 |
|---|---|---|
| ASUS | http://192.168.1.1/apply.cgi | apply.cgiにPOST送信 |
| NEC Aterm | http://192.168.0.1/index.cgi/reboot_main_set | セッションIDが必要 |
| Biffalo | http://192.168.0.1/init.html | --http0.9 オプションが必要なことも |
| 一般的なルーター | http://192.168.1.1 | ブラウザで管理画面を確認 |
注意: このコマンドはルーターのメーカー・型番によって動くものと動かないものがあります。また、パスワードが設定されているルーターでは認証が必要です。誤った操作をするとルーターの設定が壊れることもあるため、「ルーターの管理画面URLがわかっていて、機種情報も把握している」人向けです。不安な方は物理的にコンセントを抜くほうが安全です。
⑨ curlでルーター管理画面を確認する(シンプル版)
まずルーターに繋がるかどうかだけ確認したい場合はこちら。
curl http://192.168.1.1
管理画面のHTMLがずらっと出てきたら、ルーター自体には繋がっています。何も出なかったり「接続できません」と出たりすれば、ルーターが応答していない状態です。
全コマンド早見表
| コマンド | 用途 | 管理者権限 |
|---|---|---|
ipconfig | 自分のIPアドレスとルーター確認 | 不要 |
ping 192.168.1.1 | ルーターへの通信確認 | 不要 |
ping 8.8.8.8 | インターネットへの通信確認 | 不要 |
ping google.com | DNS(名前解決)の確認 | 不要 |
tracert google.com | どこで詰まっているか経路確認 | 不要 |
netsh winsock reset | ネット接続の土台をリセット | 必要 |
netsh int ip reset | IP設定をリセット | 必要 |
ipconfig /release | IPアドレスを手放す | 不要 |
ipconfig /renew | IPアドレスを取り直す | 不要 |
ipconfig /flushdns | DNSキャッシュをクリア | 不要 |
curl http://192.168.1.1 | ルーター管理画面の確認 | 不要 |
curl -d "action_mode=+Reboot" http://192.168.1.1/apply.cgi | ルーター再起動(ASUS等) | 不要 |
最後に
コマンドって最初は怖く見えますが、やってることは「状態を確認する→問題のある部分をリセットする」という単純な流れです。
個人的には、まず ipconfig と ping で場所を特定してから、必要なものだけリセットするのがオススメです。ただ正直、めんどくさいときはいきなり「おまじないセット」を全部流してしまうのもいいでしょう。
何度やっても直らない場合は、回線業者側の障害か、ルーター本体が壊れているケースが多いです。そのときはルーターメーカーや回線業者のサポートに「pingで8.8.8.8まで届かない」と伝えると、話がスムーズに進みますよ。
ではでは、参考までに

